
床下の基礎にひび割れを見つけても、すぐに補修したり、危険だと判断したりする必要はありません。コンクリートの乾燥収縮によって生じる軽微なひび割れがある一方、地震や不同沈下、鉄筋の腐食などが関係している場合もあります。
重要なのは、ひび割れだけを見るのではなく、幅や深さ、周辺の水染み、床下の湿気なども含めて状態を確認することです。ひび割れの方向だけで危険度を判断することもできません。
本記事では、床下の基礎にひび割れを見つけたときの対処法や主な原因、あわせて確認したい症状、専門業者の調査内容、補修・補強方法まで解説します。
基礎の状態をどのように判断すればよいか迷っている方は、ご参照ください。
ALT(アルト)は、2014年創業、施工実績3,711件以上の床下工事を得意とする会社です。基礎の補修・補強の両方に対応しており、現地調査をもとに状態に応じた施工方法を提案しています。
基礎だけでなく、湿気やシロアリ、床の劣化など床下全体を確認できるため「このひび割れは補修が必要?」「補強まで必要?」と判断できない段階でも相談できます。
床下の基礎にひび割れを見つけたときの対処法

床下の基礎にひび割れを見つけたら、すぐに工事を判断するのではなく、まずはひび割れの状態を確認しましょう。
具体的には、以下のような対処方法がおすすめです。
- 軽微なひび割れは写真を残して経過を確認する
- 判断できない場合や異常を感じる場合は専門業者に相談する
軽微なひび割れは写真を残して経過を確認する
細く表面的なひび割れで、周囲に水染みやコンクリートの欠損などが見られない場合は、すぐに工事をせず経過を確認するケースもあります。
その際は、ひび割れの位置や状態が分かるように写真を残しておきましょう。定期的に見比べることで、幅や長さが広がっていないか確認しやすくなります。
また、新しいひび割れが増えていないかも確認が必要です。以前より広がっている場合や、本数が増えている場合は、専門業者へ相談して原因を調べてもらいましょう。
判断できない場合や異常を感じる場合は専門業者に相談する
ひび割れが大きい場合や複数箇所にある場合、以前より広がっている場合は、専門業者へ詳しい調査を依頼しましょう。見た目だけでは、ひび割れが表面的なものか、基礎内部まで達しているのか判断しにくいためです。
また、ひび割れだけでなく、水染みや床の傾き、木部の腐食などが見られる場合も注意する必要があります。基礎以外の床下環境や、建物全体の状態が関係している可能性があります。
専門業者にひび割れや周囲の劣化状況を確認してもらい、経過観察・補修・補強のどれが必要か判断してもらいましょう。費用相場については、以下の記事にまとめています。
>>基礎のひび割れ補修・補強の費用相場は?工法別の相場と適正か判断するためのポイントを解説
床下の基礎にひび割れが起こる4つの原因

