床下浸水を防ぐ方法とは?発生原因や被害を受けた際の対処法も紹介

日本では毎年多くの住宅が台風や大雨によって床下浸水被害を受けています。自然災害は防ぎようがありませんが、被害を最小にするための対策はおこなえます。

そこで今回は、以下についてご紹介します。

・床下浸水が発生する原因
・床下浸水を防ぐ対策法
・住宅や健康への悪影響
・被害に遭った場合の対処法

床下浸水などの水害は、住宅へ深刻なダメージを与えます。大切な家を長持ちさせるためにも、いざというときに備えて適切な対策法を知っておきましょう。

床下浸水が発生する原因

急激な降雨量の増加などにより、河川や下水道から水が溢れて、住宅の床下基礎の換気口などから水や土砂が流入することで床下浸水が起こります。

床下浸水は「床上に至らない程度に浸水したもの」であると定義されており、具体的には、住宅の基礎の内側に「50cm以下」水が侵入している状態を指します。

気象庁が定める猛烈な雨(1時間あたり80mm以上)が降る場合には水害への注意が必要になります。

水害には二種類ある

床下浸水の発生原因になる、水害は「内水氾濫」と「外水氾濫」の2種類あります。
内水氾濫は、下水道の排水処理が雨量に追い付かず、市街地にある建物などが浸水してしまう現象です。外水氾濫は、雨量の増加によって「河川の氾濫」や「堤防の決壊」が起こることで、市街地にまで水が及ぶ現象です。

ベタ基礎の住宅は注意が必要

床下浸水で特に注意したいのが「ベタ基礎」の住宅です。ベタ基礎とは、建物の底面全体をコンクリートで覆った工法で、耐震性を高めたり、地面から上がってくる湿気を遮断したりする効果があります。

その一方、底面全体がコンクリートであるため、入り込んだ水が逃げにくい構造になっています。そのため、床下浸水が起こった場合には、基礎内部に流れ込んだ水や土砂を除去しなければいけません。

さらに、ベタ基礎内部は湿気が溜まりやすいため、除去したあとはしっかり乾燥させ、消毒を併せておこなう必要があります。

床下浸水を防ぐ方法

ご自分でできる、床下浸水を防ぐ方法を紹介します。

なお、河川などの氾濫によって水が一気に流れ出してくることもありますので、警報が出されているときは避難を優先して行動してください。

土嚢(どのう)を設置する

浸水の防止には土嚢を用いるのが一般的です。門の前や基礎の換気口の前に設置するのがいいでしょう。土嚢はホームセンターなどで手に入りますが、市町村によっては「土嚢置き場」が設置されており、自由に使用できるようになっています。

簡易的な方法として「水嚢」も役立ちます。45リットルのゴミ袋を二重にし、水を入れることで土嚢の代わりになります。水嚢をダンボール箱などに入れて設置すると破れにくくなります。

止水板を設置する

河川の近くなどの水害の起こりやすい地域にお住まいの方は、万が一に備えて「止水板」を準備しておいてもいいでしょう。止水板は地下鉄の入り口などにも設置されています。

床下換気口をふさぐ

基礎にある換気口を防水テープなどでふさぐことで、基礎内部に水や土砂が侵入することを防ぐことができます。

側溝や雨水枡を清掃しておく

日頃から、自宅周辺の側溝や雨水枡を清掃しておきましょう。枯葉などのゴミが詰まっていると、流れが悪くなり水が溢れ出すことがあります。

床下浸水による住宅への被害は深刻

床下浸水が起こってしまったら、なるべく早く対処することが大切です。少々の浸水被害なら「水が引いたら大丈夫」だと思うかもしれませんが、そのまま放っておくと恐ろしい二次被害を招くこともあるので放置は絶対に厳禁です。

床下浸水被害が招く、二次被害の一例を紹介します。

湿気による建物の劣化

床下の湿度が高いまま放置しておくと、カビや木材腐朽菌が繁殖して建物の劣化を招きます。木材腐朽菌は木造住宅だけではなく、鉄筋コンクリート住宅にも悪影響を及ぼします。

シロアリなどの害虫の発生

シロアリは湿気を好むので、床下浸水後の床下は絶好の住処になります。家にシロアリが住みつくと、床下だけではなく柱や天井裏など家全体に被害が広がり、家の耐久性や耐震性の低下を招きます。

感染症などの健康被害

水害によって床下に流れ込む水は、生活排水や下水などを含む汚水です。この汚水に触れると破傷風や感染症を起こすリスクが高まります。

床下にある配線の漏電事故

床下に配線が通っている場合は、漏電事故に繋がります。床下浸水が発生したら、一刻も早く排水作業をおこない、問題が生じていないか点検を依頼しましょう。

床下浸水してしまった場合の対処法は?

床下浸水は台風や大雨などの自然災害がきっかけになることが多いので、対策が遅れて被害を受けてしまう場合も多いでしょう。そんなときは慌てずに、これからご紹介する3つの対処法をおこないましょう。

(1)排水

床下に溜まった水を排水させます。少量だったらバケツや雑巾を使って汲み出せますが、水量が多い場合は排水ポンプを使って排水させましょう。
また、床下内部には土砂やゴミなども残留しているので、スコップなどを使って残さず掻き出しておきましょう。

(2)乾燥

床下は日光が当たりにくいため、送風機などを使って内部を乾かすといいでしょう。その際、温風を送ると建物の木部が歪む原因になるので注意してください。
また、悪臭やカビの発生原因になりますので、しっかり乾き切るまで乾燥させましょう。

(3)消毒

感染症やカビの発生を防ぐために消毒作業が必須です。床下の消毒は「消石灰」や「逆性石鹸」などを使ってご自分でもおこなえます。

床下浸水後の対処が不安なら業者にも依頼できます

床下浸水後の対処法は、慣れない床下での作業になるため大変な労力がかかります。さらに、浸水した水は衛生的によくないため、感染症や食中毒にかかるリスクも高まります。

前述したように、浸水した水を排水し切れなかったり、消毒が漏れたりすると住宅の耐久性・耐震性にも悪影響を及ぼしますので、不安な際はプロに依頼することをおすすめします。

業者に依頼する際には、下記の作業もプラスしておくと安心でしょう。

  • 防カビ対策
  • シロアリ対策
  • 床下基礎の点検、補修
  • 床下の配管や配線の点検、補修

まとめ

毎年、各地で水害による床下浸水被害が起こっています。今回ご紹介したように、あらかじめできる床下浸水対策もありますので、万が一に備えて準備しておくといいでしょう。

また、被害に遭ってしまった場合は速やかな対処が必要になります。床下浸水後は、「排水」「乾燥」「消毒」をセットとして考えましょう。

床下浸水後の処理が不安な場合は、専門の業者に依頼することもできますので、安全面を第一に考えて適切な処理をするように心がけてください。

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