床下換気扇のメリット・デメリットは?気になる設置費用や維持費用も解説

床下の湿気対策として床下換気扇を勧められる方も多いのではないでしょうか? しかし、「本当に効果はあるのか」、「設置費用や維持費用はどのくらいか」など気になりますよね。

そこで今回は、床下換気扇の効果や設置するメリットとデメリットや費用面について詳しくご紹介します。床下換気扇以外の湿気対策にも触れますので、床下の湿気に悩んでいる方は参考にしてください。

床下換気扇の効果と必要性

床下換気扇には、モーターでファンを回して吸気口と排気口を作り、空気を循環させながら床下の温度を調節する役割があります。専門メーカーから大手家電メーカーまで、幅広いメーカーで製造販売されており、本体のサイズも多様です。

近年の住宅は耐震性を高めるために、基礎をコンクリートで造っています。このような基礎コンクリートは、旧来の高床式に比べると「床下に湿気が溜まりやすい」というデメリットがあるのです。また、住宅の断熱性や気密性の高さも湿気が溜まる要因になります。

床下に溜まった湿気は、日常生活にさまざまな弊害をもたらします。代表的な被害としては、「シロアリやカビの繁殖」が挙げられるでしょう。1度発生したシロアリやカビを駆除・除去するのは大変なので、日頃から湿気を溜めないようにして、被害を予防しなければいけません

湿気が溜まりやすい家の特徴

湿気が溜まりやすい家には、次のような特徴があります。

  • 水田や湿地地帯を造成した住宅地である
  • 以前に台風や洪水などで浸水した
  • 敷地に雨水が溜まりやすい
  • 床下が低く通気性が悪い
  • 床下換気口の前に物が置いてある
  • 床下の配管から水が漏れている

このように、床下に湿気が溜まりやすくなる原因はさまざまです。しかし、どれかひとつでも当てはまれば、床下換気扇の設置を検討した方がいいでしょう。そのまま放置しても湿気は解消されないので、早めの対策が必要です。

床下換気扇の効果とメリット

床下換気扇の効果とメリットは、シロアリやカビ、腐朽菌の繁殖防止です。害虫や細菌の予防は、健康被害の改善にもつながります。詳しく見ていきましょう。

シロアリやカビの発生を防げる

シロアリやカビは湿気がある場所を好んで発生します1度発生してしまうと、ご自分での完全な駆除は困難です。場合によっては大規模な駆除・修繕工事が必要になります。

しかし、床下換気扇を設置すれば、シロアリやカビの発生を防ぎ、駆除と修繕にかかる費用も省けます。

腐朽菌の繁殖を防止できる

床下に湿気が溜まると腐朽菌が繁殖します。腐朽菌は木材の主成分を分解して家の強度が低下させるので、繁殖する前に対策をしなければいけません。

床下の腐朽菌は湿度が85%以上になると発生しやすくなるため、床下換気扇で適切な湿度を保つことが大切です。

健康被害を改善できる

床下換気扇は、病気の原因になる化学物質も屋外に排出します。近年では気密性の高い家が増えていますが、気密性の高さは湿気の溜まりやすさに結びつくので注意が必要です。

床下の湿度が高くなると、ダニや害虫、腐朽菌などを発生し、健康被害にも発展します。そのため、抵抗力が弱い子供や高齢者がいるご家庭は、床下換気扇を設置して床下の環境を整えることが大切です。

床下換気扇のデメリット

床下の湿度を適切に保つには、床下換気扇を1日6時間以上稼働させる必要があります。それなりに電気代がかかるうえ機械の劣化が早いので、定期的なメンテナンスが欠かせません。電化製品なので、漏電やコードのゆるみなどにも気を配る必要があります。

