住宅の基礎も防水対策が必要?劣化を防ぐ方法と費用相場も徹底解説!

住宅の基礎が劣化する主な原因は「水分」です。そのため、基礎の寿命を伸ばすためには、基礎の防水対策が重要になります。

そこで今回は、住宅基礎に対する防水の必要性や、具体的な防水対策などについて解説します。基礎の補強や補修の費用相場もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

住宅基礎に防水対策が必要な理由

住宅基礎の劣化やトラブルは主に「水分」が原因で起こるため、基礎の劣化を抑えるには防水対策が重要です。

住宅の基礎には「建物の重さや地震の揺れを地面に伝えて家を支える」という大切な役割があります。基礎が劣化すると家全体の耐久性が低下し、最悪の場合には震災時に倒壊する恐れまであります。

なお、劣化した基礎には、次のような症状が目立つようになります。

・ひび割れ

住宅の基礎が劣化すると、ひび割れ(クラック)が発生します。髪の毛の細さほどの小さなひび割れは新築住宅でも発生しますが、劣化している基礎のひび割れは比較的大きくなるので放置は厳禁です。

・鉄筋の露出(爆裂現象)

基礎のひび割れが深くなると、隙間から水分や空気が入って内部の鉄筋が錆びて膨張します。劣化がさらに進んだ場合は、膨張した鉄筋がコンクリートを内側から破壊して基礎の外部に露出する「爆裂現象」を起こします。

・モルタルの浮き

通常、モルタルの浮きは「打診棒」で叩いて確認しますが、劣化している基礎のモルタルは浮きが酷く、手で触っただけでも簡単に剥がれてしまいます。

住宅基礎の防水にはどんな方法があるの?

住宅基礎の防水には「基礎塗装」が有効です。塗装することによって基礎の吸水性を抑え、防水性を高めることができます。

なお、基礎塗装には、防水対策以外にも次のようなメリットがあります。

・コンクリートの中性化を抑える

コンクリートはアルカリ性なので、空気中の炭酸ガスや二酸化炭素と反応して中性化を起こし、内部の鉄筋を腐食させます。しかし、基礎を塗装すれば、炭酸ガスや二酸化炭素の反応を抑制して中性化を防ぐことができます。

・美観が高まる

ひび割れが発生している基礎は見た目にも良くないので、塗装によって美観を高めることができます。

・カビやコケの発生を抑える

基礎を塗装して防水性を高めると、水分を含んだ基礎に発生するカビやコケを抑えられます。

ただし、基礎の塗装には次のようなデメリットもあるので安易な塗装は禁物です。

・基礎が痛んだときに気づけない

表面を塗装すると内部の様子がわかりにくくなるため、基礎コンクリートが傷んでも発見できません。

・水漏れに気づけない

表面が塗装されていると漏水しても外に症状が出ないため、床下に入らない限りトラブルに気づくことができません。

・基礎の表面しか保護できない

そもそも、「基礎の表面=住宅の基礎」ではありません。基礎は鉄筋を軸にしたコンクリートで造られていますが、表面には仕上げとして化粧モルタルが塗られているのです。そのため、塗装で保護できるのは表面のモルタルだけになる可能性もあります。

改めて、基礎塗装のメリットとデメリットを確認しておきましょう。

基礎塗装のメリット
・コンクリートの中性化を抑える
・美観が高まる
・カビやコケの発生を抑える

基礎塗装のデメリット
・基礎が痛んだときに気づけない
・水漏れにも気づけない
・表面のモルタルだけしか保護できない可能性がある

基礎を強くしたいなら基礎補強が重要

基礎表面の塗装も大切ですが、もっとも重要なのは「基礎そのもの」の劣化を補修・保護する基礎補強です

基礎補強が重要な理由を詳しく見ていきましょう。

経年劣化から家を守る

一度基礎補強をおこなうと、半永久的に効果が持続して、経年劣化から基礎を守ることができます。住宅の基礎には30年から40年という寿命がありますが、基礎補強を一度おこなえば半永久的に強度を保てるので施工が早ければ早いほどメリットも多くなります

基礎の劣化を防ぐ

塗装によって保護できるのはあくまでも表面だけなので、基礎の劣化を防ぐのには限界があります。水分や二酸化炭素だけではなく、塩害や凍害などでも劣化は進むのです。しかし、住宅の基礎自体を補強しておけば、さまざまな要因による劣化を防いで寿命を伸ばすことができます。

地震や台風などの自然災害から家を守る

基礎を補強しておけば、地震などの自然災害からも家を守れるようになります。住宅の基礎コンクリートは縦の重さに強いですが、「地震などが発生したときの横の引っ張りには弱い」という特性があります。そのため、地震の規模によっては、大きなひび割れや基礎の崩落などを起こす恐れがあるのです。

・基礎補強には中性化抑止剤・保護防水剤も

基礎を劣化から守るには、基礎そのものを強くする基礎補強に加え、劣化原因を根本から遮断する「中性化抑止剤・保護防水剤」の併用がおすすめです

中性化抑止剤・保護防水剤を基礎コンクリート表面に塗布することで、撥水効果で外部からの水分の侵入を防ぎながら、内部に溜まった水分を放出させます。さらに、コンクリートのアルカリ度を回復させる効果もあるため、中性化防止や改善に効果的です。

基礎補強と中性化抑止剤・保護防水剤を組み合わせて施工することで、基礎の強度を上げながら、基礎の劣化原因も同時に排除することができるので、長期的な耐久性向上に期待できます。

費用の目安は、1m5,000円〜8,000円程度です。

住宅基礎の防水や補修にかかる費用相場は

住宅基礎の防水や補修方法と費用相場を詳しく見ていきましょう。

基礎塗装の費用相場

基礎塗装の作業工程は、「下地処理」「高圧洗浄」「養生」「塗装」「養生撤去・清掃」の流れが一般的です。外壁塗装とのセットでなければ基礎塗装を請け負わない業者もあるので依頼をする前によく確認をしましょう。費用相場は、1㎡あたり3,500円~5,000円です。

基礎補強の費用相場

次に基礎補強の工法と費用相場を解説します。基礎補強の工法は、主に次の4つになります。

・ビックス工法

ひび割れにエポキシ系樹脂を注入して補修する方法です。規模の小さなクラックにも対応できます。費用相場は1カ所につき1~2万円です。

・Uカットシール工法

幅が大きなひび割れの補修に用いる方法です。専用工具でひび割れをU字型(V字型)にカットしてシーリング材を充填します。費用相場は1カ所につき1~2万円です。

・基礎増し打ち補修

既存の基礎の隣に新しい基礎を組んで一体化させる方法です。工費の相場は6~8万円/㎡です。

・アラミド繊維シートを使用した補修

コンクリート補修用シート「アラミド繊維シート」で基礎を補修する方法です。多層構造で強靭なアラミド繊維シートの貼付によって、ひび割れが起きている基礎も強固にします。費用相場は、材料費と作業費込みで1.5万〜2.5万/㎡です。

まとめ

住宅基礎の劣化や床下トラブルの主な原因は「水分」です。

基礎の塗装でも防水性を高められますが、内部で劣化が進行する可能性もあります。基礎の劣化を防いで寿命を伸ばしたいなら、一度施工するだけで半永久的な効果がある「基礎補強」がおすすめです。

住宅基礎の補強には、主に4つの方法があります。

・ビックス工法
・Uカットシール工法
・基礎増し打ち補修
・アラミド繊維シートを使用した補修

業者に依頼すれば適切な方法で基礎の補修と補強をしてくれるので、基礎の防水性や劣化が気になる方は気軽に相談してみましょう。

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