コンクリート基礎が床下浸水被害に!すぐに行うべき3つの対処法
コンクリート造りの基礎でできた住宅が床下浸水被害に遭った場合、なるべく早く浸水した水を取り除く必要があります。でも、いきなり住宅が床下浸水したら、どのような対処をすればいいかわからないという人も多いはずです。
そこで今回は、以下について詳しくご紹介します。
・ベタ基礎の住宅が床下浸水した場合の被害
・床下浸水後にすべき3つの対処法
・床下浸水に適用される保険は
・専門業者に依頼した場合の費用相場
毎年、台風や集中豪雨による床下浸水被害が日本各地でおこっています。万が一に備えて対処法をしっかり把握しておきましょう。
ベタ基礎が床下浸水した場合の被害
近年、多くの住宅では「ベタ基礎」が採用されています。ベタ基礎とは、住宅の底盤一面がコンクリートで造られた基礎です。
ベタ基礎は地面をコンクリートで覆っているので、水害が発生した際に、床下換気口などから入り込んだ水が床下の土壌へ逃げにくい構造になっています。そのため、床下浸水が発生した際には、浸水した水を汲み上げる必要があります。
水害によって侵入してくる水は、下水や生活排水といった汚水や汚泥が含まれるため、カビや細菌が繁殖しやすい環境になります。もし浸水した水を処理しないまま放置していると、カビや腐食菌などの発生で家が傷んだり、細菌が増殖することによって感染症のリスクが高まったります。
したがって、ベタ基礎の住宅で床下浸水が発生した場合は、なるべく早急に対処する必要があります。
ベタ基礎で床下浸水が発生した際の3つの対処法
床下浸水後にすべき3つの対処法をご紹介します。
1.床下から排水する
床下浸水がおこったら、早急に「排水」しましょう。浸水してきた水は衛生上悪く、放置しておくとカビや菌が発生し、床下にさまざまな被害をもたらします。
排水する際は、床材や畳を外して床下の内部を確認しましょう。水の量が少ない場合はバケツなどで汲み出してください。水の量が多い場合は、排水用のポンプを利用した方がいいでしょう。排水用のポンプは「汚水でも使用可能」であることを確認した上で使用しましょう。
なお、排水作業を行う際には、ご自身を守るためにも肌の露出が少ない服装を選びましょう。ゴム手袋、マスク、ゴーグルなども欠かせません。排水作業中に怪我をしてしまうと、破傷風や感染症にかかるリスクが高まるので、安全面に配慮しながら作業を行ってください。
2.床下内部を乾燥させる
床下の排水作業が完了したら、次は「乾燥」です。天気が良ければ自然乾燥することもできますが、悪天候が続く場合には送風機などを使って乾燥させましょう。
床下を完全に乾燥させないままにしておくと、臭いやカビの発生原因になりますので、しっかりと乾燥させるようにしてください。
3.床下内部を消毒する
床下が乾燥したら、最後に「消毒」します。消毒しないままでいると、細菌が増殖して感染症などの健康被害をおこす可能性があるので、消毒作業は必須です。
ご自分で床下の消毒作業をする場合は「消石灰」を使用します。消石灰はホームセンターや園芸店で販売されています。10キログラムあたり1,000円〜1,500円程度で購入できます。また、消石灰は水害後に市町村で配布される場合もあるので確認してみましょう。
消石灰は1平方メートルあたり、1キログラムを目安に床下に撒いていきます。消石灰は目に入ると失明する恐れがあるため、作業時はゴーグル、マスク、手袋を必ず装着してください。眼に痛みなどの異常があらわれた場合には、すぐに眼科を受診してください。
床下浸水被害に適用できる保険は?
水害による被害には「火災保険」が適用されます。火災保険の水災補償は、台風や豪雨などの洪水被害によって、建物や家財が損害を受けた場合に補償を受けることができます。
ただし、床下浸水による被害は火災保険の対象外とされることが多いので、加入している保険の補償内容をよく確認しておきましょう。
水災補償には支払基準が定められており、基準に満たない場合は補償が受けられません。保険会社によって被害認定や支払基準などが異なりますが、一般的な支払基準は以下のように設けられています。
- 家財や建物の時価30%以上の損害
- 床上浸水、または地盤面から45cmを超えた浸水
自治体からの援助は受けられる?
床下浸水被害に遭った場合、公的な支援制度を受けられる可能性があります。援助内容は自治体によって変わりますので、水害のリスクが高い地域にお住まいの方はあらかじめ自治体のホームページや窓口から問い合わせてみるといいでしょう。
なお、公的な支援制度を受ける場合には、被災の程度を示す「罹災証明書」が必要になります。被害に遭った場合には、自治体から交付を受けるようにしましょう。
床下浸水後の処理は業者に依頼できる?
床下浸水後に行う、「排水・乾燥・消毒」の作業は大変な労力が伴います。慣れない床下での作業になるため、怪我をして破傷風や感染症にかかるケースはよくみられます。
床下浸水後の処理は業者に依頼するのも一つの手です。専門的な知識と道具で適切に洗浄・消毒がされるので、カビや細菌の発生や床下の腐食などの心配もなく安心できます。
業者に依頼した場合の費用相場は
以下が業者に依頼した際の費用相場です。
- 床下の排水や清掃:15,000円〜
- 床下の消毒、防腐、防カビ:3,000円〜7,000円
(※上記は1平方メートルあたりの費用)
もちろん費用は依頼する業者や作業内容によって異なります。業者への依頼を検討しいている方は、複数の業者から相見積りをとって、費用・作業内容・オプションなどを比較することをおすすめします。
まとめ
床下浸水は台風や大雨などの降雨量の増加でいつでも発生する恐れがあります。
床下浸水後は「排水・乾燥・消毒」の3つの工程を早急に行いましょう。被害の状況によってはご自分でも対処することができますが、作業時の怪我や感染リスクもあるため、専門業者に依頼することも考慮してください。
また、被害の保証として「火災保険」を利用できる可能性があるため、万が一に備えて補償内容を確認しておくといいでしょう。自治体によっては支援制度が設けられていることもあるので、併せて確認しておきましょう。