
家の基礎コンクリートが濡れているのを見つけると、「水漏れしているのでは?」と不安になりますよね。
実際に床下の配管トラブルなどが原因で水漏れが起きているケースもありますが、すべてが水漏れとは限りません。結露や地下水、雨水の影響など、住宅ではさまざまな理由で基礎が濡れることがあります。
ただし、本当に水漏れが発生している場合、放置するとカビやシロアリ、木材の腐食などにつながる可能性があるため注意が必要です。
この記事では、家の基礎コンクリートが濡れている原因や、水漏れかどうかの見分け方、状況に応じた対処法についてわかりやすく解説します。
基礎コンクリートが濡れているのは異常?
家の基礎コンクリートが濡れていると不安になる方も多いでしょう。しかし、基礎が濡れている原因は必ずしも水漏れとは限りません。
そのため、基礎の濡れを見つけた場合は、まず濡れている範囲や状態から原因を見極めることが重要です。
基礎コンクリートが濡れること自体は珍しくない
基礎コンクリートは地面に直接接している構造のため、周囲の土壌の湿気や地下水の影響を受けることがあります。また、気温差によってコンクリートの表面に結露が発生することもあります。
特に以下のようなケースでは、基礎が湿って見えることがあります。
- 雨が降った後
- 梅雨や冬など湿度が高い時期
- 床下の換気が十分でない場合
このような場合は、水漏れではなく自然な湿気や結露による濡れである可能性があります。
ただし水漏れの可能性には要注意
一方で、基礎の濡れが水漏れによって発生しているケースもあります。例えば、床下の給水管や排水管の破損、配管の接続不良などが原因で水が漏れている場合です。
特に次のような状態が見られる場合は、水漏れの可能性があります。
- 基礎の同じ場所だけが常に濡れている
- 雨が降っていないのに水が溜まっている
- 床下から水の音がする
このような場合は、早めに原因を確認し、必要に応じて専門業者に点検を依頼することが大切です。
基礎コンクリートが濡れる主な原因

基礎コンクリートが濡れている場合は、濡れている範囲が「全体」か「一部」かによって原因が異なることがあります。
まずは濡れている場所や範囲を確認することで、原因の見当をつけやすくなります。
基礎コンクリート「全体が濡れている」場合
基礎コンクリート全体が広い範囲で湿っている場合は、地下水や結露などの影響が考えられます。基礎は地面に接しているため、周囲の土壌に含まれる水分や湿気の影響を受けやすい構造です。
また、敷地に高低差がある場合や地下水位が高い地域では、地面からの水分の影響で基礎が湿ることもあります。このようなケースでは、水漏れではなく環境条件による湿気である可能性が高いでしょう。
ただし、床下に水が溜まっている場合や湿りが長期間続く場合は、専門業者による点検を検討することが大切です。
基礎コンクリートの「一部だけ濡れている」場合
基礎コンクリートの一部だけが濡れている場合は、雨水の影響や床下の水漏れなどが原因になっている可能性があります。主な原因としては、次のようなケースが考えられます。
1.地盤の透水性が低く、雨水を吸い上げている
降雨後に基礎の一部だけが濡れる場合、地面に溜まった水分をコンクリートやモルタルが吸い上げている可能性があります。
2.雨樋から落ちた水の跳ね返り
雨樋から排水された水が地面に落ち、その跳ね返りが基礎コンクリートに付着して濡れているケースです。雨樋の排水位置や排水方法を改善することで解消する場合があります。
3.床下の水漏れ
雨が降っていないのに基礎の一部が濡れている場合は、床下の給水管や排水管から水漏れが発生している可能性があります。この場合は、水道の元栓を閉めた状態で水道メーターを確認すると、水漏れの有無を判断する手がかりになります。
いずれにしても、水漏れが疑われる場合はなるべく早めに専門業者に相談することが重要です。
床下で水漏れが起こる主な原因

基礎コンクリートが濡れている原因として、とくに注意したいのが床下で発生する水漏れや浸水です。床下は普段目にする機会が少ないため、水漏れが起きていても気づきにくく、被害が広がるまで放置されてしまうケースもあります。
床下で水漏れや浸水が発生する主な原因は、次の5つです。
1.給排水設備からの水漏れ
床下に設置されている給水管や排水管が劣化すると、継ぎ目や接続部分から水が漏れることがあります。
特に築年数が経過している住宅では、配管の老朽化による水漏れが発生しやすくなります。
