シロアリはどこに巣を作るのか?知っておきたい巣の特徴と被害の兆候
家に住みついたシロアリを放置しておくと、大きな被害を引き起こします。被害を防ぐためには、シロアリの巣に、できるだけ早く気づくことが大切です。
そこで本記事では、シロアリが巣を作る場所や、巣がある家の特徴などについてご紹介します。シロアリ被害が心配という方は、ぜひ参考にしてください。
シロアリはどんな巣を作るのか
住宅に被害を及ぼすシロアリは、主に「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類です。まずは、それぞれのシロアリが作る巣の特徴を見ていきましょう。
・ヤマトシロアリ
住宅の木材をエサにしているヤマトシロアリは、かじってできた穴をそのまま巣にします。群れの数は数千匹から数万匹です。環境に応じて移動するので、巣を作って留まることは滅多にありません。
・イエシロアリ
イエシロアリはヤマトシロアリよりも体格が大きいので、巣も体格に比例して大きくなり、最大では100メートルに達することもあります。群れは少なくても数万匹、多いときには数百万匹にもなる「数の多さ」が特徴です。
数が多いためエサの量も増え、被害が進行するスピードも速まります。巣を作ると定住するため、家屋への被害は大きくなりがちです。
習性 | 群れの数 | 巣の大きさ | 被害の速さ | |
ヤマトシロアリ | 移動する | 数千〜数万匹 | 比較的小さい | 比較的遅い |
イエシロアリ | 定住する | 数万〜数百万匹 | 大規模 | 速い |
こんな症状があれば注意!シロアリの巣がある兆候
ここでは、普段の生活でも察知できる「シロアリの巣がある兆候」をご紹介します。
・床を歩くと沈む
シロアリは、家の基礎から床下に侵入して床材や柱を食べるので、食害に遭っていると床が沈んだり、しなったりすることがあります。
・柱を叩くと空洞音がする
シロアリに食べられた柱や壁は空洞になるため、叩いたときに「コンコン」と軽い音がすれば、すでにシロアリが巣を作っている可能性があります。
・家の中や近所でシロアリの羽アリを見かけた
4月から7月に、家の周りや外壁、窓などに止まっているシロアリの羽アリを見かけたら、家の中や近所にシロアリが巣を作っている可能性があります。
・外壁の基礎に蟻道(ぎどう)がある
基礎がコンクリートの家でも、わずかな隙間からシロアリは侵入します。基礎部分にシロアリが作った道「蟻道」ができていたら、すでにシロアリが巣を作っていると思っていいでしょう。
シロアリの巣はどこにあるのか
シロアリ被害を防ぐためには、巣を作る場所を知っておくことも大切です。
・ヤマトシロアリ
湿気があるところを好むヤマトシロアリは、床下や柱のほか、雨漏りがしている天井裏や浴室といった水分のある場所に巣を作ります。また、湿った木材や段ボールに住み着くこともあります。
・イエシロアリ
水を運ぶ能力があるイエシロアリは、土の中に巣を作って家の下に定住します。イエシロアリの被害が気になる方は、家の下の地面を探してみるといいでしょう。
不安なときは専門業者に相談してみましょう
シロアリの被害に気づいたら、すぐに専門業者に駆除を依頼しましょう。先ほどご説明したようにシロアリの巣の規模を考えると、ご自分で完全に駆除をするのはほぼ不可能です。
専門業者は被害を引き起こしているシロアリの種類や、被害を受けている場所に適した薬剤を使うので、再発する可能性はほぼありません。
床下の点検はご自分でもできますが、狭くて暗い床下での作業は思わぬケガのもとになるので、プロに依頼した方がいいでしょう。
・点検費用の相場
床下の点検は基本的に無料です。ただし、床下に侵入する点検口がない場合は、点検口の新設費用として約3万円から5万円がかかります。和室がある家なら、畳を上げて床下に侵入することも可能です。
・シロアリ駆除費用の相場
シロアリの駆除は被害状況に加え、「建物の構造」や「施工場所」よっても異なります。また、業者の種類によっても費用が変わってきますので、信頼できる業者を複数選び「相見積もり」を取って金額や施工内容を比較してみるのも一つの手です。
駆除の料金に関わってくる主なポイントをご紹介します。
・床下の潜り込みやすさ
床下に侵入する点検口がない場合の新設工事費用や、床暖房・床下換気扇の有無によって費用が変動します。
・建物の材質
家の造りによって駆除の方法や薬剤が異なるため、木造か鉄骨造かで費用が変動します。
・除去する場所
シロアリが発生しやすい浴槽付近は、駆除のために別途工事が必要になるケースがあります。
また、被害の範囲が広いと使う薬剤の量も多くなるので費用が高くなります。費用を安く済ませるためにも、できるだけ早めに専門業者へ依頼するようにしましょう。
まとめ
今回は、シロアリが巣を作る場所や、巣の特徴などについてご紹介しました。
木材をエサにしている「ヤマトシロアリ」は、かじった柱や壁をそのまま巣にして生息するという特徴があります。家に大きな被害を及ぼす「イエシロアリ」は、土の中に最大100mにも及ぶ巨大な巣を作ります。
床を歩くときに沈んだり、家の内外で羽アリを見たりしたら、シロアリが巣を作っている可能性があるので、専門業者に点検と駆除を依頼しましょう。
床下の点検費用は基本的に無料で行なっている業者が多いようです。シロアリの駆除は被害状況に加え、「建物の構造」や「施工場所」などの条件により費用が変動するため、信頼できる業者を選び、相見積もりを取ることをおすすめします。
シロアリは放置しておくと、耐震強度不足や家の崩壊などに繋がることもあります。シロアリの巣に気づいたら、できるだけ早く専門業者に点検と駆除を依頼して、被害が大きくなるのを防ぎましょう。