
シロアリが発生しやすい時期と駆除のタイミング|対策方法も詳しく解説
シロアリは高温多湿な環境を好みますが、冬はシロアリ対策をしなくてもいいというわけではありません。シロアリは冬眠をせず、環境が整えば時期を問わず1年中活動します。 寒い時期にも関わらずシロアリを見かけたという方もいると思います。
そこで今回は、シロアリの生態やシロアリ被害に注意したい時期について解説します。
シロアリが最も活発になる時期と時間は?

シロアリは主に地中に巣を作るため、普段は目にする機会が少ないですが、春になると羽アリの発生に注意が必要です。羽アリは4月から5月にかけて繁殖期を迎え、昼間の時間帯に群れで飛び立つ習性があります。
飛び立った羽アリは自らの羽を切り落とし、雌が放出する誘引フェロモンに引き寄せられた雄とペアになって新たな巣を作ります。そのため、家の敷地内で羽アリを見かけた場合は、巣が作られる前に迅速に駆除する必要があります。
シロアリの種類ごとの発生時期と飛来時間帯
フォームの始まり
フォームの終わり
日本には主に「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」の3種類が生息しており、それぞれの発生時期や飛来する時間帯は異なります。
シロアリの種類 | 発生する時期 | 飛ぶ時間 | 特徴 |
---|---|---|---|
ヤマトシロアリの羽アリ | 4月から5月 (沖縄は2月頃、東北から北海道は6月) | 日中 (10時〜正午ごろ) | 生息地域がもっとも広い |
イエシロアリ | 6月から7月 | 日没後 | 日本南部で多く発生 |
アメリカカンザイシロアリ | 7月10月 | 日中 | 生息地域は狭い外来種 |
上記の発生時期や飛ぶ時間に多くのシロアリを見かけたら、家の中や近隣にシロアリの巣があると考えて間違いないでしょう。
シロアリはどこから家に侵入する?

シロアリの侵入経路は主に3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
地面に接した床下
地面に接した床下は、シロアリが最も侵入しやすい経路です。日本でのシロアリ被害の多くは、土の中に生息する「イエシロアリ」や「ヤマトシロアリ」が原因です。これらのシロアリは、家の基礎にあるわずかな隙間やヒビを見つけて侵入してきます。
シロアリには「フェロモンで仲間に餌の存在を知らせる」という特性があるため、短時間で数百匹が集まり、大規模な食害を引き起こすことがあります。
被害に遭っている木材からの侵入
外来種である「アメリカカンザイシロアリ」は、輸入された木製タンスやピアノなどに潜んでいることがあります。もしシロアリが潜んでいる家具を家の中に運び込んでしまうと、そこから簡単に家全体に侵入してしまう恐れがあります。
羽アリの飛来
夏場には羽アリが繁殖期を迎え、家の中に飛来して巣を作ることがあります。これは極めてまれなケースですが、可能性がゼロというわけではありません。シロアリが発生する時期を把握しておくことは非常に有用です。
羽アリが飛ぶ要因としては、湿気、気温の上昇、風の弱さなどが挙げられます。たとえば、夜中から早朝にかけて雨が降り、その後天気が回復して地面が湿った状態になると、羽アリが飛ぶ条件が整います。
また、蒸し暑く気温が20度以上に上昇する日や、風が弱く穏やかな午前中から日中にかけては、羽アリの飛翔が特に見られることがあります。
シロアリが好む環境とは?
シロアリが好む環境については以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。
温かく湿度が高い場所
シロアリは気温が10度以上で活動が活発になります。湿気の多い木材なども好むため、湿気のある場所に集まりやすいです。
食物が豊富な場所
シロアリは木材だけでなく、紙や枯れ木なども食べるので、これらの物質を放置しておくとシロアリが寄ってきて、近くに巣を作ることがあります。
外敵が少ない場所
シロアリは外敵から身を守るため、他の小動物が侵入しにくい場所に生息します。
これらの条件を満たす場所として、以下が挙げられます。
- 床下
- 天井裏
- 柱
- 押入れ
- 玄関
- 浴室や洗面所などの水回り
- ウッドデッキ
特に押入れやウッドデッキはシロアリの存在に気付きやすいですが、天井裏や床下、柱は発見が遅れることが多く、気づいた時には被害が大きく進行している場合があるので注意が必要です。
シロアリが嫌いなものは?
シロアリが嫌いなものは、光・乾燥・刺激臭です。シロアリが発生しやすい時期でも、嫌いなものを知っておけば被害を抑えられる可能性があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
光
シロアリは通常、暗い地中や木材の内部で生活しているため、光に対して敏感です。強い光にさらされると、それだけで死に至ることもあります。光が嫌いというよりも致命的と言っていいでしょう。
光を本能的に避ける特性は、家屋のシロアリ対策にも活用可能です。たとえば、家の周りの樹木や植栽を適切に管理して、日光が当たるようにするだけでも、シロアリの侵入を防げます。シロアリが好む湿気の防止にもなるので、盆栽や不要な置物なども撤去したほうがいいでしょう。
乾燥
シロアリの体は水分を多く含んでおり、乾燥に弱い構造をしています。乾燥した環境に長時間さらされると、シロアリは体内の水分を急速に失い、最終的には死に至る可能性もあります。
シロアリが好むのは湿度が高くジメジメとした場所です。家の周りと床下は適切な換気を行い、湿気がこもらないようにしましょう。雨どいや配管からの水漏れがあれば早めに修理を行ない、家の周囲に水がたまらないようにしてください。
ただし、極端な乾燥は木材にもよくありません。適度な湿度を保ちつつ、シロアリが好む過度な湿気を避けることが大切です。定期的に床下の点検と湿度のチェックも行なえば、シロアリが発生しやすい時期でも被害を防げるでしょう。
刺激臭
シロアリは主に嗅覚を頼りに活動しており、仲間とのコミュニケーションや餌の探索にフェロモンを使います。そのため、強い刺激臭はシロアリの嗅覚を妨げ、行動を混乱させる効果が期待できます。
シロアリが特に嫌う刺激臭は、ペパーミントやユーカリ、シダーウッド、ティーツリーなどの精油の香りです。このような刺激臭の成分を水で薄め、シロアリが好む場所に定期的に噴霧すれば、シロアリの発生時期に家への侵入を防ぐ効果が期待できます。
ただし、刺激臭による対策は一時的なので、シロアリを完全には防げません。シロアリ被害を防ぐためには、他の方法と組み合わせることが大切です。
シロアリ駆除のタイミング