床下の基礎にひび割れができる主な原因は、以下の4つです。
- コンクリートの乾燥収縮や経年劣化
- 地震や不同沈下による建物のゆがみ
- 床下の湿気や水分による基礎の劣化
- 施工時の不具合や鉄筋の劣化
基礎のひび割れは、ひとつの原因だけで起こるとは限りません。複数の要因が重なっている場合もあるため、原因を確認したうえで対処しましょう。
コンクリートの乾燥収縮や経年劣化
コンクリートは、内部の水分が抜けることで体積が収縮します。乾燥収縮によってコンクリートに引っ張る力が生じると、細かなひび割れが発生する場合があります。
このような細かなひび割れは、コンクリートの性質によって生じることもあり、必ずしも基礎の強度低下を意味するわけではありません。
一方で、築年数の経過とともに、コンクリートの中性化が進む場合があります。中性化とは、空気中の二酸化炭素などの影響で、コンクリートが鉄筋をサビから守る働きが弱まっていく現象です。
中性化が鉄筋付近まで進み、水分や酸素の影響を受けると鉄筋が腐食し、基礎の劣化につながりやすくなります。
地震や不同沈下による建物のゆがみ
地震による揺れや不同沈下も、基礎にひび割れが生じる原因のひとつです。
不同沈下とは、建物が均等ではなく、一部だけ沈んでしまう現象です。地盤が部分的に沈むと基礎に偏った力が加わり、ひび割れにつながる場合があります。
また、地震の揺れが繰り返されることで、基礎に負担が蓄積されやすいです。斜め方向や水平方向に伸びるひび割れ、複数箇所に発生しているひび割れなどは、建物の動きが関係していることが考えられます。
ただし、ひび割れの方向だけで原因を断定できません。
床下の湿気や水分による基礎の劣化
床下に湿気がこもったり、水漏れや浸水が起きたりすると、基礎が長期間水分の影響を受ける場合があります。
特に注意したいのが、コンクリート内部の鉄筋の腐食です。水分などの影響で鉄筋がサビて膨張すると、周囲のコンクリートを内側から押し、ひび割れや剥離につながる場合があります。
床下では、基礎のひび割れだけでなく、水染みやカビ、コンクリート表面に白い粉状のものが現れる白華現象(エフロレッセンス)などがないかも確認しましょう。
施工時の不具合や鉄筋の劣化
基礎をつくる際の施工状態が、後からひび割れにつながる場合もあります。
例えば、コンクリートの締固めが不十分だと、内部に空洞や欠損が生じやすいです。また、水とセメントの配合や養生などに問題があると、十分な強度を確保できないケースもあります。
さらに、鉄筋を覆うコンクリートの厚さである「かぶり厚さ」が不足していると、鉄筋が外部の水分などの影響を受けやすくなります。鉄筋が腐食して膨張すると、コンクリートのひび割れや剥離につながるケースも少なくありません。
▼かぶり厚さ

施工時の不具合は外から見ただけでは判断しにくいため、気になる症状がある場合は専門業者に詳しく確認してもらいましょう。
床下の基礎にひび割れがあるときに一緒に確認したい症状

床下の基礎にひび割れを見つけた場合は、ひび割れだけでなく、周辺に別の異常がないかも確認することが大切です。
特に、以下の症状がないか確認しましょう。
- 床下の湿気やカビ
- 水染みや床下浸水の跡
- シロアリや木部の腐食
- 床の傾きや沈み
複数の症状が見られる場合は、基礎だけでなく床下全体に問題が生じている可能性があります。
床下の湿気やカビ
床下に湿気がこもると、カビの発生や木部の腐食につながり、住宅の耐久性に悪影響を与える場合があります。
また、湿気が多い状態ではシロアリが発生しやすくなったり、コンクリート内部の鉄筋が水分の影響を受けやすくなったりする場合もあります。
そのため、基礎のひび割れ周辺に水分の影響がないか確認するとともに、床下に結露やカビが発生していないかも見ておきましょう。点検口を開けた際にカビ臭がする場合も、床下の湿度が高い可能性があります。
基礎のひび割れだけを補修しても、湿気の原因が残っていれば別の劣化につながるため、床下環境まで確認することが大切です。
水染みや床下浸水の跡
基礎のひび割れ周辺に水染みがある場合は、雨水の侵入や配管からの漏水などが起きている可能性が高いです。床下への浸水が続くと、基礎だけでなく土台や大引きなどの木部にも水分の影響が及び、腐食やカビにつながります。
そのため、水染みや浸水跡を見つけた場合は、ひび割れだけでなく、水がどこから入っているのかまで確認することが大切です。
原因を解消しないまま補修しても、再び水分の影響を受けることになります。
シロアリや木部の腐食
湿気の多い床下では、シロアリ被害や木材の腐食が起こる場合があります。基礎の周辺にある土台や大引きなどを確認し、木材が食害されていないか、変色や腐食がないかを見ておきましょう。
シロアリや木部の劣化が進んでいる場合は、基礎のひび割れだけを補修しても十分ではありません。必要に応じて、シロアリ対策や木部の補修など、床下全体の対策を検討する必要があります。
床の傾きや沈み
基礎や地盤に不具合がある場合は、室内の床の傾きや沈みとして症状が現れるときがあります。あわせて、ドアや窓が開閉しにくくなっていないか、建具にすき間ができていないかなど、建物全体の変化も確認しましょう。
基礎のひび割れと床の傾き・沈みが同時に見られる場合は、表面的な補修だけでは対応しにくいため、専門業者に調査を依頼するのがおすすめです。
床下の基礎ひび割れ調査で専門業者が確認すること

