基礎コンクリートに雨染みが!その原因と対処法を徹底解説!
「雨も降っていないのに基礎が常に濡れている」
「基礎の同じ場所に雨染みができる」
このような症状がある場合は、家の基礎に重大なトラブルが起きているかもしれません。
「ただの雨染み」と思っていると、基礎全体の劣化やシロアリ・カビの発生原因にもなるので注意が必要です。
そこで今回は、家の基礎に雨染みが発生する理由や雨染みの対策方法などについて、詳しくご紹介します。
家の基礎に雨染みが発生する理由
家の基礎には、以下のような理由で雨染みが発生することがあります。
・雨樋から水が溢れている
雨樋から水が溢れている場合は、雨樋のリフォームをおこなうと雨染みも改善します。早めの工事を検討しましょう。
・土壌の透水性が悪い
雨が降ったあとで、いつも同じ場所に雨染みができている場合は、土壌の透水性が悪く基礎コンクリートが雨水を吸い上げていることがあります。
・給排水設備の故障
雨が降っていないのに雨染みができているなら、建物の給排水管が水漏れを起こして床下内部が浸水している可能性があります。
給排水管のトラブルが疑われる場合は、水道栓を閉めて水道メーターを確認してみましょう。メーターが動いていれば給水管のトラブル、動いていない場合は排水管にトラブルが発生しています。
基礎の雨染みには注意が必要
雨染みによって基礎コンクリートが湿気にさらされると、ひび割れを起こしてコントリートの劣化が早まります。基礎の寿命は、コンクリート内部の鉄筋によって左右されるのです。
基礎コンクリートにひび割れが起きていなければ、内部の鉄筋は錆びません。しかし、ひび割れが生じて空気中の二酸化炭素が内部の鉄筋に触れると、酸化によって錆びが生じてしまいます。
錆の進行は鉄筋を膨張させ、最終的にはコンクリートの外部に鉄筋が露出する「爆裂現象」を引き起こしてしまいます。基礎コンクリートの爆裂は、排水管の損傷や電気系統の事故などにつながるので大変危険です。
このように、「雨染みなんて、たいしたことはない」などと思っていると、予想以上に被害が広がることもあるので、早めの対策を検討してください。
基礎の雨染みの対策法は?
雨染みは、雨だけが原因ではなく床下内部の漏水などによって起きることもあるため、素人が原因を突き止めるのは困難です。被害の拡大を防ぐためにも、必ずプロに床下点検を依頼しましょう。
なお、雨染みができている基礎は床下の湿度が高くなっているので、すでにカビやシロアリが発生している可能性もあります。カビやシロアリは建物全体にさまざまな悪影響を及ぼすので、放置は厳禁です。
基礎にひび割れが発生している場合
雨染みで基礎が湿気を帯びると、ひび割れを起こすこともあります。ひび割れの放置は鉄筋の錆びにつながるので、早めに基礎補強をおこなわなければいけません。
基礎の補強工事には、以下のような種類があります。
・ビックス工法
小さなひび割れの補強工事です。ひび割れにエポキシ系樹脂を注入して丁寧に埋めていきます。
・Uカットシール工法
幅が広いひび割れの補強工事です。電動工具でひび割れ部分をU字型(V字型)にカットしてから、シーリング材を充填して埋めていきます。
・基礎増し打ち補強
基礎コンクリートの劣化が進行している場合は、本格的な基礎の増し打ち補強が必要です。「基礎の増し打ち」は既存の基礎の隣に新しい鉄筋と組んで一体化させるという方法で、基礎全体の強度を高めます。
・ベタ基礎補強
基礎を「点」で支えている布基礎を、「面」で支えるベタ基礎に変える工事です。古い住宅の基礎には布基礎が採用されていることが多いので、雨染みが発生していなくても補強を検討した方がいいでしょう。なお、ベタ基礎補強工事は1階の床を解体してから行います。
・アラミド繊維シートによる補強
強靱で柔軟な「アラミド繊維シート」を基礎コンクリートの上に貼って強度を高める工事です。施工手順が簡単でありながら、高い補強効果が得られます。
1度基礎補強をおこなえば半永久的に効果が持続するので、雨染みが気になるなら、ひび割れが発生する前に施工しておくと安心です。
まとめ
基礎の雨染みは、以下のような理由で発生します。
・雨による湿気
・雨樋からの跳ね返り
・床下給排水管のトラブル
基礎の雨染みを放置しておくと、基礎コンクリートが湿気を帯びて劣化が進行し、鉄筋の爆裂現象を引き起こすこともあるので注意が必要です。また、雨染みによって発生する床下の湿気は、シロアリやカビの発生原因にもなります。
基礎の劣化やシロアリ・カビの発生は家全体の耐久性低下につながるため、早めの対策が必要です。ただし、素人が雨染みの原因を突き止めるのは難しいので、必ずプロに床下点検を依頼しましょう。
基礎コンクリートにひび割れが発生している場合は、状況に応じた基礎補強工事をおこなってください。1度基礎補強をおこなえば半永久的に効果が持続するので、ひび割れが発生する前に施工しておくと安心です。
床下の点検は基本的に無料となっています。雨染みが気になる方は、気軽に床下点検を依頼してみましょう。