シロアリは一年を通して活動するため、シロアリの駆除に時期は関係ありません。したがって、見かけたらすぐに駆除しましょう。
シロアリが活発に活動する時期
なお、シロアリは気温が上昇する春になると動きが活発になるため、シロアリ被害に遭っている可能性があれば3月から4月上旬までに駆除をおこないましょう。活発になる直前に駆除をしないと、さらにシロアリが繁殖して個体数が増えていくことになります。
シロアリの食害の進行スピードは早く、たった数年で家をボロボロにしてしまうこともあります。大切な家を守るためにも、シロアリ被害が疑われる場合は一刻も早く点検・駆除するようにしましょう。
シロアリの防除は何年おきにすればいいか
シロアリの点検は1年に1度、シロアリの駆除は5年に1度おこなうのが理想的です。シロアリ駆除の薬剤は5年で効果が消失するため、前回の予防対策から5年以上経過している場合は、できるだけ早いうちにシロアリの点検をおこないましょう。
シロアリ被害は誰でも遭う可能性があります。たとえ、鉄筋コンクリート造りの住宅でも安心はできません。鉄筋コンクリート造りといっても、すべての建材にコンクリートを使用しているわけではないのです。
細かい柱や梁には木材が使われていますし、断熱材もシロアリのエサになります。「コンクリート造りだから」と油断していると、大規模な修繕を要する食害に遭う可能性もあるので気をつけましょう。
たとえ床下がコンクリートでも、わずかな隙間や経年劣化によるヒビからシロアリが家の中に入り込んでくるのです。なお、鉄筋コンクリートの床下は気密性と保湿力が高いのでシロアリに好まれます。
シロアリ対策を徹底して、大切な我が家を守りましょう
シロアリの発生時期や駆除のタイミングを知ることで、早期の対策が可能です。シロアリの活発な時期には、特に家の周囲や内部の点検を怠らないようにしましょう。
シロアリの駆除は、発見したらすぐに専門業者に相談することがおすすめです。早期の発見と駆除により、被害を最小限に抑えることができます。