住宅基礎の寿命は何年?家を長持ちさせるための方法をご紹介!
住宅の基礎は住宅全体の耐久性や安全性に大きな影響を与える大切な部分です。しかし、その基礎にも寿命があります。コンクリート製で頑丈そうに見える基礎でも経年劣化は避けられません。
そこで今回の記事では以下について解説します。
基礎の寿命は何年程度なのでしょうか?また、安心して長く住める家にするためには、どのようなメンテナンスをすればいいのでしょうか?
今回は、住宅基礎の寿命や、基礎を長持ちさせるためのメンテナンスなどについて、詳しくご紹介します。
住宅の基礎の寿命はどれくらい?
住宅の基礎の寿命は30年〜40年程度とされています。これは、住宅の基礎に用いられる鉄筋コンクリートの寿命でもあるのです。
コンクリートの寿命は永久的ではありません。コンクリートの中性化が進んで「鉄筋が約20%錆びた」時点で寿命となります。
住宅の基礎には、「建物の荷重や、地震の揺れを地盤にバランス良く伝える」という大切な役割があります。長持ちする家をつくるためには、建物を支える基礎が頑丈でなければいけません。
基礎が傾いたり歪んだりしていると、建物がどんなに丈夫でも全体のバランスが不安定になってしまいます。「基礎の寿命は家の寿命」と言ってもいいほど、基礎の強さは重要です。
基礎の寿命を決める鉄筋
先にも述べましたが、基礎の寿命はコンクリート内部の鉄筋によって決まります。コンクリートはアルカリ性ですが、空気中の二酸化炭素に触れていると、時間の経過とともに「中性化」が進みます。コンクリートの中性化は、どんなに気をつけていても避けられない現象です。
中性化がコンクリートの内部にまで進むと、鉄筋が酸化して錆が生じます。鉄筋が錆びると膨張するので基礎コンクリートの表面にひび割れを起こし、そのひび割れから空気が入って、さらに内部の鉄筋が錆びるという悪循環に陥ります。
鉄筋の錆びが進行して膨張が続くと、コンクリートの外部に露出することがあります。これが「爆裂現象」です。重度な爆裂は、露出した鉄筋によってコンクリートが欠落します。
基礎の耐久性を保つためには?
基礎の寿命は30年〜40年ですが、環境によってはもっと短くなることもあります。大切な家に長く暮らすためには、基礎の状態を把握して適切な補強を施さなければいけません。
そこで検討したいのが「基礎補強工事」です。適切な基礎補強工事を行えば、基礎の強度を半永久的に保てます。
基礎補強工事には、主に以下のような種類があります。
・アラミド繊維シートを使った補強
強靱で柔軟なコンクリート補強用シート「アラミド繊維シート」を基礎の上に貼って、基礎の強度を高めます。基礎の状態によって施工費用は異なりますが、相場は2万円~3万円/m、工期は1~3日ほどです。
・ビックス工法
基礎コンクリートの小さなひび割れに対して行なわれる補強です。エポキシ系樹脂をひび割れに注入して、ひびを埋めていきます。ひび割れ補修1カ所につき1~2万円が費用の相場です。補修箇所が少なければ1日で終わります。基礎全体の補修が必要な場合の費用は10万円前後、工期は3日前後です。
・Uカットシール工法
幅が広めのひび割れ補強に使われる工法です。ひび割れ部分を専用の電動工具でU字型(V字型)にカットして、シーリング材を充填します。費用相場はひび割れ1カ所1~2万円です。作業は1日で完了します。
・基礎増し打ち補強
耐震改修にも用いられる補強方法です。基礎の隣に組んだ新しい鉄筋と一体化させて、基礎の強度を高めます。工費の相場は6~8万円/mで、工期は補強1箇所につき2~3日です。基礎全体の補強なら1か月前後はかかると思った方がいいでしょう。
・ベタ基礎補強
布基礎をベタ基礎に変えて強度を高める大規模な工事です。施工は1階の床を解体してから行います。工事が終わったら床を元に戻すので工費が高く、工期も長めです。基礎の補強費用や床の解体費用、床の復旧費用を含めた相場は100~300万円になります。工期は最低でも1か月、施工範囲や基礎の状態によっては3か月以上かかります。
まとめ
住宅の基礎の寿命は、30年から40年程度とされています。鉄筋コンクリートの寿命は永久的ではなく、中性化が進んで内部の鉄筋が約20%錆びた時点で寿命を迎えます。
住宅の基礎には、建物の荷重や外から加わる力を地盤に伝える大切な役割があります。そのため、「基礎補強工事」を行って、基礎コンクリートの寿命や劣化で住宅の耐久性が低下するのを防がなければいけません。
なお、基礎補強工事には、主に以下のような種類があります。
・アラミド繊維シートを使った補強
・ビックス工法
・Uカットシール工法
・基礎増し打ち補強
・ベタ基礎補強
軽度のひび割れから本格的な工事まで幅広い工法を選択できるので、基礎の状態に最適な補強工事を行い、住宅の寿命を長持ちさせましょう。基礎の状態がわからないという方は、専門業者に無料点検や無料見積もりを依頼してみてください。