シロアリ被害の兆候は?被害の見分け方を今すぐチェックしよう!
シロアリ被害は深刻なので、シロアリが発生する兆候をとらえて被害を最小限に抑えなければいけません。シロアリを放置しておくと、建物の耐震性が低下して、震災時に倒壊のリスクが高くなります。
そこで今回は、シロアリ被害に遭いやすい場所や被害の兆候を見分けるポイントをご紹介していきます。シロアリ被害を防ぐ方法や費用についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
シロアリ被害の兆候と特徴
シロアリの被害はとても深刻です。被害を受けた建物は土台や柱が食害によってボロボロになってしまうため、建物に歪みが生じてしまいます。
歪みによって耐震性が低下した建物は、最悪の場合、地震などの自然災害で倒壊してしまうこともあるのです。
シロアリの被害は木造住宅だけではなく、鉄筋コンクリート製の家屋にも及びます。コンクリートは時間の経過とともに劣化するため、次第にわずかなひび割れが生じます。そんなわずかなひび割れも、体の小さいシロアリにとっては絶好の侵入経路になるのです。
シロアリ被害の具体時な兆候や、シロアリがいる家の特徴を詳しく見ていきましょう。
・壁や柱を叩くと空洞音がする
シロアリ被害に遭った柱や壁の内部は、スカスカの空洞状態になります。そのため、音が響きやすくなり、叩くと軽い音がするのです。シロアリ被害が疑われるときは、壁や柱、床などを叩いてみるといいでしょう。
・蟻道がある
外気や光を嫌うシロアリは地表を移動せず、蟻道(ぎどう)と呼ばれるトンネルのような道の中を進みます。床下の木材や基礎コンクリートに茶色いトンネルができていたら、シロアリ被害に遭っていると考えて間違いないでしょう。
・床やドアの不具合
ドアやふすま、雨戸が上手く動かなくなったら、家がシロアリ被害に遭っているかもしれません。床の特定部分だけへこみがあったりミシミシと音がしたりするような場合も要注意です。被害を放置しておくと食害がさらに進み、建物の耐震性が低下してしまいます。
・家の周囲でシロアリを見かけた
シロアリが発生すると、屋内だけではなく、家の周囲でもシロアリを見かけるようになります。近所の家にシロアリが発生している可能性もありますが、加害力の激しい「イエシロアリ」は行動範囲が100mにもなるので油断はできません。
シロアリ被害が手遅れになった場合
シロアリ被害を放置して手遅れになると、家の耐久性低下や資産価値の減少といった深刻な影響が及ぶ可能性があります。
・家の耐久性が低下する
シロアリによる被害が進行すると、家の構造部分や木材が侵食されて建物の耐久性が低下します。
シロアリは柱の内部や天井裏などで活動するため、気がついたときには建物全体に食害が広がっている恐れもあるので注意が必要です。
特に水回りの床下と畳の下は被害例が多いので、定期的に点検をして手遅れになるのを防ぎましょう。
・家の資産価値が下がる
シロアリの被害の拡大は、家の資産価値低下にもつながります。
構造的な問題や修復が必要な損害にまで発展した場合は、将来的な売却価値が減少する可能性があるでしょう。住宅ローンの残高がある方には深刻な影響を及ぼすかもしれません。
将来的な損失を回避するためにも、日々の点検やプロのアドバイスを得ながら、シロアリ被害を未然に防ぎましょう。
シロアリ被害に遭いやすい家は?
シロアリは湿気を好んで集まってくるため、床下に湿気が溜まりやすい構造の家は被害に遭う確率が高まります。具体的には、床下が狭い家や床下換気口が少ない家です。
湿気が溜まりやすい箇所は、床下だけではありません。屋内であれば、押し入れの中などにも湿気は溜まります。湿気の多い場所にはカビが繁殖するので、押入れがカビ臭い場合は、すでにシロアリが発生しているかもしれません。
また、周辺に川や池がある家も注意が必要です。このような地域は湿地帯である可能性が高く、地表に湧き上がってくる湿気も多くなります。
シロアリ被害が発生する確率
シロアリ被害は築年数に関係なく発生しますが、古い家ほど発生確率が上がる傾向はあります。ただし、新築でもシロアリ被害に遭う可能性があるので注意が必要です。詳しく見ていきましょう。
・築20年を超えると被害率が上がる傾向
シロアリ被害と築年数に関係はありませんが、築年数が20年を超えると被害に遭う可能性が高くなる傾向は見られます。
・築年数 シロアリ被害に遭う確率
10年未満 5%前後
10年~20年 10%前後
20年以上 20%前後
築20年を超える家は被害に遭う確率が20%前後なので、5棟に1棟はシロアリ被害に遭う可能性があるということです。築浅であっても20棟に1棟はシロアリ被害に遭うことになります。
ただし、築年数だけで被害に遭う確率を判断するのは早計です。日々の点検や対策などによっても、被害に遭う確率は大きく異なります。
・新築でもシロアリ被害に遭う確率はゼロではない
築年数が経過するほどシロアリ被害に遭う確率が高くなるのは事実です。だからといって、新築はシロアリ被害に遭わないというわけではありません。
新築は床をコンクリートで覆う「ベタ基礎」が一般的なため、床下からのシロアリ侵入は不可能のように思えます。しかし、シロアリは小さいので、わずかな隙間があれば、ベタ基礎でも床下や屋内に侵入してきます。
