新築なのにシロアリ被害!?新築だからやるべき対策とは

「新築ならシロアリ対策はしなくても大丈夫」と思っている方も多いのではないでしょうか? 残念ながら、シロアリは建物の築年数など関係なく侵入してきます。

新築だから対策をしなくても良いのではなく、「新築だからこそやっておくべきシロアリ対策」があるのです。

そこで今回は、以下について詳しくご紹介します。

  • 新築でもシロアリ対策が必要な理由
  • 新築の家が行なうべきシロアリ対策
  • シロアリ予防の薬剤を散布する頻度
  • 知っておくべきシロアリの保証制度
  • ご自分でできるシロアリ対策

新築のシロアリ対策について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

新築でもシロアリ対策が必要な理由

新築の家はシロアリ被害に遭わないというイメージもありますが、シロアリは築年数を問わず侵入してきます。シロアリにとっては建物の新しさよりも、「そこにエサがあるかどうか」が問題なのです。

シロアリを防ぐと言われているベタ基礎も、基礎と立ち上がりの継ぎ目に隙間があれば、そこからシロアリは侵入します。

h3・シロアリ被害に築何年かは関係ない

新築でもシロアリ被害は避けられません。家が完成した直後にシロアリが浸入したという事例もあります。シロアリにとって、家の新しさは関係ないのです。

シロアリが好む湿った木材や侵入しやすい隙間などがあれば、シロアリは侵入してきます。新築だからと油断せず、床下や水回りなどの定期的な点検を怠らないようにしましょう。

新築の建築後にできるシロアリ対策と注意点

新築時にできるシロアリ対策と注意したいポイントは下記の4点です。

  • 点検しやすい作りにする
  • 基礎断熱工法は採用しない
  • 木材の種類だけでは対策に限界がある
  • シロアリの侵入経路を理解する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

点検しやすい作りにする

点検のしやすさは、日常的なシロアリ対策に大変有効です。シロアリ対策の基本は早期発見であるため、日頃の点検によってシロアリの発生に早く気づけば、被害も最小限で済みます。とくに重要なのは「床下点検口の設置」と「基礎外側のスペースの確保」です。

・床下点検口の設置

点検口がなくても床下には入れますが、狭くて出入りが大変なので、日常的な点検が難しくなってしまいます。しかし、基礎の立ち上がり部分に専用の点検口があれば、スムーズな床下の点検が可能です。

床下の高さも確保しておきたいところです。床下が狭すぎると点検が困難になるだけではなく、通気性が悪くなってシロアリ被害に遭いやすくなります。

・基礎外側のスペースを確保

基礎の近くに障害物があると、シロアリの点検が難しくなります。基礎外側のスペースに物置などを設置している家も見られますが、点検の邪魔になるので避けた方がいいでしょう。

基礎断熱工法は採用しない

基礎断熱工法は、断熱材と基礎の立ち上がりの間からシロアリが浸入するため、被害に気づきにくいというデメリットがあります。また、断熱材がシロアリのエサになって、想像以上に被害が拡大することもあります。シロアリ被害を避けるなら、基礎断熱工法は採用しない方がいいでしょう。

木材の種類だけでは対策に限界がある

木材には、シロアリ被害に遭いやすい種類と、シロアリに強い種類があります。たとえば、下記のような樹種はシロアリに強いとされています。

  • チーク
  • ヒノキ
  • ヒバ

逆に、下記のような樹種はシロアリ被害に遭いやすいとされています。

  • ホワイトウッド
  • スプルース
  • エゾマツ

なお、同じ樹種でも、部位によってシロアリ被害に遭いやすいかどうかが変わります。たとえば、中心部の「芯材」と呼ばれる部分は水分が少ないため、シロアリに強いとされています。一方、樹皮に近い周辺部の「辺材」は、シロアリに弱いとされます。

しかし、ヒノキやヒバの芯材を使用すればシロアリ被害に遭わず、エゾマツなどの辺材はシロアリを誘発するというわけでもありません。実際、ヒノキの芯材がボロボロになるまでシロアリの食害に遭うという事例は珍しくないのです。

