
「雨が降っていないのに基礎だけ濡れている」「同じ場所に雨染みができ続けている」――こんな症状は、基礎コンクリートに何らかの異常が起きているサインかもしれません。
雨染みは一見、単なる汚れに見えますが、放置すると鉄筋の腐食やコンクリートの劣化、さらにはカビやシロアリの発生につながるおそれがあります。
この記事では、基礎コンクリートに雨染みが生じる主な原因とリスク、よくある現場事例、原因別の対処法、補修方法や費用の目安まで、分かりやすく解説します。雨染みが気になる方は、判断の参考としてご活用ください。
基礎コンクリートに雨染みが発生する理由
基礎に雨染みができる原因は一つではなく、雨水の影響だけでなく、敷地環境や排水設備の状態、建物の劣化など複合的な要因が関係しています。原因を把握しておくことで、適切な対処や補修が可能です。
ここでは、現場でよく見られる代表的な原因を解説します。
1. 雨水の跳ね返り
地面に落ちた雨水が外壁と基礎の境目で跳ね返ることで、同じ場所に雨染みが残りやすくなります。基礎の立ち上がりが低い場所や水はけの悪い敷地では、藻やカビが発生し、表面の劣化につながることもあります。
2.雨樋から水が溢れている
雨樋の詰まりや破損で、屋根から流れる雨水が基礎に直接かかることがあります。
溢れた水は同じ場所にたまりやすく、長期間続くと基礎の劣化やカビの原因になります。見た目以上に内部のコンクリートにも影響するため、定期的な点検と清掃が重要です。
3.土壌の透水性が悪い
水を通しにくい土壌では、雨水が滞留して基礎に浸透しやすくなります。特に粘土質の地盤や締め固められた土壌では、同じ箇所に湿気がたまりやすく、コンクリート劣化や鉄筋腐食のリスクが高まります。
排水性の改善や敷地の勾配調整などで水はけを良くすることが必要です。
4.給排水設備の劣化による漏水
給排水設備の劣化や接続部の摩耗で漏水が起こると、基礎に雨染みが現れます。表面だけでは分かりにくく、長期間放置すると基礎の劣化やカビの発生につながります。原因設備の点検・修理が再発防止に欠かせません。
5.外壁・基礎のひび割れからの浸水
基礎や外壁のひび割れから雨水が入り、同じ場所に雨染みができます。微細なひび割れでも水の侵入経路となり、内部の鉄筋腐食やコンクリート劣化を進めるため、原因部分の補修と防水処理が必要です。
基礎コンクリートの雨染みが招くリスク【放置厳禁】

基礎に雨染みが生じたまま放置すると、表面の汚れだけでなく、内部でさまざまな被害が進行します。ここでは、主なリスクを具体的に解説します。
リスク1:基礎の劣化
雨染みのある基礎は常に湿った状態が続き、コンクリートの強度が徐々に低下します。ひび割れが進行すると、内部の鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートが崩落する「爆裂」という深刻な事態に至ることもあります。
こうした劣化は建物全体の耐久性に影響するため、早めの点検と補修が欠かせません。
リスク2:シロアリの発生リスク
基礎周辺が長期間湿った状態が続くと、シロアリの発生リスクが高まります。雨染みのある場所は湿度が高く、床下や柱などの木材部分の通気が悪いと、シロアリの通り道や格好の繁殖場所になりやすいです。
被害が建物の主要構造部に及ぶ前に、早めの点検と駆除が欠かせません。
リスク3:カビと木材腐朽菌の被害
湿った基礎周辺ではカビや木材腐朽菌が繁殖しやすくなります。換気が不十分な床下や木材部分まで影響が及ぶこともあります。
カビや腐朽菌の繁殖は建物の耐久性だけでなく、悪臭や健康被害の原因にもなるため、換気改善や防カビ・防腐処置が必要です。
基礎の雨染みは防水処理だけでは解決しない
基礎の雨染みが気になる場合、まず検討される対策のひとつが基礎防水です。基礎防水はコンクリート表面に防水性能を付与し、雨水や地面からの湿気をある程度防ぐ施工で、新築時に行われることが多いほか、既存住宅でも雨染みや湿気トラブルが気になる場合に追加で施工されます。
しかし、基礎内部にひび割れや劣化がある場合、表面だけの防水では水の侵入を完全に防ぐことはできません。ひび割れや土台の隙間に水が回ることで、雨染みが繰り返し発生し、鉄筋の錆やコンクリートの劣化を進行させる可能性があります。
そのため、防水処理だけに頼らず、基礎の点検や必要な補修・補強を行うことが重要です。
湿気で劣化した基礎の補修事例|ALT(アルト)施工紹介
基礎に雨染みや湿気が長期間影響した場合、コンクリートのひび割れや劣化が進行することがあります。ここでは、ALT(アルト)が手がけた施工事例をもとに、湿気による基礎劣化の補修過程をご紹介します。
施工事例:湿気による基礎劣化

