耐震補強が必要な家の特徴とは?工事の種類と費用の相場も詳しく解説!

いつ起こるかわからない大きな地震に備えて、自宅の「耐震補強」を検討されている方も多いのではないでしょうか?

しかし、耐震補強を考えるとき「我が家には本当に耐震補強が必要なのか?」「どれくらいの費用がかかるのか?」「耐震補強とはどんな工事なのか?」など疑問点や不安がたくさん生じるはずです。

そこで今回は、以下について詳しくご紹介します。

・耐震補強が必要な家とは
・耐震補強工事の種類
・耐震補強工事の流れ
・耐震補強工事の費用

さらに、耐震補強で受けられる補助金制度や税額控除についても解説をしていますので、ぜひ参考にしてください。

耐震補強が必要な家の特徴

建物の耐震性を高めるために、基礎や柱、壁、天井などに対して行う工事が「耐震補強工事」です。

建物の基準を定める「建築基準法」が1981年6月に改正されたため、改正以前の「旧基準」と呼ばれる耐震性の弱い建物は、耐震補強を検討する必要があります。
なお、木造住宅に関する基準は2000年6月に再改正が行われているため、2000年以前に建築された木造住宅も耐震補強を行った方がいいでしょう。

基準を満たしていても、以下のような家は地震で倒壊する可能性があるので注意が必要です。

・大きな地震に遭っている家

過去に大地震を経験している家は、基礎や構造にダメージを受けている可能性があります。外観に問題がなくても、構造が弱くなっていると地震で倒壊するリスクは高まります。

・劣化している箇所がある家

建物が劣化している箇所があると、基準を満たしている住宅でも強度が弱っている可能性があります。また、床下に湿気が多いと「木材腐朽菌」が繁殖し、住宅に使われる木材を腐朽させて強度を低下させます。

耐震補強の主な種類

耐震補強の工事には、以下のような種類があります。

・接合部の補強

建材の接合部を金具で補強して固定力を高める工事です。旧基準の建物や2000年以前に建てられた木造住宅は、地震の揺れで接合部が外れてしまうことがあるので、早めの対策を検討した方がいいでしょう。

金具補強は比較的費用が安く工期が短いというメリットもあります。

・筋交いや耐力壁の設置

柱の間に木材を入れて固定する「筋交い」を設置したり、壁そのものを補強したりして建物の耐震性を高めます。

・柱の交換

古い縦柱を撤去して新しい柱に交換する工事です。旧基準の建物は柱の本数が少ないため、新しい柱も追加します。

・屋根の軽量化

重量のある日本瓦を、軽量な金属製の瓦に交換する工事です。屋根が重いと揺れが建物に与える影響が大きくなりますが、軽量化によって建物への負担を軽くすることができます。

・外壁の補強

建物を囲むように固定金具で補強し、耐震性を高める工事です。

・基礎の打ち直し

旧基準の住宅に多い布基礎を、コンクリートで地面を覆う「ベタ基礎」に改良する工事です。

耐震補強をおこなう際の流れを解説

耐震補強工事の具体的な流れは、以下のとおりです。

1.耐震診断

まずは耐震診断を実施して、現在の耐震強度を測定します。なお、耐震診断には、図面を参考にしながら目視で行う「一般診断」と、内部の構造まで診断する「精密診断」の2種類があります。正確で詳細な診断結果を得るためには、「精密診断」を実施した方がいいでしょう。

2.工事計画の設計と見積もり

耐震診断結果を元に補強工事の計画を立てます。また、計画に基づいた見積りも算出します。

3.補強工事

工事の内容によって工期は異なりますが、一般的には10日~3週間程度です。大規模な工事の場合、工事期間中は一時的に仮住まいへ引っ越す必要があります。

4.引き渡し

工事の完了です。

耐震補強にかかる費用【補助金や税制の優遇もあり】

耐震補強にかかる費用は、工法や補強する箇所によって異なります。したがって、詳細な費用が知りたい場合には信頼できる業者に見積もりを依頼しましょう。

壁に耐震金具を設置する場合は1カ所あたり3万円、筋交いの新設は住宅全体で100万円前後が費用の相場です。

耐力壁の設置は、30坪の家で約60万円、外壁の追加は約90万円、壁材の交換も行う場合は180万円前後が相場となります。柱の入れ替えと追加は本数や施工箇所によって異なりますが、1本10万円が相場の目安となるでしょう。

屋根の葺き替えは約120万円、基礎補強工事は増し打ちで約10万円から、打ち直しは300万円以上の費用がかかります。

・耐震補強には補助金や税の優遇を活用できる!

耐震補強の費用は高額ですが、旧耐震の家に現行の耐震基準を満たす工事を実施した場合は、工事費用相当額(上限250万円)の10%が所得税額から控除される優遇制度があります。

なお、耐震補強工事に補助金を支給している自治体もあるので、お住まいの自治体に問い合わせてみるといいでしょう。

まとめ

今回は、建物の耐震性を高めるために行う「耐震補強」について、詳しくご紹介しました。

「建築基準法」が1981年6月に改正されたため、改正以前の「旧基準」と呼ばれる建物は、耐震補強を検討する必要があります。基準を満たしていても、過去に大きな地震を経験している家や、劣化している箇所がある家は補強が必要です。

耐震補強にはさまざまな種類がありますが、費用対効果を考えるなら、接合部や外壁の金具補強を選択するといいでしょう。金具を使った補強は比較的費用が安く、工期が短いというメリットもあります。

耐震補強の費用相場は施工箇所によっても異なりますが、壁に耐震金具を設置する場合は1カ所あたり3万円、耐力壁の設置は30坪の家で約60万円、柱の入れ替えは1本10万円が相場の目安です。

耐震補強の費用には税の優遇や補助金を利用できるので、ご自宅の耐震性が気になっている方は、この機会に補強工事を検討してみてはいかがでしょうか。

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