
大きな地震のあと、住宅の基礎にひび割れを見つけると、「このまま住み続けても大丈夫なのだろうか」と不安になりますよね。
実際に当社でも、地震後の点検では「基礎にひび割れがあるが、補修が必要な状態なのかわからない」という相談も少なくありません。
この記事では、地震による基礎のひび割れの見分け方や原因、補修方法まで詳しく解説します。地震後の基礎に少しでも不安を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
注意すべき地震後の基礎のひび割れ
地震後に基礎のひび割れを見つけても、すべてが危険というわけではありません。ここでは、問題ないケースと注意が必要なケースについて詳しく解説します。
【緊急度:低】軽微な細いひび割れ(ヘアークラック)

ヘアークラックとは、一般的に幅0.3mm未満・深さ4mm未満の細いひび割れを指します。コンクリートの乾燥収縮や温度変化によって発生することが多く、建物の構造に大きな影響を与えるケースは少ないとされているため、経過観察で問題ないでしょう。
ただし、地震後に新たに発生した場合や、本数が急激に増えた場合は、念のため専門業者による点検を受けると安心です。
【緊急度:高】構造クラック

幅0.3mm以上・深さ5mm以上の深さがあるひび割れや、基礎を貫通しているようなひび割れは「構造クラック」の可能性があります。
このようなひび割れは、地震による強い力で基礎に負荷がかかったことが原因で発生することがあり、放置すると雨水の浸入や鉄筋の腐食につながるおそれがあります。耐久性や耐震性に影響を及ぼす可能性もあるため、早めに専門業者へ相談しましょう。
ひび割れ以外に確認したい基礎の異常もある
地震後は、ひび割れだけでなく次のような症状も確認することが大切です。
- 基礎の一部が欠けたり剥がれたりしている
- 基礎が膨らんでいる
- 建物や基礎が傾いている
- ドアや窓の開閉がしづらくなった
これらの症状が見られる場合は、基礎だけでなく建物全体に影響が及んでいる可能性があります。安全性を確認するためにも、できるだけ早く専門業者による点検を依頼しましょう。
地震で基礎にひび割れが起こる原因
地震が発生すると、建物全体が大きく揺れ、その力が基礎に伝わることでひび割れが生じることがあります。特に、地盤が弱い土地や建物の形状バランスが偏っている住宅では、揺れの力が一部に集中しやすく、ひび割れが発生しやすい傾向があります。
さらに、築年数が経過した住宅では、過去の地震の影響やコンクリートの経年劣化が重なり、比較的小さな地震でもひび割れが発生しやすくなる場合があります。そのため、ひび割れの状態だけでなく、建物全体の状態を確認することが重要です。
【表】地震によるひび割れと経年劣化によるひび割れの違い
| 比較項目 | 地震によるひび割れ | 経年劣化によるひび割れ |
|---|---|---|
| 発生パターン | 特定箇所に集中しやすい | 表面に薄く広範囲に分布 |
| 幅・深さ | 深く、幅が不均一なことが多い | 比較的浅く一定 |
| 進行性 | 余震で拡大する可能性がある | 緩やかで安定している |
| 併発する症状 | 傾き・建具の不具合を伴うことがある | 少ない |
基礎のひび割れを放置するリスク
地震後に見つかった基礎のひび割れを放置すると、建物の寿命や安全性に悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、主なリスクを3つ紹介します。
リスク1. 雨水の浸入による鉄筋腐食
基礎に深いひび割れがあると、雨水や湿気が内部へ浸入しやすくなります。鉄筋コンクリート造では、内部の鉄筋が腐食すると膨張し、周囲のコンクリートを押し広げることで「爆裂(ばくれつ)」が発生することがあります。
爆裂が進行すると鉄筋が露出し、腐食がさらに進行するため、基礎の耐久性が低下するおそれがあります。
リスク2.建物の耐震性が低下する
構造クラックを放置すると、基礎本来の強度が低下し、建物全体の耐震性にも影響を及ぼす可能性があります。劣化が進行した状態で再び大きな地震が発生すると、被害が拡大するリスクも高まります。
リスク3.補修費用が高額になる
初期段階であれば比較的軽微な補修で済む場合でも、放置することでひび割れが広がり、大規模な補修工事が必要になることがあります。その結果、補修費用だけでなく工期も長くなる可能性があります。
地震後に基礎のひび割れを見つけた場合は、自己判断で放置せず、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
基礎のひび割れの補修方法・費用相場
基礎のひび割れは、幅や深さ、損傷の程度によって適した補修工法が異なります。ここでは、代表的な補修方法と、それぞれの特徴・費用相場をご紹介します。
| 工法 | 適したひび割れ | 特徴 | 費用相場 |
|---|---|---|---|
| Uカットシール工法 | 幅の広いひび割れ | 耐久性が高く、幅の大きいひび割れの補修に適している | 1か所あたり1万〜2万円程度 |
| エポキシ樹脂注入工法 | 幅の狭いひび割れ(ヘアークラックなど) | ひび割れ内部に樹脂を注入し、補修する工法 | 1か所あたり1万〜2万円程度 |
| アラミド繊維シート | 損傷が大きい・長期的な補強が必要なひび割れ | 基礎を補強し、耐震性・耐久性の向上が期待できる | 1メートルあたり2万〜3万円程度 |
基礎のひび割れに地震保険は適用される?
地震による基礎のひび割れは、地震保険の補償対象となる可能性があります。ただし、保険金はひび割れの有無だけでなく、建物全体の損害の程度によって支払額が決まります。
損害は「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階に認定され、それぞれ以下の割合で保険金が支払われます(いずれも時価額が限度)。
- 全損:保険金額の100%
- 大半損:保険金額の60%
- 小半損:保険金額の30%
- 一部損:保険金額の5%
軽微なひび割れのみの場合は、「一部損」にも該当せず、保険金が支払われないケースもあります。地震後に基礎のひび割れを見つけたら、自己判断せず、まずは保険会社へ相談しましょう。
保険金請求の流れ
保険金を請求する場合は、契約している保険会社へ連絡し、被害状況を報告します。その後、保険会社や委託された鑑定人による現地調査・査定が行われ、損害区分に応じて保険金が支払われます。
※認定基準や支払条件は、保険会社や契約内容によって異なります。
地震後の基礎のひび割れは早めの点検が重要

地震による基礎のひび割れには、経過観察で問題ないものから、建物の耐久性や耐震性に影響を及ぼす可能性があるものまでさまざまです。見た目だけでは判断が難しいため、地震後にひび割れを見つけた場合は、自己判断せず専門業者による点検を受けることが大切です。
また、地震が原因のひび割れは地震保険の対象となる場合もあるため、補修を行う前に保険会社へ相談しましょう。
ALT(アルト)では基礎の無料点検を実施し、ひび割れの原因を確認したうえで、必要に応じた補修・補強方法をご提案しています。
点検で確認する主な項目
- 基礎表面のひび割れの有無や幅、長さを確認し、地震による構造クラックなのか、経年劣化によるものなのかを判断
- コンクリートの剥がれや欠損の有無を確認し、鉄筋腐食の進行状況を確認
- 基礎周辺の湿気や排水状況を確認し、劣化を進行させる原因がないかを確認
- 床下に入れる場合は、カビや腐食、シロアリ被害なども含めて住宅全体の状態を確認
地震後の住宅に不安を感じている方は、お気軽にご相談ください。