「新築だから」と油断していると、気がつかない間に被害が拡大するかもしれないので、定期的な点検は欠かさないようにしたいところです。
・家の構造によっても被害に遭う確率は変わる
近年では、基礎断熱を採用して冷暖房の効率を高めている住宅も少なくありません。しかし、基礎断熱は「通気性が悪く湿気がたまりやすい」というデメリットがあります。断熱材と基礎の間からシロアリが浸入する恐れもあるので注意が必要です。
基礎断熱以外にも、次のような構造の家はシロアリ被害に遭いやすいので気をつけましょう。
- 水回りの床下に通気口がない
- 増改築によって基礎の通気性が悪化している
- 古いタイプの基礎「布基礎」を採用している
など
シロアリ被害に注意すべき種類と地域
日本には現在22種類ものシロアリが生息していますが、住宅に害を与える主なシロアリは「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」です。それぞれの被害が多い地域をチェックしてみましょう。
・ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリは、北海道の一部を除く日本全域に生息しています。一般的なシロアリなので、生息地域内であればどこでもヤマトシロアリの被害に遭うと考えた方がいいでしょう。
・イエシロアリ
イエシロアリは、千葉県以西の温暖な沿岸部に生息しています。近年では、茨城県でも散発的な発生が確認されるようになりました。ヤマトシロアリよりも生息地域は限られますが、イエシロアリの被害は甚大になりやすいという特徴があります。
シロアリ被害の見分け方
シロアリ被害に遭いやすい場所はだいたい決まっています。シロアリ被害が疑われる場合は、以下のような場所をチェックしてみましょう。
・床下
床下はもっともシロアリが発生しやすい場所です。湿気が溜まりやすく、シロアリのエサになる木材や断熱材が豊富にあるので、地中からシロアリが集まってきます。
先ほどご紹介した「蟻道」が床下の基礎部分に見つかったら、すでにシロアリが家に侵入していると考えていいでしょう。
・水回り
シロアリは湿気を好むので、キッチンや浴室などの水回りは被害を受けやすくなります。床板や壁に違和感があるときは、念入りにチェックしてみましょう。
・畳
畳の素材「イグサ」は、シロアリのエサになります。畳を食害するシロアリは床下から室内に上がってくるものと考えられるため、被害に気づいたら床下をチェックするようにしてください。
・柱
シロアリは柱の外部だけではなく内部からも食害するため、被害に遭っている柱は叩くと軽い音がします。柱の周囲に木屑が落ちている場合は、シロアリ被害を疑ったほうがいいでしょう。
・庭のウッドデッキや枕木
風雨にさらされる庭のウッドデッキや枕木は湿気が多く、常に地面にも接触しているので、シロアリの温床になります。
シロアリ被害の対策方法と修繕費用
・ベイト工法
毒のエサを使って、シロアリを巣ごと全滅させる方法です。効果が出るまでには時間がかかりますが、毒エサは人体に害がないので、予防策としては極めて有効です。費用の相場は、外周1mあたり6,500円前後になります。
・バリア工法
建物や土壌に薬剤を散布してシロアリを防ぐ方法で、即効性の高さが特徴です。薬剤の効果は永久ではないため、5年に一回を目安に薬剤散布をおこなう必要があります。費用の相場は、1㎡あたり1,000〜2,000円、1坪あたり3,500〜7,000円です。
シロアリ被害の補修や対策を業者に依頼するときの注意点
・過去の実績をチェックする
シロアリの駆除には、専門的な知識と技術が求められます。薬剤の取り扱いに関するノウハウも必要です。そのため、実績が少ない業者に依頼すると、適切な駆除ができない恐れがあります。
施工不良による被害の拡大を防ぐためにも、業者のホームページなどで必ず過去の実績をチェックしましょう。実績の明確な写真があれば安心です。
・アフターフォローの内容を確認する
アフターフォローが充実している業者なら、施工後にシロアリが再発しても無料で対処してくれます。万全な駆除をしても、シロアリが再発する可能性はゼロではないのです。なお、薬剤の効果は5年程度で切れるため、保証期間は「施工後5年」を目安にするといいでしょう。
・相見積もりを依頼する
シロアリ駆除の費用は業者によって異なりますが、おおよその相場はあります。業者を1社に限定すると相場がわからず、不当に高い金額で契約することにもなりかねません。
一般的なシロアリ業者は、無料点検後に見積もりを作成して契約に至るという流れになります。しかし、悪質な業者は不明確な見積もりを出して契約を急かすので注意が必要です。酷い業者になると、見積もりを出さないこともあります。
適切な費用で効果的な駆除をしてもらうためにも、最低2~3社には見積もりを依頼しましょう。
まとめ
今回は、シロアリ被害の兆候や、被害に遭いやすい場所などについて詳しくご紹介しました。
シロアリ被害に遭いやすい水回りや床下は、定期的な点検を欠かさないようにしましょう。壁や柱を叩くと空洞音がしたり、床やドアに不具合が生じていたりした場合は、すでにシロアリ被害に遭っている可能性があります。 なお、シロアリ被害は、毒エサを使う「ベイト法」や、薬剤歩散布する「バリア法」などで防除することができます。シロアリ被害の兆候があるという方や、予防策を講じておきたい方は、専門の業者に相談してみましょう。