また、新築住宅でも施工ミスや接続不良が原因で水漏れが起こることがあるため注意が必要です。
2.配管貫通部からの浸水
住宅では、給排水管などの配管を通すために基礎コンクリートに穴を開けています。この配管が通る部分を「配管貫通部」と呼びます。
通常は配管の周囲をシーリング材などで密閉しますが、施工不良や経年劣化によって隙間ができると、そこから雨水が床下へ入り込むことがあります。
3.基礎の打ち継ぎ部からの浸水
住宅の基礎は、底盤と呼ばれる底の部分と、立ち上がりと呼ばれる壁の部分を分けてコンクリートを打設するのが一般的です。
この2つのコンクリートの境目を「打ち継ぎ部」といい、施工状況によってはわずかな隙間が生じることがあります。その隙間から雨水や地下水が入り込み、床下に浸水するケースがあります。
4.地下水や雨水の侵入
住宅の立地条件によっては、地下水位が高かったり、地中に水が溜まりやすかったりすることがあります。このような場合、地面からの水分が床下に入り込み、基礎が濡れてしまうことがあります。
また、新築時に床下へ入り込んだ雨水が十分に排水されず、そのまま残ってしまうケースもあります。
5.温度差による結露
床下の換気が十分でない場合や、外気との温度差が大きい場合には、床下で結露が発生することがあります。この結露によって水滴が発生し、基礎コンクリートの表面が濡れて見えることがあります。
特に湿度の高い地域や、風通しの悪い床下では結露が起こりやすくなるため注意が必要です。
床下の水漏れを放置すると起こる被害
床下で水漏れが発生している場合、そのまま放置すると住宅のさまざまな部分に悪影響を及ぼす可能性があります。床下は湿気がこもりやすい環境のため、水漏れが続くとカビや害虫の発生、建物の構造部分の劣化につながることもあります。
ここでは、床下の水漏れを放置することで起こる主な被害について解説します。
カビの発生
床下に水が溜まった状態が続くと、湿度が高くなりカビが発生しやすくなります。床下で発生したカビは木材や断熱材に広がるだけでなく、床下の空気が室内に入り込むことで、室内環境にも影響を与える可能性があります。
シロアリ被害
シロアリは湿気の多い環境を好むため、床下に水漏れがあると発生しやすくなります。シロアリが木材を食害すると、床や柱などの構造部分が弱くなり、住宅の耐久性が低下する原因になります。
木材腐朽菌による構造劣化
湿気の多い状態が続くと、床下の木材に腐朽菌が発生することがあります。腐朽菌は木材を分解してしまうため、土台や柱などの構造部材が徐々に弱くなり、住宅の強度低下につながる可能性があります。
基礎コンクリートの劣化
水漏れが長期間続くと、基礎コンクリートにも悪影響を及ぼすことがあります。コンクリートは水分の影響を受けるとひび割れや劣化が進みやすくなり、建物全体の耐久性に影響を与える可能性があります。
ご自分で基礎の状態を確認する方法
基礎コンクリートが濡れている場合でも、必ずしもすぐに専門業者へ依頼する必要があるとは限りません。まずは濡れている場所や状態を確認することで、原因の見当をつけられる場合もあります。
ここでは、ご自分でも確認できる基本的なチェック方法を4つ紹介します。
確認方法1.濡れている場所を確認する
まずは、基礎コンクリートのどの部分が濡れているのかを確認しましょう。基礎全体が湿っているのか、一部だけが濡れているのかによって、原因が異なる場合があります。
例えば、広い範囲で湿っている場合は結露や地下水の影響が考えられますが、一部だけ濡れている場合は雨水の跳ね返りや水漏れの可能性があります。
確認方法2.水滴や湿り方を観察する
次に、濡れている状態をよく観察してみましょう。水滴が垂れているのか、表面が湿っているだけなのかによっても原因が変わることがあります。
例えば、水が流れた跡がある場合は水漏れの可能性が高く、表面がうっすら湿っている程度であれば結露の可能性も考えられます。
確認方法3.雨の日との関係をチェックする
濡れているタイミングと天候の関係を確認することも重要です。雨が降った後にだけ基礎が濡れる場合は、雨樋からの排水や雨水の跳ね返りが原因になっている可能性があります。
一方で、雨が降っていない日でも濡れている状態が続く場合は、床下の水漏れや地下水の影響などが考えられます。
確認方法4.床下点検口から床下を確認する
住宅に床下点検口がある場合は、可能な範囲で床下の状態も確認してみましょう。床下に水が溜まっていないか、配管周辺が濡れていないかなどをチェックすることで、水漏れの有無を判断する手がかりになります。