また、すでにカビが発生している床下に換気扇を設置すると、換気扇が胞子を飛ばしてしまい、さらなるカビの増殖を招く可能性があります。

床下換気扇の設置費用と維持費

メーカーやスペックによって異なりますが、床下換気扇の設置費用は13万円から15万円が相場です。設置費用には、主に以下の内容が含まれます。

  • 現地調査費
  • 交通費
  • 養生材料費
  • 床下の点検
  • 床下換気扇本体の代金
  • 設置工事費

一般的な床下換気扇は、タイマーで起動するように設計されています。床下換気扇と電源を直接つなぐタイプもありますが、安全性を考慮すればタイマー付きの選択がベストです。工事費にタイマーの設置費が含まれていることもあるので、事前に確認しておきましょう。

床下換気扇の電気代

設置する台数や床下の面積によっても電気代は異なりますが、14Wの床下換気扇を3台、1日6時間稼働させた場合の電気代は1カ月あたり約171円です。床下換気扇のなかには、太陽光発電で駆動するタイプもあります。

床下換気扇の寿命

使用状況にもよりますが、早ければ10年、長ければ20年以上使用することができます。故障しても、部品を交換するだけで修理できるケースは少なくありません。

床下換気扇の設置は簡単?

床下換気扇の設置は大変な難工事です。配線や接続、アース工事には電気工事士の資格も必要になります。DIYでの設置は、ほぼ不可能と考えた方がいいでしょう。

コンクリートのネジ穴固定や、床下換気扇の取り付け位置も正確に決めなければいけません。床下換気扇の効果を最大限に発揮させるためにも、専門業者に設置を依頼してください

床下換気扇の種類と推奨設置台数

次に、床下換気扇の種類と推奨される設置台数について詳しく見ていきましょう。

床下換気扇の種類

床下換気扇は下記の3種類あります。

  • 給排気型
  • 拡散型
  • 攪拌(かくはん)型

給排気型は、外気を取り入れて床下の空気を排出するタイプです。通常は、床下の通気口近くに設置します。拡散型と攪拌型は、床下の空気をかき混ぜて循環させるタイプです。床下の隅に設置すると、床下全体通気性が高まります。

給排気型と拡散型を併用すれば、床下の湿気対策は万全です。どのタイプを選ぶべきか迷った場合は、専門の業者に相談してみましょう。

床下換気扇の推奨設置台数

床下換気扇の設置台数は、30坪に2〜4台が目安です。広さに応じた適正台数を設置すれば、湿気対策は十分に行なえます。必要以上に設置すると、空気の流れが悪くなることもあるので注意しましょう。

なお、悪質業者や詐欺は、設置台数を無駄に増やすよう勧めてくることがあります。不要な台数を勧められた場合は、業者を変えた方がいいでしょう。

床下換気扇以外の湿気対策は?

床下換気扇以外にも、床下の湿気対策に役立つアイテムがあるのでご紹介します。

床下調湿剤

床下調湿剤は、梅雨や秋雨の時期には湿気を吸収し、快晴の日や空気が乾燥しているときには湿気を放出してくれます。床下調湿剤そのものが調湿能力を有しているため効果は半永久的です。

電気エネルギーに頼らず自然な調湿を行うため、環境にも悪影響を及ぼしません。マットタイプの床下調湿剤を使えば、部分的な施工も可能です。ただし、種類によっては効果が有限なので、購入する前に床下除湿剤の種類や成分を確認しましょう。

防水シート

防水シートにも土壌からの湿気を防止する効果があります。しかし、防水シートは床下を剥がしたうえで、全面的に施工しなければなりません。部分的な設置ができないので、施工面積によっては費用が高額になります。

建物の構造によっては施工できないケースもあるので注意が必要です。また、防水シートには寿命があるため、効果は半永久的ではありません。

まとめ

床下の環境を整えるためにも、床下換気扇の設置を選択肢に入れる価値はあるでしょう。建物の主な素材は木材ですが、木は湿度に弱いため雨水が侵入すると湿気による腐敗やカビ、シロアリの発生に繋がります。

効率的で手軽な湿気対策を考えているなら、床下調湿剤の設置を検討してみましょう。床下調湿剤は設置が簡単で、床下換気扇よりも費用が安いというメリットがあります。

調湿剤の効果は半永久的であるため、電気代のようなランニングコストもかかりません。床下調湿剤の設置を検討している方は、無料相談を行なっている業者に問い合わせをしてみましょう。

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