専門業者による調査では、ひび割れの幅や深さ、基礎の劣化状況などを確認します。
主な確認項目は、以下の4つです。依頼前に、どこまで調査してもらえるのか確認しておきましょう。
- ひび割れの幅・深さ・発生位置
- 基礎全体の劣化や欠損
- 湿気・水漏れなど床下環境
- 補修・補強の必要性
基礎だけでなく床下環境まで確認できる業者であれば、ひび割れの原因や周辺の劣化も含めて判断してもらいやすいため、依頼先を選ぶ際のポイントになります。
>>家の基礎のひび割れ補修におすすめの業者8選|選ぶ際のポイントや費用相場
ひび割れの幅・深さ・発生位置
専門業者は、ひび割れの幅や深さ、方向、発生位置などを確認します。
1か所だけを見るのではなく、床下全体に同じようなひび割れがないかも確認します。複数箇所に発生している場合や、特定の方向に集中している場合は、基礎や建物全体の状態も含めて判断しなければなりません。
このような調査によって、表面的なひび割れなのか、より詳しい確認や補修が必要な状態なのかを見極められるようになります。
基礎全体の劣化や欠損
ひび割れ以外に、コンクリートの剥離や欠損、表面の劣化がないかも確認します。
例えば、サビ汁やコンクリートの浮き・剥離が見られる場合は、内部の鉄筋が腐食している恐れがあります。また、空洞や欠損など、施工時の不具合が疑われる箇所がないかもチェックポイントです。
一部分だけでは基礎全体の状態を判断できないため、床下全体を見ながら劣化の広がりを確認することが大切です。
湿気・水漏れなど床下環境
床下調査では、湿気や水染み、漏水・浸水の痕跡なども確認します。水分の影響が強い場合は、基礎だけでなく、木部の腐食やカビ、シロアリ被害が発生していないかもチェックします。
ひび割れの原因が基礎そのものではなく、床下の湿気や漏水など周辺環境にある場合も少なくありません。そのため、基礎だけでなく床下全体を確認することで、必要な対策を判断しやすいです。
補修・補強の必要性
調査結果をもとに、経過観察でよいのか、補修や補強が必要なのかを判断します。ひび割れを樹脂などで埋める補修だけで対応できる場合もあれば、基礎そのものの強度を高める補強工事が必要になる場合もあります。
ただし、ひび割れがあるだけで補強工事が必要とは限りません。
工事を提案された場合は、なぜその工事が必要なのか、どの範囲まで施工するのかまで説明してもらいましょう。
床下の基礎のひび割れを補修する方法

床下の基礎にひび割れがある場合は、ひび割れの状態や基礎の劣化状況に応じて、補修または補強を行います。
主な方法は、以下の2つです。
- 軽微なひび割れは樹脂などで補修する
- 基礎の強度に不安がある場合は補強を行う
補修だけで対応できるのか、補強まで必要なのかは、ひび割れの幅や深さ、基礎全体の状態を確認したうえで判断します。
軽微なひび割れは樹脂などで補修する

細かなひび割れでは、以下を使って補修する方法があります。
- エポキシ樹脂(接着性や強度に優れた樹脂)
- シーリング材(ひび割れやすき間を埋める充填材)
例えば、ひび割れ内部に樹脂を注入してすき間を埋めると、水分や空気の侵入を抑え、基礎内部の劣化を防ぐことが可能です。
ただし、ひび割れの幅や深さによって適した工法は異なります。表面を塞ぐだけで対応できる場合もあれば、内部まで樹脂を注入する必要がある場合もあるため、状態に合った補修方法を選ぶことが大切です。
基礎の強度に不安がある場合は補強を行う
ひび割れだけでなく、基礎全体の劣化や強度不足が確認された場合は、補強工事を検討します。
補強方法のひとつに、アラミド繊維などの繊維シートを基礎表面に貼り付け、基礎そのものの強度を高める工法があります。
ただし、ひび割れがあるだけで補強まで必要とは限りません。補修だけで十分なのか、補強まで必要なのかは、基礎全体の調査結果をもとに判断しましょう。
あわせて、以下の記事もチェックすることをおすすめします。
>>家の基礎のひび割れはどの程度なら補修が必要?危険な症状・主な原因・補修方法を解説
床下の基礎のひび割れを発見した際の注意点

