トイレの床が腐食する原因と補修費用の相場を解説

日常生活においてトイレは欠かせない場所です。清潔で快適な環境の維持は、健康や生活の質に直結します。

そこで注意したいのはトイレの床の腐食です。腐食を放置しておくと不快な臭いや衛生上のリスクだけではなく、シロアリ被害や床下の強度低下にまで発展してしまいます。

本記事では、トイレ床が腐食する原因や補修費用の相場などについて詳しく解説します。トイレの床材を選ぶポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

トイレ床の腐食は放置厳禁

トイレの床が腐食する主な原因は下記となります。

  1. 水漏れ
  2. 湿気
  3. 不適切な防水処理

原因を特定して、水漏れ箇所の補修や換気対策、防水工事など、状況に応じた適切な対策をとりましょう。それぞれ詳しく解説していきます。

1.水漏れ

水漏れは目に見えないところでも起こり得るので、気が付かない間に腐食が進行するケースも少なくありません。

なお、トイレ床の場合は以下のような水漏れが考えられます。

・トイレの給水・排水管から水漏れしている

・トイレタンクの継ぎ目などから水が漏れている

このような水漏れを長期間放置すると、床が徐々に腐食してしまいます。見えない箇所は、早めに原因を特定して適切な補修を行いましょう。

2.湿気

トイレは湿気が溜まりやすい場所です。湿度の高い状態が続くとカビや細菌が繁殖しやすくなり、床を腐食させる原因になります。

換気扇が故障していると湿気を十分に除去できないので早めに修理しましょう。窓の開閉も大切です。

浴室と隣接している場合は、湿気が逆流してくる可能性があるので、こまめに乾燥させましょう。

3.不適切な防水処理

水跳ねが多いトイレの床には適切な防水処理が必須です。防水が不十分だと、水分が床下に浸み込んで腐食の原因になってしまいます。 防水シートを敷いても、接合部から水が浸入することがあるので要注意です。防水処理が劣化によって機能しないこともあります。

腐食したトイレの床の補修方法と費用相場

トイレ床材だけが腐食した場合は張り替えで対応できますが、腐食が土台にまで及んでいる場合は大規模な工事が必要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

トイレ床張り替えの費用相場

張り替えだけで済む場合の費用相場は、床材の種類によって異なります。

・クッションフロア

表面部分だけ腐食している場合は、既存の床材に重ね貼りして補修できます。費用相場は1万5千円〜2万円です。下地のベニヤまで腐食しているときは、便器を外して下地を補修したうえで貼り替えます。費用相場は8万円〜10万円前後です。

・フローリング

フローリングは基本的に張り替えが必要です。費用相場は12万円〜15万円になります。

・タイル

タイルも張り替える必要があります。費用相場は15万円〜20万円前後です。

トイレ床下の補修工事と費用相場

腐食が土台に及んでいる場合は、腐食した箇所を撤去して新たに土台を造ります。床材の補修費用に加えて1㎡あたり10〜20万円前後の費用が必要です。

大規模な工事となるため、補修に1日〜2日かかります。作業中はトイレが使えないので注意しましょう。

腐食したトイレ床の補修はDIYでもできる?

床材の張り替えだけで済む場合はDIYでも可能ですが、おすすめしません。腐食の範囲や進行度合いによっては便器を外す必要があるなど、根本的な原因を見逃してしまう恐れがあります。

なお、床の沈みや便器が不安定な症状がある場合は、土台にまで腐食が進行している可能性があります。被害の拡大を防ぐためにも、必ず専門業者に相談しましょう。

賃貸物件のトイレ床が腐食した場合の責任は?

腐食の原因が設備管理不足の場合は、貸主が修理費用を負担します。具体的な例としては、「設備の劣化」や「入居者の管理できない範囲からの水漏れ」などが該当するでしょう。

故意的な故障による腐食は入居者の負担です。わざと壊した場合だけではなく、下記のような「意図的な放置」も含まれます。

・時間がなくて報告を後回しにした

・問題なく使えると自己判断した

・DIYで中途半端に対応した

など

トイレの床に不具合を感じたら、できるだけ早く貸主に相談しましょう。

トイレの床材選びのポイント4つ

ここからは、トイレの床材を選ぶ際のポイントを5つ紹介します。

1.お手入れのしやすさを考える

トイレは日々の清掃が欠かせないので、汚れが付きにくく掃除しやすい床材を選びましょう。凹凸の少ないデザインや防汚加工が施された床材ならお手入れも簡単です。

お手入れのしやすい床材としては、クッションフロアが挙げられます。値段が安価でバリエーション豊富なのも嬉しいポイントです。1畳あたりの価格は2万円〜4万円になります。

2.水に強い素材を選ぶ

トイレの床には、水に濡れても変形・劣化しにくい無機質な床材も適しています。代表的な床材はタイルです。耐水性や防汚性が高く、耐久性にも優れています。

ただし、クッションフロアに比べると価格は高めです。また、濡れると滑りやすいというデメリットがあります。1畳あたりの価格は5万円〜12万円です。

3.フロ-リングは要注意

フローリングは水に弱い素材なので、トイレの床には適していません。特に無垢材のフローリングは吸水しやすく、濡れた状態が続くと腐食の原因になるので注意が必要です。

トイレの床にフローリングを使いたい場合は、耐水性や防汚性の高いものを選びましょう。1畳あたりの価格は3万円〜6万円です。

4.デザインで選ぶのもひとつの方法

機能性だけでなくデザイン性で選ぶのも、ひとつの方法です。トイレはコンパクトな空間なので、床のデザインによって印象が大きく変わります。

シンプルでクールな印象を与えたいなら、木目調のフローリングやシート床がおすすめです。温かみのある雰囲気を出したい場合は、パターン柄の自然素材タイルが好ましいでしょう。

機能性と合わせてバランス良く検討し、自分好みの素材を選びましょう。

まとめ

トイレ床の腐食は、快適な生活を脅かす重要な問題です。水漏れや湿気、床材の選択ミスなど、さまざまな要因が腐食を引き起こします。早めに原因や兆候を把握して、適切な対処をしましょう。

腐食が床材の表面だけならDIYでも対応できますが、下地や土台に及んでいる場合や、根本的な原因を解決するためにも、なるべく専門業者に相談したほうが良いでしょう。床下のシロアリ被害も見つかるかもしれません。

トイレの腐食が土台にまで達している場合の費用相場は、床材の補修費用に加えて1㎡あたり10〜20万円前後です。 被害の拡大を防ぐためにも、適切な床材を選んで日々のお手入れや点検を怠らないようにしましょう。

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