家の中の木くずはシロアリ発生の兆候?被害のチェック方法と対処法を解説

家の中で木くずのようなものを見かけたら、それはシロアリ発生のサインかもしれません。そのまま放置しておくと、シロアリ被害の拡大による建物の強度低下を引き起こす恐れがあります。

そこで今回は、木くずをはじめとするシロアリ被害の兆候や、被害に遭った場合の対処方法などを詳しく解説します。シロアリ以外の害虫による被害の特徴も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

家の中の木くずはシロアリ被害のサイン

家の中で木くずを発見したら、それはシロアリのフンが木くずに見えているのかもしれません。シロアリは柱や壁などの木材を食べるため、被害に遭っている家は木くずのように見えるフンが落ちていることが多いのです。柱や壁の近くだけではなく、屋内の至る所に木くずが落ちている場合は、被害が建物全体に広がっているサインかもしれません。

シロアリの中でも、「ダイコクシロアリ」と「アメリカカンザイシロアリ」は、木材の食害後にフンをすることが多い害虫です。「アメリカカンザイシロアリ」は、木材の近くに砂のようなフンを大量に撒くという特徴もあります。そのため、木材を叩いたときに木くずのようなフンがパラパラと落ちてきたら被害に遭っていると考えた方がいいでしょう。

家の中の木くずが「シロアリ以外の害虫」の場合

「ヒラタキクイムシ」や「シンクイムシ」なども、木材に穴を開けます。ヒラタキクイムシの被害が進むと、大量の穴が開いて木くずの排出が止まらなくなることもあるので注意が必要です。
専門業者による駆除を実施してもすぐに再発するため、効果はあまり期待できません。このような場合は、ヒラタキクイムシが食べない「針葉樹材」に木材を交換するといいでしょう。

シンクイムシも木材に穴を開ける害虫ですが、シンクイムシの被害箇所は、他の害虫に比べて穴が大きいという特徴があります。

シロアリと他の害虫との違いや見分け方は、下表のとおりです。

穴の大きさ木くず(排出物)の状態
カンザイシロアリ1~2mmほど粒(つぶ)状
ヒラタキクイムシ1~2mmほど粉(こな)状
シンクイムシ粉(こな)状粉(こな)状

ヒラタキクイムシは構造部分に使われる針葉樹を食害しないので、建物の強度は低下しません。また、シンクイムシは基本的に竹の害虫なので、建物への影響はそれほど大きくありません。

ただし、放置しておくと思わぬ被害に発展する可能性もあるので、被害を見つけたら専門業者に依頼して適切な処置をしてもらいましょう。

木くず以外のシロアリ被害の兆候は?

木くず以外にも、シロアリ被害の兆候や初期症状としては次のような事例があります。

  • 壁や柱を叩くと空洞音がする
  • ドアや床が急に劣化した
  • 屋内や庭で羽アリを見かけた
  • 部屋の中に小さな羽が散らばっている

このような兆候はシロアリがいる家の特徴でもあるので、それぞれしっかりと確認しておきましょう。

壁や柱を叩くと空洞音がする

シロアリ被害に遭っていない壁や柱は、叩いても中身が詰まっているような重い音が鳴ります。一方、被害に遭っている壁や柱は軽い空洞音がします。
この空洞音は、シロアリの食害によって中身がスカスカになっているのが原因です。被害が進行すると、指で押しただけでも柱がへこむことがあります。

ドアや床が急に劣化した

シロアリの食害によって壁や柱が歪むと、ドアを開閉しにくくなることがあります。また、床を歩いたときに沈むような感覚になることもあります。経年劣化が原因の可能性もありますが、複数の箇所で同時に不具合が発生した場合は、シロアリの被害を疑った方がいいでしょう。

屋内や庭で羽アリを見かけた

シロアリの巣がある大きくなった家では、屋内や庭に羽アリが姿を現すことがあります。羽アリの出現は深刻な状況と考えられるので、早急に駆除を依頼しましょう。

なお、黒アリの羽アリであれば、建物への被害を心配する必要はありません。シロアリと黒アリの羽アリを見分ける方法は、下表のとおりです。

シロアリ黒アリ
体の色全体的に白、または明るい茶色
羽の色半透明透明
羽の大きさ体よりも大きい体と同じぐらい

部屋の中に小さな羽が散らばっている

部屋の中に散らばっている小さな羽は、屋内での羽アリ発生を示していることがあります。羽だけでシロアリと黒アリを見分けるのは困難ですが、シロアリの羽は「細長くて羽先が丸みを帯びている」という特徴があるのでチェックしてみましょう。一方、黒アリは羽先が尖っていて、枝分かれしたような黒い模様があります。

家の中に木くずを見つけたら早急に対処を!

木くずが家の中に落ちていただけではシロアリの被害かどうかを正確に判断できないため、木くずを見つけ次第、専門業者に相談してください。「木くずを見つけただけだから大丈夫」と思っていると、被害は確実に進行します。放置は絶対に避けましょう。

まとめ

柱や壁などの木材を食害したシロアリは木くずのようなフンを落とすので、家の中で木くずを見かけたらシロアリ被害を疑ってください。

木くず以外にも、壁や柱を叩いたときの空洞音や、ドアや床の急激な劣化はシロアリ被害の兆候です。

シロアリ以外の「ヒラタキクイムシ」や「シンクイムシ」なども木材に穴を開けますが、穴の大きさや木くず(排出物)の状態で見分けられます。

シロアリ被害を放置しておくと建物全体に被害が広がり、家の耐久性が低下する恐れもあるので、できるだけ早めに専門業者へ連絡しましょう。

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