床下浸水後にシロアリが発生!正しい対処法と注意点とは?
床下浸水は水の被害だけではなく、さまざまな悪影響を家全体に及ぼします。その一つに、シロアリなどの害虫の発生があります。
そこで本記事では、床下浸水後に注意したいことや浸水後の対処法、浸水後の処理を業者に依頼した場合の費用などについて、詳しくご紹介します。
毎年日本各地で台風や大雨による浸水被害が起きていますので、もしものために正しい対処法を把握しておきましょう。
床下浸水後はシロアリの発生にご注意
床下浸水後にシロアリが発生する原因や注意点を見ていきましょう。
なぜ床下浸水後にシロアリが発生するのか?
床下浸水が直接シロアリ発生の原因になるわけではありませんが、床下浸水後の処理を間違えてしまうと、シロアリが集まってくることがあります。なぜなら、シロアリは「湿気を好む」という習性があるからです。
床下浸水後にしっかりと水抜きをして換気をしなければ、床下に湿気が溜まってしまいます。入浴後の浴室をイメージするとわかりやすいでしょう。入浴後に換気扇を使わないと浴室内に湿気が溜まります。床下も同じで、浸水後に水抜きと乾燥をしなければ湿気が溜まり、シロアリが好む環境になるのです。
床下浸水後に注意すべきこと
床下浸水後の湿気はカビの発生にもつながります。カビは床下だけではなく、室内の壁紙や畳にも及ぶことがあるので対策は欠かせません。
また、住宅の基礎部分でもある床下には、木材を固定する金具などもあるため、水を含んだ木材を乾燥させなければ金具が腐ってしまいます。金具が腐ると、基礎部分の強度が足りなくなって家全体の傾きが起こります。
床下浸水後にやるべき3つの対処法
ここでは、床下浸水後にやるべき3つの対処法を順番にご紹介します。
その1「排水」
床下浸水では雨水だけではなく、泥などが混ざった汚水も一緒に流れ込んできます。床下の断熱材や配管が汚水で濡れるとサビたり痛んだりして老朽化が進むので、浸水後の排水はとても重要です。
水量が少ない場合はバケツで汲み出せますが、水量が多いときには、排水ポンプを使って作業をしたほうがいいでしょう。
その2「乾燥」
排水が終わったら、次に床下を乾燥させます。天気が良ければ自然乾燥させることもできますが、小型の扇風機などを使って床下に風を送り込む方法が確実です。季節によっては完全に乾燥するまで1週間以上かかることもありますが、生乾きのままだとカビやシロアリが発生するので、根気よく乾燥させてください。
扇風機などを使う場合には、必ず「送風」を使いましょう。「温風」にすると木材の水分バランスが崩れて、反り(そり)や収縮が起こり家の歪みの原因になります。
その3「消毒」
最後は消毒です。床下浸水では汚水も混ざっているため、細菌の繁殖による感染症を防がなくてはいけません。なお、床下の消毒には主に消石灰(しょうせっかい)が使われます。消石灰は1平方メートルあたり1キロを目安に散布するのが一般的です。
ただし、消石灰は殺菌作用が強いので、散布するときには必ず手袋やマスク、ゴーグルなどを着けましょう。散布後は手洗いやうがいを忘れないようにしてください。消石灰の散布は危険を伴う作業なので、できれば業者に依頼したいところです。
業者に依頼したときの費用は?保険や補助金に頼れるのか
床下浸水処理を業者に依頼したときの費用は、以下を目安にしてみてください。
作業内容 | 費用 |
床下の排水と洗浄 | 1,000円/㎡ |
消毒 | 30,000/回 |
脱臭・消臭 | 50,000円/回 |
カビの除去 | 1,000円/㎡ |
防カビ処理 | 3,000円/㎡ |
保険や補助金は適用されるか?
床下浸水後の処理費用に保険や補助金は使えるのか、それぞれ詳しくご紹介します。
・保険の適用
一般的な火災保険の場合、床下浸水の被害は補償対象になりません。ただし、最近では水災害も補償の対象としている商品も数多く登場しています。保険会社によってプランは異なりますが、保険が適用されるのは主に以下のケースです。
・保険対象の30%が被害に遭った場合
・床上、または45センチ以上の浸水があった場合
・自治体からの補助金
被災時の公的給付に「被災者生活再建支援制度」があります。各自治体の管轄内で10戸以上の災害被害があると適用されますが、適用対象が「全壊」か「半壊」なので、床下浸水は対象外です。
自治体によっては消毒作業や消毒薬の配布、住宅修繕資金の貸付などを実施していることもあるので、確認してみるといいでしょう。
まとめ
床下浸水は水害の他にも、害虫やカビなどの二次被害も呼びます。そうした二次被害を防ぐためにも、床下浸水が起こったら以下の手順でしっかり処理をすることが大切です。
1.排水
2.乾燥
3.消毒
床下浸水後の排水と乾燥をしっかり行わないと、床下に湿気が溜まって、シロアリやカビが発生することがあります。また、床下浸水には汚水も混ざっているため、感染症を予防するための消毒が欠かせません。
床下浸水の被害状況や自治体によっては、保険の適用や補助金が給付を受けられる可能性もあるので、確認してみてください。
排水から消毒までの流れはご自分でもできますが、不安がある場合には、プロの専門業者に依頼した方がいいでしょう。作業費用は発生しますが、安全で確実な作業をしてくれます。