ただし、床下で水漏れが疑われる場合や状況が分からない場合は、無理をせず専門業者に点検を依頼することが大切です。
基礎コンクリートが濡れているときの主な原因と対処法

基礎コンクリートが濡れている場合でも、原因によって適切な対処方法は異なります。雨水や湿気が原因であれば改善できるケースもありますが、床下で水漏れが発生している場合は早めの対応が重要です。
ここでは、基礎コンクリートが濡れている場合に考えられる主な原因と対処法を紹介します。
雨樋や排水の改善
基礎が雨水で濡れている場合は、雨樋や排水の状態を確認してみましょう。雨樋から落ちた水が地面に当たって跳ね返り、基礎コンクリートを濡らしているケースがあります。
このような場合は、雨樋の排水位置を調整したり、排水を離れた場所へ流すようにすることで改善する可能性があります。
床下の換気改善
床下の湿気が原因で結露が発生している場合は、床下の換気を改善することが重要です。床下換気口の周囲に物が置かれていたり、風通しが悪くなっていたりすると、湿気がこもりやすくなります。
換気口を塞いでいる物を取り除くなど、床下の空気が循環しやすい環境を整えることで湿気の軽減につながります。
床下調湿材の設置
床下の湿気が多い状態が続く場合は、床下調湿材の設置を検討する方法もあります。床下調湿材は、床下の湿度を吸収・放出することで環境を安定させる働きがあり、湿気による結露やカビの発生を抑える対策として利用されることがあります。
ただし、床下の湿気の原因が水漏れや排水不良などの場合、調湿材だけでは根本的な解決にならないこともあります。設置を検討する際は、まず湿気の原因を確認したうえで対策を行うことが大切です。
専門業者への点検依頼
床下の配管からの水漏れや基礎の隙間からの浸水が疑われる場合は、専門業者による点検を依頼することをおすすめします。水漏れは放置するとカビやシロアリの発生、建物の構造劣化などにつながる可能性があります。
早い段階で原因を特定し、必要に応じて修理や補修を行うことが大切です。
プロの点検ではどこを見る?ALT(アルト)の基礎点検の流れ
家の基礎コンクリートが濡れている場合、専門業者は床下の状態や配管まわりを中心に原因を確認します。濡れている場所だけを見るのではなく、「水がどこから来ているのか」「湿気がたまりやすい環境になっていないか」を総合的に点検します。
ここでは、実際の当社における基礎点検で確認する主なポイントを紹介します。
床下の水溜まりや湿気の状態
まず床下全体を目視で確認し、水が溜まっている場所や湿気が集中している場所がないかをチェックします。
床下の一部に水が溜まっている場合は、
- 配管からの水漏れ
- 基礎の隙間からの浸水
- 地下水の影響
などが疑われます。
また、床下全体が湿っている場合は、換気不足や結露が原因になっている可能性もあります。
給水管・排水管の漏水チェック
次に、床下に設置されている給水管や排水管を確認します。
特に確認するのは以下のような場所です。
- 配管の接続部分
- 継ぎ目やバルブ周辺
- 配管の下に水滴や濡れ跡がないか
配管周辺だけが濡れている場合は、給排水設備からの水漏れが発生している可能性があります。
基礎のひび割れや浸水経路
基礎コンクリートのひび割れや、配管が通る部分(配管貫通部)も重要なチェックポイントです。
住宅の基礎では、次のような場所から水が入り込むことがあります。
- 基礎コンクリートのひび割れ
- 配管貫通部の隙間
- 基礎の打ち継ぎ部分
こうした箇所に隙間があると、雨水や地下水が床下へ侵入する原因になります。
床下の換気状態
床下の湿気が原因で基礎が濡れているケースもあるため、換気状態も確認します。
例えば、
- 床下換気口が塞がれていないか
- 風通しが確保されているか
- 湿気がこもっていないか
といった点を確認します。
床下の換気が不足している場合は、湿気が溜まりやすくなり、結露やカビの原因になることがあります。
まとめ
家の基礎コンクリートが濡れている場合、必ずしも水漏れが原因とは限りません。結露や地下水、雨水の跳ね返りなど、さまざまな理由で基礎が湿ることがあります。
ただし、床下の給排水設備の不具合などによって水漏れが発生しているケースもあるため、濡れている範囲や状況を確認することが重要です。
基礎の濡れが長く続く場合や、水漏れが疑われる場合は、被害が広がる前に専門業者へ点検を依頼することをおすすめします。