床下の基礎にひび割れを見つけた場合は、すぐに補修するのではなく、原因や周辺の状態を確認することが大切です。
特に、以下の3点に注意しましょう。
- 自己判断ですぐにひび割れを補修しない
- ひび割れだけで危険度を判断しない
- 床下に無理に入って確認しない
自己判断ですぐにひび割れを補修しない
市販の補修材を使えば、ひび割れの表面をDIYで塞げる場合があります。
しかし、表面を補修しても、ひび割れが発生した原因まで解消できるとは限りません。基礎の劣化や不同沈下などが原因であれば、別の対策が必要です。
また、補修材でひび割れを覆うと、その後に幅や長さが変化しているか確認しにくくなります。
原因を確認せず表面だけを塞ぐと、ひび割れが再発したり、内部の劣化に気づきにくくなったりする恐れがあります。状態を判断できない場合は、DIYで補修する前に専門業者へ相談しましょう。
ひび割れだけで危険度を判断しない
基礎のひび割れを見つけたら、幅や深さだけでなく、周囲に別の異常がないかも確認しましょう。
例えば、ひび割れに加えて、水染みやコンクリートの剥離、木部の腐食、カビ、床の傾きなどが見られる場合です。そのようなケースでは、床下の湿気や漏水、鉄筋の腐食、不同沈下などがひび割れに影響している恐れがあります。
そのため、ひび割れの大きさだけで判断せず、周辺の異常もあわせて確認することが大切です。判断が難しい場合は、専門業者へ調査を依頼しましょう。
床下に無理に入って確認しない
床下は狭く、暗いうえに、釘や配管、電気配線、害虫などによってけがをする危険があります。
点検口から見えない場所まで確認しようとして、無理に奥へ進むのは避けましょう。狭い場所では身動きが取りにくくなり、戻れなくなる恐れもあります。
まずは点検口から安全に確認できる範囲にとどめ、床下の奥まで調査する必要がある場合は専門業者に依頼することをおすすめします。
まとめ|床下の基礎にひび割れを見つけたら、状態を確認して適切に対処しよう

床下の基礎にひび割れを見つけても、すぐに補修・補強が必要とは限りません。軽微なひび割れであれば経過観察で済む場合もあります。
しかし、ひび割れが大きい、広がっている、水染みや木部の腐食、床の傾きなどが見られる場合は、詳しい調査が必要です。
また、ひび割れの原因は、乾燥収縮や経年劣化だけでなく、湿気や漏水、鉄筋の腐食、不同沈下などが関係している場合もあります。
そのため、ひび割れだけで判断せず、基礎や床下全体の状態を確認したうえで、経過観察・補修・補強のどれが必要か判断することが大切です。
▼ご相談・お問い合わせ窓口
ALTでは、2014年創業・施工実績3,711件以上の経験をもとに、基礎の補修・補強に対応しています。基礎だけでなく、湿気やシロアリ、床の劣化など床下全体を確認し、現地調査の結果に応じて必要な施工方法を提案しています。
「このひび割れは補修が必要?」「補強までしないといけない?」と判断に迷っている場合は、依頼先の候補のひとつとしてご相談ください。
| この記事を書いた人:ALT編集部 床下工事の専門会社として創業12年、施工実績3,711件以上(※2026年8月時点)を持つ株式会社ALTの編集部です。基礎補強やシロアリ対策、床補修など、床下に関する情報を分かりやすく発信しています。 床下全体を確認する視点を大切にし、必要以上に不安をあおらず、適切な対処につながる情報提供を心がけています。 |
| 監修者:佐藤 英康 株式会社ALT 代表取締役。2014年に株式会社ALTを創業し、床下工事を中心とした住宅リフォーム事業を展開。基礎補強や湿気対策、シロアリ対策など、床下に関する幅広い施工に携わっています。現場で培った知見をもとに、記事内容を監修しています。 |










