床下を腐らせる腐朽菌の対策方法!カビやシロアリの発生にも注意
床下に発生する腐朽菌の対策をしないと、家の耐久性が大幅に低下してしまいます。
「腐朽菌」という言葉はあまり聞き慣れないかもしれませんが、家の木材を腐らせてしまう大変恐ろしい菌です。腐朽菌は家にさまざまな悪い影響を与えるので、事前の対策は欠かせません。
そこで今回は、腐朽菌が発生する原因や腐朽菌の対策方法などについて詳しくご紹介します。
床下に発生する腐朽菌とは?
「腐朽菌」は、木材に棲みついて成長・繁殖する菌のことです。セルロースやリグニンといった木材の主成分を分解してしまうので、腐朽菌が棲みついた木材は腐り、家の強度が低下します。木材の腐食がひどい場合には震災などで家が倒壊することもあります。
腐朽菌にはいろいろな種類がありますが、家の木材を腐らせてしまうのは、主に「褐色腐朽菌」と「白色腐朽菌」です。
それぞれの特徴を見てみましょう。
褐色腐朽菌 | 白色腐朽菌 | |
特徴 | 気が腐ると茶褐色になる 通気性や日当たりが悪い場所に繁殖する | 気が腐ると白っぽく変色する 乾湿や寒暖差の激しくても繁殖する |
好む木材 | 住宅によく使われる杉などの針葉樹 | ケヤキ、ブナなどの広葉樹 |
症状 | 木材の表面に縦横の亀裂ができる 指で表面をつまむと粉状になる | 豆粒大の穴が無数にあく 表面が繊維状になる |
床下に腐朽菌が発生する4つの原因
腐朽菌が繁殖する条件は、以下の4つです。
- 水分:湿度85%以上、木材の含水率25%以上
- 温度:20度~30度はとくに繁殖しやすい
- 酸素:栄養を取り込むために必要
- 栄養分:木材の主成分
4つの中でどれかひとつでも欠けると、腐朽菌は繁殖しません。この4つは人間が生きていくうえでも大切な要素なので対策はなかなか難しいですが、「水分」だけは管理することができます。とくに、住宅の床下は「湿気」の管理が大変重要です。
床下腐朽菌だけじゃない!カビやシロアリのリスクも
腐朽菌が発生する条件は、カビやシロアリが発生する条件にもなります。腐朽菌の繁殖で強度が弱っている木材をシロアリが食べてしまえば、中身が空洞になって耐久性は大幅に低下してしまいます。
また、カビの繁殖は建材の劣化だけではなく、健康被害を引き起こすこともあります。腐朽菌・カビ・シロアリの繁殖条件はほとんど同じなので、床下腐朽菌の対策をすれば、カビとシロアリの対策にもなるのです。
すぐできる床下の腐朽菌対策を紹介
腐朽菌の繁殖条件の中で重要なのは水分、つまり「湿気」です。そのため、床下の通気性を高めて、湿気が溜まらないようにしなければいけません。
床下の湿気対策としては、以下のような方法があります。
・床下配管を確認する
配管から水漏れしていると、湿気が溜まって腐朽菌が繁殖しやすい状態になります。床下はなかなかチェックする機会がありませんが、腐朽菌を繁殖させないためにも、定期的に床下の配管を確認するようにしましょう。水漏れがあった場合には、すぐにでも専門業者に修理を依頼してください。
・通気性を確保する
床下換気口の前に物などが置いてあると、通気が悪くなって湿気が溜まりやすくなります。換気口の前を物置代わりに使っている場合は、別の場所に移動して床下の通気性を確保しましょう。
・雨漏りを確認する
雨漏りの点検も定期的におこないましょう。天井や外壁などから水が浸入していると、水が下へと流れて床下に溜まり、湿気の原因になることがあります。
・床下調湿剤を設置する
床下調湿剤は、床下の湿度が高いときに湿気を吸収し、乾燥すると放湿して湿度を調節してくれる機能を持っています。床下調湿剤の設置はご自分でもできますが、市販の物には調湿効果がない粗悪な商品もあるので注意が必要です。
また、設置方法を間違えると、調湿効果が発揮されないこともあります。床下の湿気を確実に調節するためにも、設置はプロに依頼しましょう。
床下のトラブルは早めに専門業者に相談しよう
床下の木材が腐っているのを見つけたら、できるだけ早く専門業者に点検と修繕を依頼してください。そのまま放置しておくと腐朽菌の繁殖が拡大して被害も広がってしまいます。
腐ってしまった木材は元に戻らないので、修理が遅くなるほど、改修の費用と時間もかかります。無料で床下の点検をしてくれる業者もあるので、気になる方は気軽に無料点検を依頼してみましょう。
まとめ
今回は、床下に発生する腐朽菌と対策方法について詳しくご紹介しました。
腐朽菌は、木材に棲みついて繁殖する菌のことです。木材の主成分を分解するので、腐朽菌が繁殖すると木材が腐り、家の強度が低下してしまいます。
腐朽菌が繁殖する条件は、以下の4つです。
- 水分:湿度85%以上、木材の含水率25%以上
- 温度:20度~30度はとくに繁殖しやすい
- 酸素:栄養を取り込むために必要
- 栄養分:木材の主成分
この中でどれかひとつでも欠けると腐朽菌は繁殖しませんが、とくに重要なのは水分による「湿気」です。
床下に湿気が溜まると、腐朽菌だけでなくシロアリやカビの温床にもなるので、早めの対策を検討してください。床下の湿気を防ぐ方法はいくつかありますが、効果的なのは「床下調湿剤」の設置です。
床下調湿剤はご自分でも設置できますが、市販品のなかには粗悪な物もあるので、専門の業者に依頼することをおすすめします。