家が傾く原因は地盤沈下?シロアリ被害?その原因と補修方法を徹底解説

家の傾きが気になるときは、その原因を正確に特定して適切な対策をすることが重要です。家の傾きを放置すると壁や床にひび割れが発生するだけではなく、家全体の耐震性や安全性にも大きな問題が生じます。

そこで今回は、家が傾く原因やリスクについて、詳しく解説していきます。補修方法や補修費用の相場も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

家が傾く原因とは

家が傾く主な原因は、次の4つです。

  • 地盤沈下
  • 地震
  • 床材の劣化
  • シロアリ被害

それぞれ詳しく見ていきましょう。

地盤沈下

家が軟弱な地盤の上に建っていると、その重みで地盤が沈むことがあります。家のバランスが均等であれば地盤が軟弱でも特に問題ありませんが、家の重量が偏っている場合は、重い側が沈下して家が傾いてしまうのです。

なお、家のバランスが均一でも、地盤の固さが偏っていれば家は傾きます。

地震

大きな地震で建物が大きく揺れると、床下に問題が生じて家が傾くことがあります。また、揺れによって地盤にズレが生じた場合にも家が傾きます。地震による家の傾きは、強固な地盤の上でも起こる可能性があるので注意が必要です。

床材の劣化

床下が劣化して凹んでしまうと、家が傾くことがあります。床材は経年によって劣化が起こります。特に水回りは水分による劣化や腐食が起きやすくなります。劣化が基礎にも及んでいる場合は、大規模な修繕工事が必要です。

シロアリ被害

シロアリによる被害が進行すると、床の強度が低下して家が傾いてしまいます。食害が柱や梁などの構造部材に広がった場合は、家全体の耐震性が低下するので早めの対策が必要です。耐震性が低下した家は、地震などの自然災害で倒壊する危険性があります。

家の傾きの許容範囲と確認方法

家の傾きの許容範囲(※)は、新築で「3/1,000以内(0.17度以内)」、中古住宅は「6/1,000以内(0.34度以内)」とされています。3/1,000とは、1,000ミリ(1メートル)につき3ミリ傾いているということです。
※参照元:国土交通省

許容範囲を超えたら、すぐに修繕が必要になるというわけではありません。逆に、許容範囲内であっても、日常生活に支障をきたす場合は補修を検討したほうがいいでしょう。

家の傾きを自分で確認する簡易的な方法を紹介します。

  • 物を転がして確認する
  • 水平器を使う
  • スマートフォンのアプリを使用する
  • ペットボトルに水を入れて床に置く

ただし、どの方法も精度に限界があります。正確に測定するためにも、家の傾きが気になった時点で専門家に相談したほうがいいでしょう。

家の傾きによる影響やリスク

家の傾きが大きくなると柱や壁、基礎などに負荷がかかり、耐震性が低下する恐れがあります。家の傾きが原因で家具や家電製品が倒れたり、ドアや窓が開かなくなったりすれば、日常生活にも支障をきたすでしょう。

家の傾きが大きくなると、健康被害を引き起こすこともあります。2~3度の傾きでも、めまい、頭痛、はきけ、食欲不振といった体調不良の症状が現れるので注意が必要です。4~6度になると疲労感や睡眠障害などが見られ、7~9度では牽引感や頭痛、疲労感が強くなります。

症状には個人差がありますが、放置しておくと思わぬ病気につながる可能性もあるので早めの対策を心がけましょう。

家の傾きの補修方法や費用は?

家の傾きの補修方法は原因によって異なります。事態を悪化させないためにも、家の傾きに気づいたら自分で判断せず専門業者に相談しましょう。

主な原因別の補修方法と費用を紹介します。

地盤沈下が原因で傾いた家の補修方法

軟弱地盤の沈下が原因の場合は「耐圧盤工法」で対応します。耐圧盤工法とは 基礎の下を掘削した後で鉄板やコンクリート版などで作成した「耐圧盤」を設置し、その上に油圧ジャッキを設けて家を持ち上げる方法です。

掘削した部分は無収縮モルタルを圧入して埋め戻します。騒音や振動が少なく、ミリ単位で調整できるのが大きな特徴です。費用の相場は200~700万円になります。

なお、地盤の沈下が進行していると判断される場合は「アンダーピニング工法」が用いられます。アンダーピニング工法は、基礎の下を掘削した後でジャッキと家の重みを利用し、地盤の支持層まで鋼管杭を圧入する方法です。鋼管杭が建物を支えるので、傾きが直ります。費用相場は300~1,000万円です。

地震が原因で傾いた家の補修方法

大きな地震が原因で家が傾いた場合は、家の被害状況によって補修方法が異なります。

地震によって液状化が起きている場合は「アンダーピニング工法」が適していますが、地盤に問題が発生していないときは、被害の程度に応じて専門家が判断することになります。

床材の劣化が原因で傾いた家の補修方法

基礎に問題がなく、床材だけが傾いている場合は「土台上げ工法」が適しています。土台上げ工法とは、基礎コンクリート部分と土台部分の間にジャッキを入れて持ち上げる方法で、「プッシュアップ工法」とも呼ばれます。費用相場は部分上げで20万円からです。

傾きの範囲や程度が小さい場合は、床のリフォームだけで済むケースもあります。床の張り替え費用は補修範囲によって異なりますが、17~30万円ほどです。

シロアリ被害が原因で傾いた家の補修方法

シロアリ被害が原因の場合は、まずシロアリの駆除から行ないます。駆除には即効性が高い「バリア工法」を用いるのが一般的です。費用相場は1㎡あたり1,000〜2,000円になります。

シロアリの駆除後、被害が柱全体に及んでいた場合には構造材を交換します。交換費用の相場は30万円前後ですが、被害が広範囲に及んでいた場合は数百万〜数千万の費用がかかることもあります。さらに、傾きの状況に応じて「耐圧盤工法」や「土台上げ工法」などでジャッキアップしていきます。

シロアリ被害は、傾きの補修だけではなく、シロアリの駆除と構造材の修理もする必要があるため、費用が高額になりがちです。不要な出費を抑えるためにも、定期的な床下の点検を心がけましょう。

まとめ

家の傾きは、地盤沈下や地震、床材の劣化、シロアリ被害などが原因で起こります。気にならないからといって傾きを放置しておくと、家全体の耐震性や安全性が低下するので注意しましょう。

家の傾きを補修する費用の相場は次のとおりです。

  • 地盤沈下が原因の家の傾き:200~1,000万円
  • 地震が原因の家の傾き:被害のほど程度によって異なる
  • 床材の劣化が原因の家の傾き:20万円~
  • シロアリ被害が原因の家の傾き:駆除費用1㎡あたり1,000〜2,000円、床の構造材交換と傾きの補修30万円~数千万円以上

補修方法は家の状態や傾きの程度によって異なります。

補修には専門的な技術が必要です。自己判断による補修は危険なので避けましょう。専門業者に相談のうえ、適切な方法で補修するようにしてください。

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