木材の選定も重要ですが、シロアリに強い樹種だからと安心せず、定期的に点検をしてシロアリの発生を防ぐようにしましょう。

シロアリの侵入経路を理解する

シロアリの侵入経路は、ほとんど下記の3経路と決まっています。

・基礎の打ち継ぎ部分

基礎コンクリートは、ベースになる部分と立ち上がりに分けて打設します。そのため、継ぎ目のわずかな隙間からシロアリが侵入してくる可能性があるのです。シロアリの侵入を防ぐためには、基礎止水プレートなどを使って継ぎ目を塞ぐ必要があります。

1回でコンクリートを打設すれば継ぎ目はできませんが、高度な技術が求められるため、対応できる建築会社が限られてしまうというのが実情です。

・配管

基礎配管周囲の隙間からも、シロアリが侵入します。防蟻剤入りのシーリングやウレタンを使って隙間を塞いでおきましょう。

・玄関ポーチ

シロアリは、玄関の外から地中を通して床下に侵入してきます。これを防ぐためには、玄関ドアの下にコンクリートを打設して、シロアリの侵入経路を遮断しなればいけません。ただし、コンクリートを打設しても、基礎の立ち上がりとベタ基礎スラブとの継ぎ目から侵入してくる可能性があります。

このように、最新の建築法でも玄関のシロアリ対策は難しいため、定期的な点検と防除を欠かさないようにしたいところです。

新築建築後に実施すべきシロアリ対策

シロアリ対策の方法はいくつかありますが、新築の家では主に「バリア工法」が使われます。バリア工法は、住宅や土壌に薬剤を直接散布してシロアリを寄せ付けないようにする方法です。

バリア工法には、主に以下のようなメリットがあります。

なお、バリア工法では、「木部処理(柱などの木材への薬剤塗布)」と「土壌処理(土壌への薬剤散布)」が行なわれます。

  • 比較的費用が安い
  • 即効性が高い
  • 5年保証がある

それぞれの施工手順を詳しく見ていきましょう。

<木部処理>

住宅の木材に薬剤を散布して、シロアリの発生を防ぎます。主に床下の木材に処置をしますが、すでにシロアリの被害に遭っている場合は床上の木材にも施します。

木部処理には4つの方法があります。

1.吹付処理

ノズルを使って木材に薬剤を吹き付ける方法です。木材の表面を薬剤でバリアして、シロアリが寄り付かないようにします。

2.穿孔処理

木材に穴を開けて薬剤を注入する方法です。シロアリが木材の内部にまで侵入している場合に行ないます。薬剤を注入した後は、穴に木の栓をして塞ぎます。

3.穿孔吹付処理

壁に開けた穴から、壁の内部にある木材に薬剤を吹き付けていく方法です。穿孔処理は木材の内側に薬剤を注入しますが、穿孔吹付処理は、壁の内部にある木材の外側に薬剤を吹き付けます。

4.塗布処理

刷毛などを使って木材に薬剤を塗っていく方法です。吹付処理は薬剤が周囲に飛び散ることがあるため、神社や寺院などの施工には塗布処理が使われます。

<土壌処理>

床下のコンクリートや地面に薬剤を散布して、土の中にいるシロアリの対策をします。土壌処理の方法は主に3種類です。

1.帯状散布

基礎内側の土壌に向けて薬剤を帯状に散布します。シロアリが侵入しやすい束石や配管、基礎の近くは入念に薬剤を撒いていきます。

2.面状散布

土壌全面に薬剤を散布する方法です。ムラなく薬剤を散布して、シロアリの侵入を防ぎます。

3.加圧注入

高圧噴霧器などを使って、土の中に薬剤を注入する方法です。地中のシロアリに対して、高い予防効果を発揮します。

<その他の駆除方法>

ご紹介した薬剤散布法の他にも、シロアリの通り路に毒エサを設置する「ベイト工法」があります。
シロアリが巣に毒エサを持ち帰ることによって、巣の中のシロアリを駆除することができます。