こちらの事例では、湿気の影響により劣化が進んでおり、白華(エフロレッセンス)の発生が確認されました。これは、水分が基礎内部に浸入し、コンクリート成分が溶け出して表面で白く結晶化したものです。広範囲に及ぶ白華は、基礎の耐久性に影響を与え始める初期の劣化サインです。
施工内容
- コンクリート内部の中性化を抑えるため、中性化抑止材を塗布しアルカリ性を回復
- 外部からの湿気や水分の侵入を防ぐため、保護防水材で表面を覆う
- 内部と外部の両面から基礎を強化する二重保護の施工
施工後の効果
- 白華の発生が止まり、基礎表面が清潔で均一に保たれる
- 鉄筋の錆びを防ぎ、基礎の耐久性と強度を維持
- 住宅全体の長寿命化に貢献
湿気による基礎劣化は放置すると建物の状態悪化につながりますが、適切な処理を行えば、今回の事例のように健全な状態へと戻すことができます。早期の対策が、住まいの安心と長寿命化につながります。
基礎コンクリートの補修方法と費用の目安

基礎コンクリートは雨染みやひび割れ、鉄筋の錆びなどで劣化が進むと建物全体の耐久性に影響します。劣化の程度に応じて補修方法や費用が異なるため、早めに適切な工法を選ぶことが重要です。
ここでは、軽度から重度までの代表的な補修方法と費用相場を解説します。
・軽度補修
ビックス工法
小さなひび割れや表面の劣化には、ビックス工法が適しています。ひび割れ部分にエポキシ樹脂を注入して補強することで、コンクリートの耐久性を回復させます。
施工は比較的短期間で済み、費用はひび割れ1か所あたり 1万〜2万円が目安です。
Uカットシール工法
幅の広いひび割れを補修する方法です。ひび割れ部分をU字型にカットし、シーリング材を充填して埋めることで防水効果を高めます。
外観も整えやすく、費用はひび割れ1か所あたり 1万〜2万円が目安です。
・軽度〜重度補修
アラミド繊維シート補強
アラミド繊維シートを基礎に貼り付け、モルタルで平滑に仕上げる工法です。小さなひび割れ補修と同時に基礎全体の耐久性や耐震性を高めることができます。施工期間が短く建物への負担も少なく、長期的な補強を目的とする場合に最適です。費用は1平方メートルあたり2万〜3万円が目安です。
・重度補修
ベタ基礎への変更
布基礎から面で支えるベタ基礎に変更する工事です。古い住宅の布基礎は耐久性が低いため、耐震性や雨染み対策として有効です。施工には1階の床解体が必要で、費用はおおむね数百万円規模となります。
基礎増し打ち補強
基礎劣化が進行した場合に行う工法です。既存の基礎の隣に新しい鉄筋を組み、コンクリートを増し打ちして一体化させることで、基礎全体の強度を向上させます。工事規模に応じて費用は数百万円程度かかることがあります。
基礎の雨染みは放置せず専門家に相談を
基礎に雨染みが見られる場合、表面だけでなく内部の鉄筋やコンクリートにも劣化が進んでいる可能性があります。小さなひび割れや湿気でも放置すると、耐久性の低下やシロアリ・カビの発生など、建物全体に悪影響を及ぼすことがあります。
原因の特定や適切な補修方法の選定には専門知識が必要なため、自己判断で放置せず、まずは建築の専門家に点検を依頼することが大切です。気になる雨染みがある方は、お気軽に無料相談を利用して早めの対応を検討しましょう。








