【自分で簡単にできる】基礎コンクリートの点検方法6つ!

家を支える重要な基礎には、種類や寿命があることを知っていますか?基礎は完成したら終わりではなく、コンクリートの経年劣化や寿命を考慮した定期的な点検が必要です。

そこで今回は、主に以下について詳しくご紹介します。

・基礎コンクリートの役割
・基礎コンクリートの寿命
・基礎コンクリートの点検方法

大切な家に長く安全に住むために必要な知識になりますので、ぜひ参考にしてください。

住宅の基礎コンクリートの役割とは

住宅の基礎とは、沈下や傾きが生じないように建物を支える構造部材です。住宅の耐震性を左右するほど重要な部分になります。

なお、住宅の基礎には主に以下の2種類があります

・布基礎

住宅の立ち上がり部分にだけ鉄筋が入っている基礎です。建物を「点」で支えるので、使うコンクリートの量が少なく、コストが低いというメリットがあります。ただし、耐震性能は比較的低めです。また、害虫などが床下に侵入しやすいなどのデメリットもあります。

・ベタ基礎

床下全体を鉄筋コンクリートで覆うタイプの基礎です。建物を「面」で支えるため耐震性が高く、不同沈下の発生も防ぎます。使用するコンクリートの量が多いので、コストは比較的高めです。

基礎コンクリートには寿命があります

コンクリート造りのため丈夫そうに見える基礎にも寿命が存在します。鉄筋コンクリートは「内部鉄筋の20%がサビたら寿命」とされており、それまでにかかる期間は約40年です。

コンクリートを劣化させる主な原因には、主に以下のようなものがあります。

・中性化

コンクリートはアルカリ性ですが、時間の経過とともに空気中の二酸化炭素と結合して「中性化」を起こします。中性化がコンクリートの内部に進むと鉄筋が腐食して膨張し、表面にひび割れが生じるのです。ひび割れから空気が入れば、さらに内部の中性化が進行するという悪循環に陥ります。

・水分

コンクリートは水分を吸い上げる性質があるため、水漏れなどを放置しておくと劣化が生じてひび割れを起こします。コンクリートの内部にある鉄筋にまで水分が浸透すると、錆びて膨張を起こし、コンクリートが内側から破裂するという危険な状態に陥ります。

・乾燥または気温変化

乾燥によってコンクリート内部にある水分が蒸発すると、乾燥収縮で引っ張られたコンクリートが耐え切れずひび割れを起こします。また、コンクリートは温度が急激に下がることでも収縮を起こすので気温変化もひび割れの原因になります。

・凍害

コンクリート内部の水分凍結と融解が繰り返されて起こる劣化です。水が凍るとコンクリートの内部に膨張圧がかかりますが、逆に氷が溶けると、コンクリートの組織が緩みます。この融解を繰り返すことで劣化してしまうのです。

・塩害

海に近い地域では、潮風による塩害でもコンクリートが劣化します。コンクリートの内部に入り込んだ塩分は鉄筋を腐食させ、コンクリートの強度を低下させてしまいます。

基礎コンクリートの状態をチェックする方法

基礎コンクリートの状態をご自分で点検する場合には、以下の箇所を重点的に見てみましょう

1.基礎コンクリートの仕様

「建築確認申請書」や「仕様書」を見れば、基礎の種類や鉄筋の有無がわかります。図面の「基礎伏図」には基礎がどのように打たれているかが記されているので、基礎内側の構造配置を知りたいときにチェックしてみるといいでしょう。

2.カビやシミの有無

カビやシミは、基礎コンクリート内部に水が侵入しているサインかもしれません。水の侵入は基礎コンクリートの劣化を早めるだけではなく、土台に使われている木部も腐らせてしまいます。

3.ひび割れの大きさ

ひび割れに「クラックスケール」をあてて幅を測ります。0.3mm以上のひび割れがある場合は早急な補修が必要です。

4.モルタルの浮き

モルタルの浮きは、「打診棒」で基礎の表面を叩いて確認します。軽く鈍い音がした場合はモルタルが浮いている可能性があります。浮きが酷いモルタルは簡単に剥がれて基礎コンクリートを劣化させるので注意が必要です。

5.鉄筋の露出

目視で鉄筋の露出を確認します。鉄筋が露出している場合は、コンクリートの強度が大幅に低下していると考えて間違いありません。

6.換気口の状態

換気口にひび割れも目視で確認しておきましょう。なお、基礎の立ち上がりが低い場合は、換気口から水が侵入してくることもあります。

基礎コンクリートに劣化を発見したら

基礎コンクリートの劣化を放置すると思わぬ被害の拡大につながります。被害を未然に防ぐためにも早めに修繕を行いましょう。

カビやシミがあった場合は、漏水の可能性があるので内部を点検してみてください。ひび割れやモルタルの浮き、換気口のひび割れは、適切な補修や修繕を検討します。鉄筋が露出していた場合は、基礎全体の補強が必要です。

基礎の立ち上がりが低いときは、水や湿気の侵入を防ぐための施工をして、水分によるコンクリートの劣化を防ぎます。

ただし、プロが点検しなければ分からないことも多いので、基礎コンクリートに異常を感じたら、必ず専門業者に点検を依頼してください。補修や修繕もご自分の判断で行わず、専門業者に施工してもらいましょう。

まとめ

今回は、基礎コンクリートの役割や点検方法、基礎の寿命などについてご紹介しました。

住宅の基礎は沈下や傾きが生じないように建物を支えるだけではなく、構造住宅の耐震性を左右する重要な部分です。しかし、鉄筋コンクリートの寿命は30〜40年とされています。

コンクリートは中性化や凍害、塩害などでも劣化するため、定期的な点検は欠かせません。基礎の点検でカビやシミ、ひび割れを発見した場合は、早めに適切な補修と修繕を行いましょう。

プロが点検しなければ分からないことも多いので、基礎コンクリートに異常がある場合には、必ず専門業者に点検と修繕を依頼してください。

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