床のたわみは放置厳禁!原因別の対処法と修繕費用を詳しく解説
「床を歩くとフワフワとしてたわんでいる」
「最近になって急に床がたわんで軋むようになった」
このような症状は、床材の腐食やシロアリ被害などが原因で起こります。経年劣化であれば床を貼り替えるだけで済みますが、腐食やシロアリ被害が原因の場合は、適切な対処をして被害の拡大を防がなければいけません。
そこで今回は、床がたわむ主な原因や原因別の修繕方法を詳しく解説していきます。修繕の費用相場も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
床がたわむ原因5つ
床がたわむ主な原因としては、「接着剤の劣化」「下地の劣化」「床束・束石の劣化」「木材腐朽菌の繁殖」「シロアリ被害」の5つが考えられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
・接着剤の劣化
床のたわみの多くは、接着剤の劣化が原因と考えていいでしょう。薄い板を接着剤で張り合わせた合板フローリングは、築15年〜20年前後で接着剤が劣化して板同士が剥がれてしまいます。板が剥がれるとフワフワとしてたわみ、安定感がなくなります。
・下地の劣化
床を支える「根太(ねだ)」と「大引き(おおびき)」の劣化です。根太は4.5cm×6cmほどの下地で、その下に大引があります。
この根太や大引きが腐食によって劣化すると、床がたわんでしまうのです。なお、腐食の主な原因は「床下の湿気」や「内部の漏水」です。
・床束・束石の劣化
大引きを支える90mm前後の木材が「床束(ゆかづか)」です。床束は束石(つかいし)の上に乗っています。
近年の床束は、プラスチック製や銅製のものがほとんどです。しかし、古い建物は木材が使われているため、湿気が原因で腐食すると、束石との間に隙間ができて床がたわみます。なお、強い酸性の土壌では、コンクリートの束石が劣化して床束との間に隙間ができ、床が沈むこともあります。
・木材腐朽菌の繁殖
木材腐朽菌の繁殖も、床のたわみの原因です。木材腐朽菌は湿気の多い場所に繁殖して、木材の主成分であるセルロースやリグニンなどを分解します。腐朽菌によって腐食した木材は強度が低下するため、床のたわみが発生するのです。
・シロアリ被害
床下の建材がシロアリの食害に遭っているケースです。建材が食害に遭うと内部がスカスカになってしまい、耐久性が低下して床がたわみます。シロアリは湿気を好むため、床下の水漏れや通気性の悪さが主な原因になります。
床のたわみの補修方法
床がたわむ原因別の補修方法を見ていきましょう。
・接着剤の劣化
床の接着剤が劣化している場合は、張り替えが基本です。通常は、既存の床を剥がしてから、新しい床を貼っていきます。ただし、既存の床がフローリングの場合は、補修した床の上に新しい床を貼る「重ね張り」での対応も可能です。
・下地の劣化
根太や大引きの劣化が原因の場合は、新しい木材をはめ込んで金物で補強します。腐食が広範囲に及んでいるときは、根太と大引きをすべて交換します。
・床束・束石の劣化
床を剥がして腐食した床束と石束を新しいものと交換します。木材を使用していた場合は、鋼や樹脂に変えるのが一般的です。
・木材腐朽菌の繁殖
床のたわみが木材腐朽菌による場合、床材・根太・大引き・床束などが腐食している可能性があります。そのため、フローリングを剥がして腐食している部分を交換する工事を施します。
・シロアリ被害
専門業者に依頼して、シロアリを徹底的に駆除します。その後、被害箇所を修繕して床のたわみを解消させます。なお、一度シロアリ被害に遭った家は被害が再発しやすいため、定期的なシロアリ対策が必要です。
床のたわみの補修費用
床がたわむ原因別の補修費用を見ていきましょう。
接着剤の劣化
張り替えによるフローリングリフォームの費用は、1㎡あたり約11,800円~14,250円が相場です。重ね張りで対応する場合は、1㎡あたり約9,100円~10,000円が相場になります。
下地の劣化
根太・大引きの交換と床の張り替えで約20万円~27万円が費用の相場です。
床束・束石の劣化
補修は1か所につき約4,000円、交換は1箇所1万円前後が費用の相場です。
木材腐朽菌の繁殖
床がたわんでいる場合、床材・根太・大引き・床束のいずれが腐食している可能性があります。工事費用は腐朽の範囲にもよりますが、約20万円~27万円が費用の相場です。
シロアリ被害
薬剤を直接散布する「バリア工法」で駆除する場合は、1㎡あたり1,000〜2,000円前後が費用の相場になります。
床のたわみを放置してはいけない理由
床のたわみを放置しておくと、「めくれ」や「ひび割れ」が見られるようになります。さらに放置しておくと劣化が進行して土台まで腐食してしまいます。場合によっては床が抜け落ちるので、早めの対策が欠かせません。
シロアリ被害が原因の場合は、壁や柱の内部を伝ってシロアリが家の各所に侵入します。家全体に被害が広がると耐久性が低下して、地震などの自然災害で家が倒壊することもあります。
大切な家を守るためにも、床のたわみに気がついた時点で専門業者に点検と修繕を依頼しましょう。
床のたわみ補修をプロに依頼するときの注意点
床のたわみ補修をプロに依頼する際には、次の2点に注意する必要があります。
- 追加費用が発生することもある
- 複数の業者に見積もりを依頼する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
・追加費用が発生することもある
床や床下の破損状況によっては、追加費用が発生します。たとえば、床を剥がして調べた結果、損傷や劣化が広範囲に及んでいたときには、建具の取り替え費用が必要になります。柱も損傷していた場合は、柱の入れ替えや壁と天井の解体・リフォーム費用が発生します。
・複数の業者に見積もりを依頼する
床の修繕を依頼する際には、複数の業者に見積もりを依頼して、工事プランや費用を比較することが大切です。初めから1社に決めてしまうと費用相場がわからず、不当に高い料金を支払うことにもなりかねません。各社の工事内容を比較すれば、必要な工事と不要な工事の種類も判断できるようになります。
まとめ
床のたわみは、接着剤の劣化や下地の劣化、シロアリ被害などが原因で発生します。放置しておくと床の抜けや家全体の耐久性低下を招くので早めに修繕しましょう。原因を突き止めて床のたわみを解消するには、専門業者に点検を依頼するのが最善策となります。
床がたわむ原因によって修繕方法や費用相場が異なるため、複数の業者に見積もりを依頼し比較検討しましょう。見積もりは無料なので、床のたわみが気になるという人は、気軽に専門業者に相談してみてください。