
基礎モルタルが剥がれる原因と対策を解説!補修方法や費用も詳しく紹介
建物の基礎を保護する「基礎モルタル」が剥がれてしまうと、見た目が悪くなるだけでなく、住宅の耐久性や防水性の低下につながる可能性があります。
モルタルの剥がれは、経年劣化や施工不良、気候の影響など、さまざまな要因によって発生します。放置するとひび割れや浸水、シロアリ被害のリスクも高まるため、適切な補修が必要です。
本記事では、基礎モルタルが剥がれる原因や対策、補修方法について詳しく解説します。住宅の基礎を長持ちさせるために、ぜひ参考にしてください。
そもそも基礎モルタルとは?
基礎モルタルとは、建物の基礎コンクリートの表面を覆う仕上げ材のことです。セメントと砂、水を混ぜ合わせたモルタルを塗布することで、基礎の保護や美観の向上を図ります。
住宅の基礎は、雨や湿気、紫外線、寒暖差などの影響を受けやすい部分です。モルタルでコーティングすることで、防水性・防湿性を高め、ひび割れを防ぐ役割を果たします。
しかし、経年劣化や外部からの衝撃、地震による揺れなどが原因でモルタルが剥がれることがあります。剥がれを放置すると、基礎コンクリートが直接ダメージを受け、ひび割れや浸水、さらには住宅全体の劣化につながる可能性があります。そのため、適切なメンテナンスや補修が重要です。
基礎モルタルが剥がれる主な原因とは?
基礎モルタルの剥がれは、経年劣化や施工不良、環境要因など、さまざまな原因によって引き起こされます。放置すると基礎コンクリートが直接ダメージを受け、住宅の耐久性が低下する恐れがあります。
ここでは、基礎モルタルが剥がれる主な原因を詳しく解説します。
経年劣化による剥がれ
基礎モルタルは長期間にわたって雨風や紫外線にさらされるため、ひび割れや浮き、剥がれといった劣化が徐々に進みます。特に、以下のような症状が見られる場合は、モルタルの寿命が近づいているサインです。
● 表面に細かいひび割れ(ヘアクラック)が発生している
● モルタルの一部が浮いて剥がれかけている
● 触ると粉が付く(チョーキング現象)
なお、モルタルの耐用年数は15〜20年程度とされていますが、気候や施工状態によってはそれよりも早く劣化が進むことがあります。
施工不良が引き起こすトラブル
基礎モルタルは、施工時の不備によって短期間で剥がれることがあります。下地処理が不十分だと、モルタルが基礎にうまく密着せず、浮きやひび割れが発生しやすくなります。
また、水分量が多すぎると乾燥後に強度が落ち、剥がれの原因になります。さらに、適切な乾燥時間を確保せずに仕上げると、内部の水分が抜けきらず、後にひび割れや剥がれを引き起こします。
こうした施工不良による劣化は、比較的早い段階で目立つことが多いため、異変を感じたら早めの点検が必要です。
気候や環境によるダメージ
基礎モルタルは、雨や湿気、寒暖差の影響を受けやすい素材です。特に湿気が多い環境では水分を吸収しやすく、膨張と収縮を繰り返すことでひび割れや剥がれが発生しやすくなります。
寒冷地では凍害も問題で、水分が凍結・膨張することで内部からひび割れが進行します。直射日光の強い場所では乾燥による劣化も進みやすいため、環境に応じた対策が求められます。
地震や振動によるダメージ
地震の揺れや周囲の振動も、基礎モルタルに負担をかけます。大きな揺れが発生すると、基礎の動きに合わせてモルタルにひびが入り、剥がれにつながることがあります。
また、交通量の多い道路沿いでは車の振動が影響し、徐々にダメージが蓄積されることもあります。特に地震後はひび割れの有無を確認し、必要に応じて補修を行うことが大切です。
剥がれた基礎モルタルを放置するとどうなる?
基礎モルタルが剥がれた状態を放置すると、さまざまな問題が引き起こされます。モルタルの役割は、基礎コンクリートを保護することにあり、その役割を失うことで住宅全体に悪影響が出る可能性が高くなります。
放置する前にそのリスクを理解し、早期の対応を検討することが重要です。
耐久性低下と構造への影響
基礎モルタルが剥がれると、コンクリート基礎が外部の影響を受けやすくなり、ひび割れや浸水が発生しやすくなります。これにより、基礎の強度が低下し、最終的には住宅全体の耐久性が損なわれるリスクが高まります。
特に、ひび割れから水分が浸入すると、コンクリートが劣化し、鉄筋が錆びて膨張し、さらに大きな損傷を引き起こす可能性があります。
見た目の劣化による資産価値の低下
基礎モルタルの剥がれは、見た目にも大きな影響を与えます。外観が悪くなると、住宅の印象が悪くなり、資産価値が下がることがあります。
特に、住宅の売却を考えている場合、基礎モルタルの状態が悪いと、買い手に対して修繕費用がかかるという印象を与え、価格交渉の際に不利になることが考えられます。
カビやシロアリ被害のリスクが高まる
基礎モルタルの剥がれは、湿気が基礎内部に浸透しやすくなるため、カビやシロアリの繁殖を引き起こす原因になります。湿気がこもることで、木材部分が腐食し、シロアリが食害を引き起こすリスクも高まります。
カビやシロアリの被害は、見えない場所で進行するため、気づいた時には深刻なダメージを受けている場合があります。これらの問題を防ぐためにも、早期に補修を行うことが重要です。
基礎モルタルの剥がれを補修する方法

基礎モルタルが剥がれた場合、早期に補修を行わないと、住宅全体に悪影響を及ぼすことになります。ここでは、業者に依頼して補修を行う場合の方法と費用相場について解説します。
業者による補修方法
業者は、剥がれた部分を清掃し、適切な材料を使って新しいモルタルを塗布します。この過程では、モルタルの配合や塗布の技術が非常に重要です。業者は豊富な経験と専門知識を活かし、長期間持続する補修を行います。
一方、素人が補修を試みると、モルタルの密着が不十分になり、乾燥時間や配合のミスによってさらにひび割れや剥がれが進行する可能性があります。正しい手順を踏まないと、修理が逆効果になることもあるため、素人作業は避けるべきです。
業者に依頼する場合の費用相場
基礎モルタルの補修費用は、剥がれの範囲や状態によって異なりますが、一般的な費用相場は以下の通りです。
● 小規模な補修(数か所の剥がれ): 約3万〜5万円
● 中規模な補修(広範囲にわたる剥がれ): 約5万〜10万円
● 大規模な補修(ひび割れや構造の補強が必要): 約10万〜20万円
費用は、使用する材料や作業内容によって異なるため、複数の業者から見積もりを取得することをおすすめします。また、業者の技術や信頼性も重要なポイントです。
まとめ|基礎モルタルの剥がれは早めの対策が重要

基礎モルタルの剥がれは、住宅の耐久性や外観、さらには資産価値にも大きな影響を与える可能性があります。剥がれが進行すると、構造の劣化や水分の侵入によるシロアリ被害、カビの発生などのリスクが高まります。そのため、早期の対応が重要です。
自分で補修を試みるよりも、専門業者に依頼することを強くおすすめします。業者は、適切な材料と技術で確実に補修を行い、長期的に安定した効果を得ることができます。素人が補修を試みると、かえって剥がれを悪化させることがあり、さらなる費用がかかることになりかねません。
基礎モルタルの状態を定期的に確認し、異常を感じたら早めに補修を検討することが、住宅の安全性を保つために不可欠です。