布基礎は早めの補強が重要!工事の方法と費用相場も解説

近年では見かけることが少なくなった布基礎ですが、築年数が経過している家には多く採用されています。そのため、経年による劣化や強度の低下が起きているケースは少なくありません。場合によっては、早急な補強が必要になります。

基礎は家を支える重要部分なので、被害の拡大を防ぐためにも早めの補強を検討しましょう。

本記事では、布基礎の特徴や補強工事の種類、工事費用の相場などを詳しく解説します。自宅の基礎が布基礎かどうかわからないという人も、ぜひ参考にしてください。

布基礎の特徴

そもそも布基礎とは、地面に「逆T字型」にコンクリートを打ち込んで基礎にする方法です。地面からの立ち上がり部分だけに基礎を設置するため、建物を「点」で支えるようになっています。

なお、建築基準法関連法令では、布基礎の立ち上がり部分は「高さが地上から30cm以上、厚さは12cm以上」と定められています。基礎を地中に埋める根入れは「深さ24cm以上」、底盤は「厚さ15cm以上」です。

近年では、建物を「面」で支えるベタ基礎が主流ですが、布基礎はベタ基礎に比べて地中深くまで根入れするという特徴があります。しかし、立ち上がり部分だけで基礎を支えているため、耐久性はベタ基礎に劣ります。また、地面からの湿気に弱いというデメリットもあります。

なお、布基礎という名称にはなっていますが、基礎に布を使用しているわけではありません。布基礎と呼ばれるようになった理由は、「基礎が長い布の繊維に見えるから」とされていますが、これには諸説あるようです。

布基礎を補強する方法

建物を点で支える布基礎は負荷が集中するので、ひび割れが発生しやすいという問題を抱えています。このような布基礎の脆弱性を補強する工事としては、次のような方法があります。

1.ビックス工法

小さなひび割れを補修する工事です。エポキシ系樹脂をひび割れに注入して補修していきます。軽度なひび割れであれば、この工法で対応可能です。

2.Uカットシール工法

電動工具でひび割れをU字型(V字型)にカットし、シーリング材を充填します。大きなひび割れの補強や、ひび割れの再発時に用いられる方法です。

3.基礎増し打ち補強

基礎の隣に鉄筋を組んで、一体化させる方法です。耐震性能を高めたいときには、増し打ち補強を行います。

4.アラミド繊維シート貼り付け

アラミド繊維シートを貼り付けて、布基礎の強度を高める方法です。アラミド繊維シートの強度は鋼材の5倍もありますが、重機を使用せずに施工できるという特徴があります。

布基礎の補強にかかる費用相場

布基礎の補強にかかる費用の相場は、以下のとおりです。

・ビックス工法

補修1カ所につき1~2万円が費用の相場です。基礎全体を補修する場合は、総額で10万円前後になると考えていいでしょう。作業は基本的に3日ほどで完了します。

・Uカットシール工法

1カ所あたり1~2万円が費用相場です。作業は1日で終わります。

・基礎増し打ち補強

相場は6~8万円/mです。工期は1箇所につき2~3日ほどですが、基礎全体の補強は1か月前後かかることもあります。

・アラミド繊維シート

材料費費込みで1.5万〜2.5万/㎡が費用の相場です。工期は1日~3日となります。

布基礎の補強を行った方がいい家の特徴

結論、布基礎やベタ基礎といった基礎の種類に関わらず、大切な家に長く住むなら「基礎補強」を検討したほうがいいでしょう

例えば、アラミド繊維シートによる基礎補強を施せば、効果は半永久的に続くため、古い住宅だけではなく新築住宅にもおすすめできます。中長期的な視野で見れば費用対効果は高くなります。

なお、ひび割れが発生している布基礎は、すでに危険な状態です。そのまま放置しておくと、地震や洪水などの自然災害で家が倒壊する恐れがあります。被害の拡大を防ぐためにも、できるだけ早く業者に相談して適切な補強をするようにしてください。

まとめ

今回は、布基礎の補強方法や工事費用の相場について紹介しました。

布基礎の小さなひび割れは、ビックス方法で補強します。費用の相場は、1カ所につき1~2万円です。幅が広いひび割れはUカットシール工法で補強します。費用相場は1カ所あたり1~2万円です。

布基礎の耐震性能を高めたい場合は、基礎増し打ち補強を行ないます。費用相場は6~8万円/mです。重機を使用せず布基礎をしっかりと補強するなら、アラミド繊維シートの貼り付けが適しています。費用相場は1.5万〜2.5万円/㎡です。

布基礎は築年数が経過した家に多く見られるため、すでに経年劣化が発生している可能性が高くなります。小さなひび割れであったとしても、放置しておくと耐震性が大幅に低下してしまいます。

布基礎の補強工事には専門的な知識と技術が求められるため、DIYでは不可能です。大切な家を守るためにも、早急に業者に連絡をして適切な補強工事を行いましょう。

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