床下補強が必要になるタイミングと費用を徹底解説!
床下の「基礎」は、築年数が経過してくると、さまざまな原因によって強度が弱くなってきます。床下は普段目にする機会も少ない分、床下補強のタイミングがわからなくて、不安に感じているという方も多いのではないでしょうか。
もし、あなたの家の基礎に問題が起きている場合、地震などの自然災害で倒壊する可能性があります。もっとも重要な基礎の強度が弱いとなると、どんな立派な建物でも倒壊してしまうリスクがあるのです。
そこで本記事では、「床下補強工事が必要になるタイミング」や、「補強工事の費用相場」などについて、詳しくご紹介します。
早期の対策があなたの家の寿命を伸ばしますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも床下の補強工事とは?
床下にある「基礎の強度を維持するための工事」が床下基礎補強工事です。
日常生活で床下を意識する機会はほとんどありませんが、床下の基礎には「家を地面に定着させて支える」という大切な役割があります。
基礎は家そのものの重さだけではなく、地震などの「外から家に加わる力」を安全に地面へと逃がして、家の傾きや崩壊を防いでいるのです。
裏を返せば、基礎がしっかりしていない建物は強度が不安定になるため、地震などで倒壊するリスクが高まります。
基礎の強度は永久に変わらないわけではありません。基礎のコンクリートが劣化したり、ひび割れが起きたりした場合には、床下の基礎を補修して、強度を落とさないようにする必要があります。
基礎に使われるコンクリートの寿命は30〜40年ほどですが、一度床下の基礎補強をしてしまえばコンクリートの寿命を半永久的に保つことができます。
基礎には2種類ある
家の土台である「基礎」は主に2種類あります。それぞれの特徴をご紹介しましょう。
その1「布基礎」
家の柱や壁に沿って、鉄筋コンクリートの基礎が設けられているタイプです。基礎の立ち上がり部分はコンクリートですが、残りの部分は土壌のままになっています。昔の日本家屋の床下を想像していただくとわかりやすいでしょう。
布基礎は床下の一部だけにコンクリートを使うため、コストが低いというメリットがあります。
その2「ベタ基礎」
床下全体をコンクリートで覆う丈夫な基礎です。家の重さを床下全体で支えるイメージになります。地盤との接地面積が広く、建物の重さが分散できるので安定性が高いという特徴があります。
近年では、布基礎よりもベタ基礎が主流です。強度が高く、シロアリなどの被害に遭いにくいというメリットがあります。
床下の補強はいつ必要になるか
床下の補強工事を考えた方がよいケースを見ていきましょう。
1.コンクリートの寿命
基礎に使われるコンクリートの寿命は30年から40年程度ですが、以下のような場合は、寿命が短くなり、築20年ほどでも劣化やひび割れが起こります。
・家の近くに海や川がある
・床下の湿度が高い
・床下が乾燥しやすい
2.コンクリートの劣化
コンクリートには「水を吸収する」という特性があります。水分を吸収したコンクリートは、コンクリート自体が床下の湿度を上げて、床下全体の劣化を早めます。劣化したコンクリートにひび割れが起こると、水分がコンクリートの奥にまで入り込んでさらに劣化が進むという悪循環に陥ることもあるので、早めの補強工事が必要です。
特に注意したいのが、コンクリートが内側から破裂する「爆裂現象」です。水分がコンクリート内部の鉄筋に到達するとサビによって膨張が起こり、これを放置しておくと爆裂現象が発生します。爆裂現象が起こると、家の基礎は大変危険な状態になるので、一刻も早い対処が必要になります。
3.コンクリートの中性化
コンクリートはアルカリ性ですが、空気中に含まれる炭酸ガスに触れることによって、次第に中性化していきます。アルカリ性から中性になっても強度は変わりませんが、鉄筋のサビを防げなくなるため、結果的には家全体の強度が低くなってしまいます。
こちらも同様に、鉄筋のサビが原因でコンクリートに「爆裂現象」が生じます。
4.1981年の以前の建築
現在、建築基準法によって基礎コンクリートに鉄筋を入れることが義務付けられています。しかし、1981年以前に建てられた家では、基礎コンクリートに鉄筋が入っていない建物もあるので基礎の強度が低くなっていることがあります。
5.シロアリの発生
床下を見る機会はあまりないと思いますが、専門業者などに床下の点検してもらうと、シロアリ被害が見つかることがあります。シロアリの発生を長期間放置していると、基礎だけではなく家全体の強度に影響を与えるため、早めの対策と駆除が必要です。
床下の補強工事費の目安
ここからは、床下補強工事費の目安をご紹介します。
床下の補強を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
・基礎補強工事の費用の目安
基礎補強工事の費用は、材料費と作業費込みで30,000円/㎡が目安です。床をはがす必要はないので、家具などはそのままでも補強工事はできます。
工期は最短で1日、長くても3日前後です。
床下補強工事のタイミングがわからないという方は、まず、プロの専門業者に床下の点検を依頼してみましょう。プロの目でチェックしてもらえば、補強工事の必要性や、シロアリ被害の発生など床下に関する問題が確実にわかります。
まとめ
今回は、床下の補強についてご紹介しました。
床下の「基礎」は、家全体を支える大切な役割を果たしています。しかし、時間の経過や湿気、乾燥、シロアリ被害などによって劣化が進むと、補強をしなければいけません。
とくに、シロアリの被害が発生している場合には、床下の補強だけではなく、家全体の強度が下がる可能性があるので注意してください。
なお、基礎には、比較的古い工法の「布基礎」と、近年では主流の「ベタ基礎」の2種類があります。どちらもコンクリートの寿命そのものは変わらないため、定期的な点検や補修は欠かせません。
床下の補強工事をプロに依頼した場合の費用は30,000円/㎡前後、工期は最短で1日、長くても3日程度となります。
すでに築年数の経過や、基礎コンクリートのひび割れといった症状が見られるならば、念のためにプロの専門業者に相談してみることをおすすめします。