シロアリの予防対策は5年が目安

バリア工法でシロアリ対策を施した場合、予防は「5年後ごと」に行う必要があります。

以前の薬剤は、予防効果が長く続きました。しかし、強力な薬剤の成分が原因で体調を崩してしまう人が増えたため、薬剤の効力が問題視されるようになったのです。

現在使われているシロアリ予防の薬剤は、安全面と健康面を最重要視しています。そのため、5年前後で薬剤の効果が自然分解されるのです。

シロアリ予防の薬剤は、散布した直後から分解が始まります。分解は少しずつ進行し、シロアリ予防の効果がほとんどなくなるのが「5年」です。ただし、5年間は絶対に安心というわけではないので注意してください。分解は散布直後から始まるので、5年以内にシロアリが再発する可能性があります。

しっかりと点検を行っていれば、シロアリが発生しても被害を最小限にすることができます。定期点検の費用は5千円~1万円ほどですが、無料で点検してくれる業者も少なくありません。

シロアリ被害の保証制度も利用しよう

新築を建てたら「5年保証サービス」に加入することをおすすめします。万が一、シロアリ被害に遭ってしまった場合も、5年以内であれば費用が保証されるサービスです。

優良な業者であれば、シロアリ予防や駆除の依頼した際にアフターサービスとして5年保証サービスが付いていることがあります。

シロアリ対策を検討している方は、費用面や施工内容だけではなく、こうした保証内容もしっかり確認しておきましょう。

日頃からできるシロアリ対策を紹介

ここからは、ご自分でも日頃からできるシロアリ予防策を3つご紹介します。

1.家の周辺に木材やダンボールを置かない

木材やダンボールはシロアリの好物です。シロアリはエサを見つけると仲間に知らせるという習性があるため、エサを放置しておけば、数百匹いう大群が押し寄せて食害します。使わない木材やダンボールは必ず撤去するようにしましょう。

2.基礎周辺の風通しと日当たりを良くする

シロアリは暗くて湿気が多い場所を好むため、基礎まわりの風通しを良くして、床下に湿気が溜まらないようにしましょう。また、通気口の周辺に物を置いて日当たりを防がないように注意してください。

3.水道管の水漏れを放置しない

水漏れを放置しておくと、壁の内部や床下にまで水が浸透していきます。シロアリを寄せつけないためにも、水漏れに気づいたらすぐに修理するようにしましょう。

新築でも早めに対策すべきシロアリ被害の兆候

新築でも下記のような兆候がある場合は、早めのシロアリ対策が必要です。

  • 蟻道がある
  • 床を歩くとフワフワする
  • 柱を叩くと空洞音がする

それぞれ詳しく解説していきます。

蟻道がある

シロアリは光を嫌うため、トンネルのような蟻道(ぎどう)を作って移動します。蟻道ができている場合は、シロアリの被害が屋内に達している可能性が高いです。放置しておくと、新築でも家の耐久性が低下してしまうので、早めに駆除を依頼しましょう。

床を歩くとフワフワする

床下がシロアリの被害に遭っていると、歩いたときにフワフワすることがあります。被害に遭っていなくても、湿気が溜まってシロアリが集まりやすい状況になっています。被害の拡大を防ぐためにも、早めに床下の点検をおこないましょう。

柱を叩くと空洞音がする

柱を叩くと空洞音がする場合は、すでに内部がシロアリ被害に遭って空洞になっている可能性があります。内部の確認は難しいので、できるだけ早く専門業者に連絡して点検と駆除をおこないましょう。

まとめ

新築でもシロアリ対策は必要です。シロアリに強いとされるベタ基礎でも、わずかな隙間を見つけて侵入してきます。

新築の家でも、今回ご紹介した薬剤を使った対策が必要でしょう。

ただし、薬剤による予防効果は5年間が目安となります。安心して長く住み続けるためには、定期的な点検とシロアリ対策が必要です。ご自分でできるシロアリ対策もありますが、万全ではないので、信頼できる専門業者に依頼するのがおすすめです。

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