シロアリの種類を知って最適な対策を!注意が必要なシロアリとは?
シロアリといっても、その種類はさまざまです。
多くのシロアリは森林に棲んでいるので、人間に被害を及ぼしません。しかし、家や家具に被害を与えるシロアリもいるので、特徴を覚えておきたいところです。
なお、家の中にはシロアリだけではなくクロアリも姿を見せますが、肉食のクロアリはシロアリの天敵となる別の生き物です。そのため、シロアリとクロアリを見分けて、適切な対処をしなければいけません。
そこで今回は、主に以下について詳しくご紹介します。
・注意が必要なシロアリの種類
・シロアリの羽アリとクロアリの羽アリの見分け方
・シロアリに狙われやすい住宅とは
・シロアリ被害に遭わない方法
注意が必要なシロアリの種類
注意が必要なシロアリは4種類います。それぞれの特徴を見ていきましょう。
・ヤマトシロアリ
日本全国に広く生息しているシロアリです。巣内の個体数は2万から3万匹ですが、木材の内部を巣にするため、被害が拡大すると建物全体がヤマトシロアリに浸食されてしまいます。
ヤマトシロアリは水を運ぶ能力がなく、主に湿気の多い床下や浴室、洗面所などが狙われます。湿った畳やダンボールなどもヤマトシロアリの好物です。主に4月から5月にかけて活動しますが、1年間を通じて繁殖するため、個体は日に日に増えていきます。
・イエシロアリ
太平洋側の温暖な地域に生息しているシロアリです。水を運ぶ能力があるため、巣から離れた場所でも活動できます。乾いた木材を湿らせながら浸食するので被害のスピードが速く、範囲も広くなりがちです。
巣内の個体数は100万匹にも達し、その多さに比例して食べる木材の量も増える恐ろしいシロアリです。被害は床下だけではなく、2階や天井裏など建物全体に及ぶこともあります。
・アメリカカンザイシロアリ
アメリカ産の外来種です。東京や神奈川、千葉、大阪、広島、鹿児島などの地域で発見されていますが、他の地域で見つかる可能性もあります。
乾いた木材を好むため、被害は建物全体に及びます。巣内の個体は2千から3千匹と多くはありませんが、体長が大きいので激しい被害が出るケースも目立ちます。
・ダイコクシロアリ
沖縄県や奄美大島以南、小笠原諸島などに生息しているシロアリで、見た目の特徴はアメリカカンザイシロアリとほぼ同一です。乾燥に強いという特性があるため、家具や乾材などにも被害を与えます。
シロアリの羽アリとクロアリの羽アリの見分け方
シロアリ以外に、害のないクロアリも家の中に現れることがあります。家にいる羽アリがシロアリなのかクロアリなのか区別がつかない場合は以下の方法で見分けるといいでしょう。
・羽の大きさで見分ける
シロアリの羽アリには4枚の羽があり、それぞれが同じ大きさになっています。シロアリの羽は抜けやすく、家の中で羽だけ見つかることも珍しくありません。
一方、クロアリの羽アリは前後で羽の大きさが違います。羽も簡単には抜けません。
・胴体で見分ける
シロアリの羽アリはクビレがなく寸胴ですが、クロアリの羽アリは胸と腹の大きさが異なり、クビレているような形をしています。シロアリもクロアリも羽を落とすので、見分けがつかない時は胴体に注目してみるといいでしょう。
・触覚で見分ける
シロアリの羽アリは触角が短く数珠状になっていますが、クロアリの羽アリは触角が長く、「くの字」のような形状をしています。
シロアリに狙われやすい住宅とは
シロアリは「湿度の高い床下」や「日の光が当たらない暗い場所」を好むため、以下のような住宅が狙われやすくなります。
また、木造住宅がシロアリ被害に遭いやすいイメージがありますが、鉄筋コンクリート造りの家も例外ではありません。
1.床下に換気口がない
通気性の悪い床下は、湿気が溜まりやすいので要注意です。床下の空間が狭い家や、換気口の前に物が置いてある家は、早めの対策を検討した方がいいでしょう。
2.水漏れしている
雨漏りや水道管の不具合などによって壁や床、柱に水が染みていると、湿気を好むシロアリを寄せ集めてしまいます。わずかな水漏れでも少しずつ床下にまで浸透していくので、定期的な点検は欠かせません。
3.家の近くに川や池がある
近くに川や池があると地下水位が高くなるため、地盤に含まれた多くの水分が地表に上がリ、床下に湿気を溜めてしまいます。
4.木材を使ったエントランスやウッドデッキがある
木製の柵や枕木をエントランスに使っていると、地面と木材が接してシロアリが集まりやすくなります。木材を使ったウッドデッキもシロアリが狙うので要注意です。
シロアリの被害に遭わないためには?
シロアリの被害を防ぐためには、日頃からシロアリが好む環境を作らないようにすることが大切です。家の周辺や庭に置いてある廃材やダンボールは、すぐにでも撤去しましょう。
床下の湿気は、乾燥剤や防水シート、床下換気扇を設置するなどの対策が有効です。ウッドデッキや水回り付近には、シロアリを寄せ付けなくする薬剤を散布しましょう。
ただし、市販の薬剤は効果が薄く、一時的な対策にしかなりません。天井裏や床下に薬剤を散布するのも難しいので、目に見えない場所でシロアリが繁殖を続けるということもあり得ます。
本格的なシロアリの防除を検討しているなら、専門業者に依頼するのがいいでしょう。プロの業者は専用の薬剤を床下や天井裏にしっかりと散布してくれるので安心です。
家にシロアリが発生していないか不安な方は、すぐに点検の依頼をしましょう。点検だけなら無料でおこなっている業者も少なくありません。
まとめ
今回は、注意が必要なシロアリの種類や、シロアリの対策方法などについてご紹介しました。
注意が必要なシロアリは主に以下の4種類です。
・ヤマトシロアリ
・イエシロアリ
・アメリカカンザイシロアリ
・ダイコクシロアリ
シロアリの羽アリとクロアリの羽アリには見た目で判断できる違いがあるので、家の中で羽アリを見つけたら違いを見分けて適切な対処をしましょう。
薬剤を使ったシロアリの防除はご自分でもできますが、その効果は薄く、床下や天井裏などへの処置も難しいため、一時的な対策にしかなりません。本格的なシロアリ対策をお考えなら、専門業者に定期的な点検と防除を依頼すると安心です。