基礎クラックの補修方法と業者の選び方を徹底解説!【放置は厳禁】
「基礎クラックが気になるけど業者の選び方がわからない」「基礎クラックの補修方法がわからない」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、基礎のクラックを補修しないで放置しておくと、建物全体の耐久性が低下するなどの重大な被害に発展する恐れがあるので注意が必要です。
そこで今回は、基礎にクラックが発生する原因や補修方法、業者の選び方などを詳しく解説します。補修の費用相場もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
基礎のクラックの放置が危険な理由
基礎のクラックを放置すると隙間から空気や水が入るため、内部の鉄筋が酸化して錆びが生じてしまいます。鉄筋が錆びると体積が膨張して、さらにクラックが発生するという悪循環に陥ります。
錆びが進行した場合は、鉄筋が基礎の外部に露出する「爆裂現象」を引き起こすことがあるので少しのクラックでも放置は厳禁です。鉄筋の錆びや爆裂現象は建物全体の耐久性も低下させます。
なお、基礎に発生するクラックには主に2種類あります。
ヘアークラック
幅0.3mm未満、深さ4mm未満の小さなクラックです。髪の毛のように小さいので「ヘアークラック」と呼ばれています。基本的には様子見で構いませんが、数が多い場合や時間の経過とともに大きくなった場合は、補修を検討しなければいけません。
構造クラック
幅0.3mm以上、深さ4mm以上の大きなクラックです。建物の構造に影響を与える恐れもあるので「構造クラック」と呼ばれています。コンクリート内部の鉄筋まで達していることもあるため、早めの補修が必要です。
もし、クラックがコンクリート内部にまで深く届いている場合は、隙間から空気や水分が侵入するようになるため内部の鉄筋が錆びていきます。錆びた鉄筋は次第に膨張していくので、内部から破裂する「コンクリート爆裂」が起こります。
コンクリート爆裂は建物の耐久性を大幅に低下させるため、放置すると大変危険です。
基礎にクラックが発生する原因
基礎のクラックは以下のような原因で発生します。
コンクリートの寿命
コンクリートは一般的には30年~40年で寿命を迎えるとされています。経年劣化によるクラックの発生は避けられません。
なお、基礎の打設時に施工上のミスがありコンクリートに必要な強度が出ていない場合や、床下の環境が悪いまま放置していると10〜20年程度でも基礎にクラックが発生することもあります。
乾燥による収縮
コンクリートは水分を含んでいますが、乾燥によって水分が蒸発すると全体的に収縮してクラックが発生します。
中性化
コンクリートはアルカリ性ですが、空気中の二酸化炭素と反応して「中性化」を起こします。コンクリート内部にまで中性化が進むと鉄筋が酸化して錆びが生じ、体積が膨張してクラックが発生します。
水分
コンクリートは水を吸い上げる性質を持つため、内部に浸透した水分がコンクリートの劣化を招きます。床下の湿気や水漏れなどは放置厳禁です。
凍害
コンクリート内部の水分が凍ると内部に膨張圧がかかります。逆に、氷が溶けるとコンクリートの組織全体が緩みます。これを繰り返している間にクラックが発生してしまうのです。
塩害
海の潮風に含まれる塩分がコンクリートの隙間から入り込み鉄筋を錆びつかせることによって、コンクリートにも影響し劣化に繋がります。
地震などの自然災害
基礎コンクリートは「地震などの横の引っ張りには弱い」という性質があります。そのため、地震の規模によっては揺れに耐えられずクラックが発生します。
基礎クラックの補修方法と費用
基礎クラックの主な補修方法と費用をご紹介します。
・ビックス工法
エポキシ系樹脂を注入してクラックを埋める方法です。規模の小さなクラックに用いられます。
費用相場は1カ所につき1~2万円です。補修箇所が少なければ1日で工事が終わります。
・Uカットシール工法
幅が大きなクラック補修に使われる工法です。専用工具でクラックをU字型(V字型)にカットしてからシーリング材を充填していきます。
費用相場はクラック1カ所につき1~2万円です。作業は1日で完了します。
・基礎増し打ち補修
新しい鉄筋を組んで既存の基礎と一体化させる方法です。
費用相場は6~8万円/㎡で、工期は補修1箇所につき2~3日となります。
・アラミド繊維シートを使った補修
強靱で柔軟なコンクリート補修用シート「アラミド繊維シート」を使って補修する方法です。多層構造のアラミド繊維シートを貼付すると、クラックが生じている基礎を強固にする効果があります。
アラミド繊維シートは鋼材の5倍も強度があり、錆びることもありません。鉄筋を電食させず、水分による劣化が生じないという特徴もあります。
費用相場は2〜3万円円/㎡、工期は1日~3日です。
基礎のクラック補修は必ず業者に依頼しましょう
基礎のクラック補修は専門の業者に依頼するのがおすすめです。DIYでも基礎補強は可能ですが、建物を支える重要な役目がある基礎の補修には専門的な知識と技術が求められます。素人の判断で基礎クラックを補修すると、被害の拡大を招く恐れがあるので避けましょう。
なお、業者を選ぶ際には以下の点に注意するといいいでしょう。
・施工実績を確認する
実績が少ない業者は十分な補修ができないので注意してください。必ずホームページなどで過去の施工実績を確認しましょう。
なお、ホームページに「お客様の写真だけ写っているもの」を掲載している場合は、ネット上の画像を無断使用している場合があるので注意が必要です。ホームページの写真は、「スタッフも掲載されているか」がポイントです。
・ホームページで価格を確認する
ホームページに価格表を掲載していない業者には注意が必要です。価格がわからなければ適正価格の判断ができません。その場の言い値で契約を迫られる可能性もあるので、ホームページで価格表を確認してから契約しましょう。
・口コミを確認する
口コミサイトを確認することも大切です。業者のホームページに掲載されている口コミはではなく、必ず他の媒体に書かれている口コミをチェックしましょう。また、口コミを確認する際は、複数のサイトをチェックするとより信憑性が増します。
・複数の業者から相見積もりをとる
基礎のクラック補修を依頼する際には、複数の業者に見積もりを依頼して施工法や費用を比較する「相見積もり」をしましょう。相見積もりでは、最低でも3社分の見積もりを取るのがおすすめです。
たとえ、「〇〇専門」「施工経験豊富」などとホームページ上に書いてあったとしても、実際は違ったということも少なくありません。ホームページに記載されている料金以外にも、何の説明もなしに追加料金がかかったというケースもあります。
そういったトラブルを未然に防ぐためにも、業者に依頼する際には複数の業者から話しを聞き、ご自分でしっかりと内容を把握して検討しましょう。
・保証やアフターサービスを確認する
一度基礎の補強を行えば効果は半永久的ですが、施工ミスなどが原因で被害が再発することもあります。そのような時に無償で再施工してくれるのかどうかをチェックしておきましょう。
まとめ
わずかなクラックでも、放置すると建物の耐久性が低下する恐れがあります。大きな「構造クラック」が発生している場合は、すぐにでも補修を検討しなければいけません。
基礎のクラックは乾燥による収縮やコンクリートの中性化などによって発生するため、こまめにチェックすることも大切です。
ご自分で基礎クラックを補修することもできますが、素人が本格的な補修をするのは難しいので、必ず専門業者に依頼してください。業者によっては無料点検などを実施しているので、基礎クラックが気になったら気軽に問い合わせてみましょう。