床が沈むときの応急処置は?原因別の対処法も詳しく解説

床の沈みは応急処置で対応することもできますが、放置しておくのは厳禁です。床が沈む原因によっては、家全体の耐久性が低下する恐れもあります。被害の拡大を防ぐためには、早めに点検・修理を依頼しなければいけません。

本記事では、床が沈むときの応急処置や沈む原因などについて、詳しく解説していきます。原因別の補修方法と費用の相場も紹介しますので、床の沈みで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

床が沈むときの応急処置は必要?

床が沈むときは、床材や床下に重大なトラブルが発生している可能性があります。応急処置で対応できることもありますが、あくまでも一時的なものと考えてください。

事態の悪化を防ぐためには、床が沈む原因を突き止めて補修をしなければいけません。床が沈む原因はさまざまですが、場合によっては家全体の耐久性低下につながる恐れもあるので注意が必要です。

床が沈む原因7つ

ここからは、床が沈む主な原因を7つ紹介していきます。

1.大引・根太の劣化

床板は「大引き(おおびき)」と「根太(ねだ)」と呼ばれる部材に支えられています。この部材が腐食すると床が沈むことがあります。腐食の主な原因としては、床下の湿気や漏水などが考えられます。

2.束石・床束(束柱)の劣化

「床束(ゆかづか)」は、大引きを支える木材です。床束は「束石(つかいし)」の上に乗っています。近年の床束にはプラスチックや銅が使われていますが、古い住宅は木材が使われているため、腐食して束石との間に隙間ができると床が沈みます。

強い酸性の土壌では、コンクリート製の束石が劣化して床束との間が開き、床が沈むこともあります。

3.床材の接着剤の劣化

接着剤の劣化で床が沈むケースです。薄い板を接着剤で張り合わせている合板フローリングは、15年〜20年で接着剤が劣化します。接着剤の劣化によって板同士が剥がれると、歩いたときにフワフワと沈み、安定感がなくなります。

4.シロアリによる被害

床下の建材がシロアリ被害に遭うと内部がスカスカになり、耐久性が低下して床が沈みます。シロアリは湿気を好んで集まってくるため、床下の水漏れや通気性の悪さが被害の主な原因になります。

床材の食害は建物全体の耐久性を低下させるので、早急に対策を検討しましょう。

5.木材不朽菌による被害

木材腐朽菌の繁殖も床が沈む原因です。木材腐朽菌は湿度の高い場所に繁殖し、木材の主成分「セルロース」や「リグニン」などを分解します。腐食した木材は強度が低下するので、早めに点検と補修を依頼しましょう。

6.重いものを床に置いていた

床の耐荷重を超える物を置くと、床が沈むことがあります。住宅の床は「1平方メートルあたり180kg」が耐荷重の最低ラインです。これは建築基準法で定められています。

通常の生活で耐荷重を心配する必要は、ほとんどありません。グランドピアノのような重い物を置く際には注意した方がいいでしょう。

7.地盤沈下

地震や近隣の工事などによって、地盤そのものが沈下するケースです。家を建てる前には必ず地盤調査を行ないますが、自然災害などが原因の場合は対処方法がありません。

なお、局地的で不均等に地盤が沈下している状態を「不同沈下」と呼びます。

床が沈む場合の応急処置方法は?

床が沈む原因をご自分で正確に突き止めるのは大変困難です。被害の拡大を防ぐためにも、床の沈みに気づいた段階で、専門業者に点検・修繕を依頼しましょう。

業者が来るまでの間は、床の広い範囲に板を敷いて応急処置をします。板はベニヤやコンパネで構いません。あくまでも応急処置なので、板を敷いたまま放置するのは避けましょう。

床が沈む場合の補修方法と費用相場

ここでは、床が沈む場合の補修方法と費用相場を原因別に紹介します。

・大引・根太の劣化

大引や根太が劣化している場合は、新しい木材と金物で補強します。劣化が広範囲に及んでいるときは、根太と大引を全交換します。費用相場は、床の交換も含めて約20万円~30万円です。

・束石・床束(束柱)の劣化

腐食した束石と床束を新品と交換します。木材が使われている場合は、鋼や樹脂に変えるのが普通です。費用の相場は4,000円~10,000円になります。

・床材の接着剤の劣化

接着剤の劣化は、床の張り替えで対応します。既存の床を剥がして新しい床を貼りますが、フローリングであれば、補修した床の上に新しい床を張る「重ね張り」でも対応可能です。費用の相場は1㎡あたり9,000円~14,000円になります。

・シロアリ被害

専門業者に依頼してシロアリを駆除します。駆除後は被害箇所を修繕して完了です。駆除の費用は1㎡あたり1,000〜2,000円が相場になります。

・木材不朽菌による被害

腐食している箇所の交換が基本ですが、腐食の程度によって補修方法は異なります。部分的な補修であれば、10,000円〜50,000円前後が費用の相場です。被害が広い範囲に及んでいる場合は10万円以上の費用がかかります。

・地盤沈下

地盤沈下が原因の場合は、沈下の進行状況や支持層の深さ、建物の基礎形状などによって費用が変わります。建物と基礎の間に耐圧版を入れる「土台上げ工法」であれば、60平方メートルあたり100万円からが費用の相場です。

基礎の下を掘り下げる必要がある場合は、60平方メートルあたり450万円以上が相場となります。

床が沈んだら必ず業者に補修依頼しよう!

床の沈みは、重大な劣化や腐食が原因になっている可能性が高いと考えた方がいいでしょう。DIYで対処しようとせず、専門業者に依頼して原因を突き止めたうえで、適切な補修をするようにしてください。

業者の点検・修理が始まるまでは応急処置で構いませんが、応急処置の状態のままで放置するのは厳禁です。

まとめ

床が沈む原因は、床材や接着剤の劣化、シロアリ被害などです。床の広い範囲に板を敷けば応急処置にはなります。

ただし、放置しておくと家全体の耐久性が低下する恐れがあるので、早めに専門業者に点検・修理を依頼しましょう。

修繕方法や費用相場は原因によって異なります。まずは複数の業者に見積もりを依頼して、補修内容と費用を比較検討してみましょう。

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