床下の基礎補強に必要な工事と費用を解説

世界中で起こる地震の20%が日本で発生しているといわれますが、この地震をきっかけに基礎にできた亀裂が気になったり、基礎補強の工事の必要性に気づいたりする方は多いです。

特に「築30年以上」の住宅は、今後大きな地震が起きた際に「ひび割れ」から「倒壊」までさまざまなリスクを抱えています。今回は、大切な家を守るための基礎補強の方法や、気になる費用をご紹介していきます。

基礎補強工事とは

基礎補強工事とは、基礎に生じた劣化やひび割れを補修して強度を高めるためにおこなう工事です。

基礎にも寿命は存在するため「ひび割れ」などの劣化からは免れません。一般的に基礎の寿命は約30年だといわれています。基礎の外側にひび割れがないからといって安心はできません。すでに内側部分で劣化が広がっている可能性もあります。

しかし、適切な基礎補強工事を施すことで、基礎の強度を「半永久的」に保つことができます。安全な家に長く住むためには基礎補強工事が必須だといえるでしょう。

基礎補強が必要な住宅の特徴は?

まずは、基礎補強が必要な住宅の特徴を3つ紹介します。

1.1981年より前に建てられた木造住宅

1981年より前に建てられた木造住宅は「旧耐震基準」に合わせて建てられているため、現在の基準に合わせた基礎の補強が必要です。
旧基準では主に「震度5程度の地震に対して耐えられる」「布基礎による施工」の2つが義務づけられていますが、阪神淡路大震災のような大地震に耐えることはできません。

2.基礎にひびが入っている

地震などで住宅が斜めに傾いて沈んでいると、基礎に力が加わり亀裂が生じます。基礎のひびは、初期段階から第四段階まであり、状態によって倒壊のリスクが高まります。

  • 初期段階:外壁に亀裂が入る
  • 第一段階:布基礎や土間コンクリートにひび割れ
  • 第二段階:壁と柱の間に隙間ができる、壁やタイルにひび
  • 第三段階:柱が傾き、扉の開閉困難、床が傾く
  • 第四段階:柱の傾きが大きく、地震などで倒壊する可能性が高い

傾きの基準に関しては、水平器を使えば正確に確認できますが、簡易検査としてペットボトルに半分以下の水を入れたものを用いて代用できます。
傾いていると思われる床にペットボトルを横向きに置いて、ペットボトルの水がはっきり傾いていれば床が傾いている証明になります。

3.基礎に鉄筋が入っていない

昭和25~昭和56年に建築された古い住宅には、基礎に鉄筋が入っていない「無筋基礎」が見られます。無筋基礎の住宅は耐久性も耐震性も低いので、できるだけ早く補強した方がいいでしょう。

基礎補強の工事の種類を紹介

ここからは、主な基礎補強の工法をご紹介します。基礎補強工事は、簡易的なものから大規模な工程が必要になるものまでさまざまです。

・ひび割れ補修

エポキシ系樹脂を注入して、隙間を埋めていく工法です。ひび割れを補修すればコンクリートの劣化防止やシロアリ対策になります。ただし、補修としては簡易的なので、耐震性能が高くなるわけではありません。

・炭素繊維シート(アラミド繊維シート)による補強

炭素繊維シート(アラミド繊維シート)を基礎の上に貼りつけて強度を高める方法です。重機を使わないので比較的工費が安く、工期も短くて済みます。

・ビックス工法

エポキシ系樹脂を注入して、隙間を埋めていく工法です。ひび割れを補修すればコンクリートの劣化防止やシロアリ対策になります。ただし、補修としては簡易的なので、耐震性能が高くなるわけではありません。

・Uカットシール工法

幅が広いひび割れの補強に使われる工法で、ひび割れの再補修などにもよく使用されます。ひび割れ部分を専用の電動工具でU字型(V字型)にカットしてから、シーリング材などを充填して補強します。

・基礎増し打ち補強

耐震改修に用いられる工法です。基礎の隣に新しく鉄筋を組んで一体化させ、基礎の強度を高めます。部分的な工事ですが、炭素繊維シートを使った補強よりも工費と工期がかかります。

・ベタ基礎補強

布基礎をベタ基礎に変える工法です。1階の床を解体してから施工する大がかりな工事になります。工事が終わったら床を元に戻す必要もあるため工費が高く、工期も長くなりがちです。

基礎補強にかかる費用はどれぐらい?

家の状態によって工事の内容と費用は大きく変わりますが、一般的な基礎補強費用の相場をご紹介します。

・基礎補強工事費用

<ひび割れの補修>

ひび割れ1カ所につき1~2万円が相場です。補修する箇所が少なければ1日で完了します。基礎全体のひび割れを補修する場合は10万円前後、工期は3日前後が目安です。

<炭素繊維シートによる補強>

基礎の状態によっても異なりますが、基礎の状態によっても異なりますが、費用相場は2万円〜3万円/mです。工期は1~3日ほどです。

<ビックス工法>

ひび割れ1カ所につき1~2万円が相場です。補修する箇所が少なければ1日で完了します。基礎全体のひび割れを補修する場合は10万円前後、工期は3日前後が目安です。

<Uカットシール工法>

こちらも、ひび割れ1カ所につき1~2万円が相場で、簡易的なものであれば作業は1日で完了します。

<基礎増し打ち補強>

6~8万円/mが相場です。工期は補強1箇所につき2~3日、基礎全体を補強する場合は、1か月前後かかります。

<ベタ基礎補強>

基礎の補強費用と床の解体費用、床の復旧費用が必要になるため、全体的な工費は100~300万円ほどになります。工期は最低でも1か月、家の広さや基礎の状態によっては3か月以上かかることもあります。

まとめ

地震が多い日本においては、床下や基礎の補強工事は極めて重要です。

特に、築30年を過ぎた建物は基礎の強度が弱いので、家の傾きや倒壊の可能性があります。崩れてからの補修工事は費用も高額になりやすいので、定期的な床下の調査が重要になります。

基礎補強工事は大規模なものから簡易的なものまで、様々な工法があります。今回、いくつかご紹介させていただきましたが「自宅の基礎補強には、どんな方法が適しているか」が気になる方は、専門の業者に工法や費用について相談してみましょう。

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