木造住宅の寿命を伸ばす方法とは【メンテナンス次第で30年以上住める】

木造住宅の寿命は一般的に30年前後とされています。しかし、適切なメンテナンスや点検をおこなえば、80年以上住み続けることもできます。

そこで今回は、木造住宅の本当の寿命や長持ちする家の特徴、寿命を伸ばすためのポイントなどについて詳しく解説します。

木造住宅の定期メンテナンスの内容や費用相場も紹介しますので、少しでも家を長持ちさせたいという方は、ぜひ参考にしてください。

木造住宅の本当の寿命は?築30年が寿命とされる理由

木造住宅の寿命は一般的に「30年」といわれています。しかし、この「30年」という数字は、寿命以外の理由で壊された木造住宅の築年数の平均を表しています。そのため、実際の耐久年数を表した数字とはいえません。

ここで、住宅の構造別の寿命を見てみましょう。

住宅の構造寿命
木造30~80年程度
鉄筋コンクリート(マンションも含む)40~90年以上
鉄骨30~60年程度

どの構造であっても、最短寿命と最長寿命の間には大きな差があります。そのため、木造住宅も30年で必ず住めなくなるとはいえないのです。

・木造住宅の法廷耐用年数は22年

耐用年数とは「減価償却資産が利用に耐える年数」で、正式名称は「法定耐用年数」です。

【住宅の構造別の耐用年数】

住宅の構造耐用年数
木造22年
軽量鉄骨プレハブ(骨格材肉厚3mm以下)19年
軽量鉄骨プレハブ(骨格材肉厚3mm超mm以下)27年
重量鉄骨(骨格材肉厚4mm超)34年
鉄筋コンクリート47年

耐用年数は、あくまでも減価償却の計算のために設けられています。したがって、木造住宅の耐用年数が22年だからといって、22年経過したら住めなくなるというわけではありません。

実際の建物の寿命は、材料や工法、建っている土地の環境やメンテナンスの有無によって変わってきます。

・木造住宅の寿命が30年とされる本当の理由

木造住宅は実際に30年以上も使用できること、法廷耐用年数は22年と定められていることは前述しました。ではなぜ、木造住宅の寿命は30年と広く認知されているのでしょうか。

その理由は主に2つあります。

1.建物以外の寿命が訪れた

建物の寿命が30年以上でも、設備や仕上げ材は30年前後で寿命を迎えます。設備の大規模修繕は費用も高額になるため、「修繕に高い費用を払うなら、建て直した方が良い」と考える人が多くなるのです。

2.設備や間取りの変更

築年数と同時に家族の生活スタイルも変わっていくため、年月が過ぎるほど間取りの変更も検討されます。なかでも、老後の暮らしやすさを考慮したリフォームをおこなうのが築30年頃です。とくに水回りの修繕費用は高額になるため、この時点で建て替えを選択するケースも少なくありません。

木造住宅の寿命を伸ばす2つのポイント

一般的に30年の寿命とされる木造住宅ですが、適切な対策をとることで30年以上住み続けることができます。

木造住宅の寿命を伸ばすポイントは下記の3つです。

1.建物の素材や工法にこだわる

格安な素材や施工で家を建てても、劣化しやすく補修の頻度も高くなればトータルの工費は高額になってしまいます。しかし、長期間の使用でも耐えられる耐久性の高い素材や、技術の高い工法で建てられた家は、長く安全に住むことができます。

木造住宅の躯体に使われている木材が丈夫なら、80年住むことも可能です。湿気対策が万全なら、さらなる長寿化が期待できるでしょう。近年では建築技術の進歩によって、100年住める木造住宅も登場しています。

なお、これは新築の時点で考慮すべき項目なので、今住んでいる家をより長く使いたい方は、下記の2つのポイントを実践してみてください。

2.こまめな清掃と点検

対策方法としてはシンプルですが、寿命を伸ばすためには欠かせません。水回りを清掃するときには、水漏れが原因と思われるシミや配管からの異臭も確認しましょう。

住宅が劣化する原因の大部分は水分(湿気)です。湿気の溜まった家は、カビや菌、害虫が発生しやすくなるだけではなく、建物自体の耐久性にまで悪影響を及ぼします。
湿気が原因で発生する「木材腐朽菌」が棲みついた場合、木材の腐食は急速に進み、家の構造部分に大きなダメージを与えます。

したがって点検する際には、屋根や外壁の亀裂から雨漏りしていないか、床下空間に湿気が溜まっていないか、水道管や配管から漏水していないかのチェックは必ずおこないましょう。

異常に早く気づければ簡単な修繕で済むため、費用も安くなります。

3.定期的なメンテナンス

適切な時期におこなう定期的なメンテナンスも重要です。耐久性の高い家を建てたから大丈夫と安心していても、住んでいれば何かしらのトラブルが発生するものです。

なお、建物の重要な構造部分である床下基礎の劣化には十分に気を配る必要があります。破損や亀裂の発生がないか、害虫などの被害が出ていないか定期的に専門家にチェックしてもらいましょう。

木造住宅のメンテナンスにかかる費用は?補助金も紹介

木造住宅のメンテナンスには、どのぐらいの費用がかかるのでしょうか?必要最低限のメンテナンコストをチェックしてみましょう。

なお、下記の費用相場はあくまでも目安です。施工を依頼する場合には、複数の業者から相見積もりを取るなどして、費用や施工内容を比較検討するようにしましょう。

一戸建て(建物面積100㎡)の場合の費用目安

【築5~10年目】
・基礎の部分的なひび割れ補修:2万
・床(畳、フローリング、カーペット)の部分的な補修とクリーニング:5万円

総費用目安:7万円

【築10~15年目】
・基礎の部分的なひび割れ補修:2万
・畳の張替え:3万円
・小型給湯器交換:8万円
・外壁塗装:80万円

総費用目安:93万円

【築15~20年目】
・基礎の部分的なひび割れ補修:2万
・洗面台交換:10万円
・屋根の補修:20万円
・フローリング、カーペットの全体的な張り替えと補修:40万円
・クロス交換:50万円
・ユニットバス交換:100万円

総費用目安:222万円

【築20~30年目】
・給湯器交換:8万円
・トイレ本体交換:10万円
・基礎の全体的なひび割れ補修:10万円
・キッチン交換:70万円
・間取り変更:100万円
・外壁の全体的な補修:100万円
・バリアフリー化:100万円

総費用目安:438万円

なお、リフォームの内容によっては、国や自治体から補助金が支給されます。たとえば、住宅の長寿命化につながる工事が対象の「長期優良リフォーム化リフォーム補助金」は、工事費の3分の1、1戸あたり最大100~300万円が補助されます。

地方自治体によっては「耐震補強」や「バリアフリー化」などに対する補助金制度を設けているので、居住している市区町村に確認してみましょう。一般社団法人住宅リフォーム推進協議会のホームページで検索することも可能です。

まとめ

木造住宅の寿命は30年といわれていますが、メンテナンス次第では80年以上住み続けることもできます。木造住宅の寿命を伸ばすためにも、日頃の清掃と点検、そして、定期メンテナンスを必ずおこないましょう。

メンテナンスの内容によっては費用が高額になりますが、国や自治体から補助金が支給されるケースもあるのでチェックしてみてください。

補修は早めの方が軽微で済み、費用も安くなります。「メンテナンスする箇所がわからない」という方は、専門業者に無料点検を依頼してみましょう。

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